春上と柈理が柵川中学に転校して来た次の日。9月2日。
「はぁ……」
朝のホームルームが終わって10分の休憩時間に入っていた。しかし佐天は浮かない
「だ、大丈夫ですか……佐天さん?」
「大丈夫に見える……?」
「ハハハ……」
佐天の心情を察して佐天の席までやって来て心配する初春であったが、なんと声をかけていいかわからず苦笑いすることしかできないでいた。
「あ。もう少しで休憩時間が終わりますね」
「1時間目は数学だっけ?」
「はい」
初春に1時間目の教科のことを聞くと佐天は引き出しから数学の教科書とノートを取り出して机の上に置いた。
すると1時間目の開始の予鈴が鳴る。
「佐天さん。色々と大変だとは思いますが学生の本文は勉強ですからね。ちゃんと授業は聞いて下さいよ」
「はーい」
初春の言葉を聞いて佐天は投げやりに返事をした。初春は自分の席へと戻っていく。
予鈴が鳴ってから1分後、教室の扉が開く。
「おいお前ら。静かにしろー」
(は……!?)
教室に先生の声が響き渡る。佐天は先生の声を聞いて衝撃を受ける。なぜなら教室に入って来た人物が茶色のスーツを身を纏い、いつも被っている黒帽子を外しツンツンヘアーが剥き出しのリボーンだったからである。
するとリボーンはジャンプして黒板の縁に乗ると、白いチョークで黒板にリボ山と書いた。そして再び黒板の縁から教卓へとジャンプして移動する。
「今回、臨時でやって来た数学教師のリボ山だ。みんなよろしくな」
(何やってんのリボーン君!?)
リボ山と名乗ったリボーンが自己紹介する。佐天は当たり前のように学校に来て教師を名乗っているリボーンに心の中でツッコミをいれる。
「リボ山って誰?」
「あんな先生いたか?」
「ていうか小さくない?」
(何でみんなわかんないのー!?)
生徒たちは突如として現れた奇妙な教師に違和感を覚えてはいるものの、昨日の放課後に現れた
「あんな先生がいるなんて。この学校、面白いね衿衣ちゃん」
「不思議な先生なの」
(あんな先生いる訳ないじゃん!)
いくら柈理と春上が転校したてとはいえ、常識で考ればあんな先生が存在する訳がない。なぜそれがわからないのかが佐天にはわからないでいた。
「どうしてでしょう? 初対面のはずなのにどこかで会ったことがあるような気がするのですが……」
(何で初春もわかんないの!? 私がおかしいの!?)
何度も会っている初春ですらリボ山がリボーンだということがわかっていなかった。この場にいる誰もリボ山の正体がわからないので佐天は自分だけがおかしいのではないかと思い始めてしまっていた。
「いつもの数学教師は食中毒になったらしくってな。今日は俺が代わりに授業をすることになった。短い間だがよろしくな」
(絶対リボーン君の仕業だ!)
リボーンの言葉を聞いて、リボーンが数学教師を食中毒にさせたということを佐天は確信した。
「さっそく授業を始めるぞ。2学期の内容に入る前に1学期の復習から入るぞ。今から黒板に書いた計算式を解いてみろ」
そう言うとリボーンは黒板に白のチョークで問題を書き始めていく。
「解けた奴は挙手した後、黒板に答えを書いてくれ。途中式は書いても書かなくてもどっちでもいいぞ」
リボーンがそう言うと生徒たちはノートに計算式を書き写すと問題を解いていく。復習は15分程で終了する。
「1学期の復習はこれで終わりだ。ここからは2学期の内容に入っていくぞ」
そう言うとリボーンは黒板消しで計算式を一斉に消すと2学期の内容を黒板に書いていく。
(なんか普通にわかりやすいんだけど……)
リボーンの教え方はとても上手く、生徒たちはすぐに理解していた。その影響もあってか授業はスムーズに進んでいっていた。
「そんじゃ。次は今覚えた公式を使って解く応用問題だぞ」
(一時はどうなるかと思ったけど……)
リボーンが出て来た時はどうなるかと思ったが何事もなく授業が進んでいる為、佐天は安堵する。
「こいつを解いてみろ」
「「「「「え……!?」」」」」」
(何これー!?)
黒板を見てクラス全員が絶句する。なぜならそこには黒板を埋め尽くす程の計算式が書かれていたのだから。安堵した矢先にこんな難問を解いてみろと言われてるとは露にも思っていなかった為、佐天も驚愕してしまっていた。
「遠慮せず手を上げろ」
(無理だって! こんなの絶対に解ける訳ないって!)
間違う間違わない以前にどうやって解けばいいかすらわからない状態である為、手を挙げられるものなどいるはずもなかった。
「ちなみにこの問題が解けた奴には俺からいいマフィアの就職口を紹介してやるぞ。特別待遇でな」
「「「「「「は?」」」」」」
(リボーン君、このクラスの中からボンゴレに入る人材を探すつもりだーーー!!)
リボーンの発言を聞いて、佐天以外の生徒は何を言ってるんだこいつ? みたいな
「マフィアって……大丈夫か……頭おかしくなったんじゃねぇのか……?」
「私語は慎まんか」
「がっ!?」
(あまりの速さに黒板消しが凶器と化したーーー!?)
1人の男子生徒がそう呟いた瞬間、リボーンが超スピードで男子生徒に黒板消しを投げた。黒板消しは男子生徒の額に直撃し、男子生徒は気絶してしまう。ただの黒板消しで人を気絶させるリボーンの技量に佐天は愕然としてしまっていた。
「そんじゃお前ら。こうなりたくなかったら死ぬ気で解けよな」
リボーンがそう言った瞬間、恐怖に支配された生徒たちは一斉に問題を解き始めるのであった。
最近、佐天がツッコミしかしていないような……
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