柵川中学にやって来た不審者と対峙する佐天。
「片付ける? 俺の攻撃を避けられなかった奴がよく言えたものだな」
「さっきまでの私と同じに見える?」
微塵も動揺していなかった。
「あれがルイコの能力……!?」
「でもあれって……!?」
「夢に出て来たあの人とそっくり……」
「あの人ツナお兄ちゃんと同じ力だ! 凄いね衿衣ちゃん!」
「本当にそっくりなの……」
柈理と春上もツナと同じ力を持っている佐天の存在に驚きを隠せないでいた。
「まぁいい。簡単に殺すのも面白くない。俺との実力差に絶望させてやるぜ」
男が一歩踏み出した途端、一気に加速し佐天の間合いへと一瞬にして移動する。
「絶望するのはお前の方ね」
「ゴハッ!?」
だがその場から一歩も動くことなく佐天は男の顔面に拳を叩き込んだ。拳を叩き込まれた男はもの凄い勢いで空中で吹き飛ばされる。
「くっ!」
(止まった?)
佐天の拳によって勢いよく吹き飛ばされた男であったが空中で急に動きが止まる。佐天は男が空中で急に止まったことに違和感を覚える。
すると空中で止まっていた男は一気に加速し地上へ落下していく。そして地面に着地する寸前に再び動きが止まりゆっくりと着地する。
「クソが!!」
男は近くにあった石を佐天に向かっておもいっきり蹴り飛ばした。普通に蹴って飛ばした石の速度とは違い、石は弾丸並みの速さで佐天に向かっていく。弾丸並みの速さで飛んで来る石を佐天はその場から一歩も動くことなく首を傾けて避ける。
(後ろ!)
背後から殺気を感じ、佐天は咄嗟に後方を振り向くと同時に男に向かって右手の拳を繰り出す。男も同じく佐天に向かって右手の拳を繰り出した。
「っ!?」
だが男の動きが急激に加速する。佐天は咄嗟に左手の掌で男の拳を防いだ。佐天は再び右手の拳を叩き込もうとしたが、叩き込む前に男はもの凄い勢いで飛び引いたのだった。
「成る程。そういう能力ね」
佐天は今までの一連の行動から、男の能力の詳細が何なのかを理解した。
「自分自身と触れた物の速度を変えることができる。それがお前の能力」
(この
自分の能力を短期間で見破られたことに男は動揺を隠せないでいた。佐天は修行にて多くの人との戦いを経験した。それによって見切る力が格段に上がっていた。
「
「嬉しい誤算?」
「全ては
「話が見えてこないわね」
「俺は学園都市では
そう言う男の
「そして俺は今日、少年院を脱獄した。
男はおぞましい笑みを浮かべながら語る。佐天は炎を逆噴射させて一気に間合いに移動して男の顔面に拳を喰らわせて吹き飛ばした。
「ごめんなさい。あまりにも隙だらけだったから攻撃させてもらったわ。でもおかしいわね。
「調子に乗るんじゃねぇクソ
男は青筋を浮かべながら真正面から突っ込んでいく。能力によって男のスピードは何倍にも引き上がる。
「ガッ!?」
「調子に乗ってるのはあなたの方ね」
だが佐天は冷静に炎の壁を目の前に展開する。男は炎の壁に自らぶつかってしまう形になってしまう。死ぬ気の炎は炎自体が破壊力を持った超圧縮エネルギー。そこにぶつかることは鉄筋コンクリートにおもいっきりぶつかることに等しい。
「自信過剰とはまさしくこのことね。お前程度の実力で
美琴と対峙したことのある佐天は知っていた。学園都市に7人しかいない
「終わりね」
佐天は姿勢を低くし右足を凪払う。男は佐天の右足が直撃する前に能力を使って加速し、一気に上空へ移動した。
(脳天をかち割ってやる!!)
男は能力で落ちるスピードを加速させた蹴りで佐天の息の根を止めようと画策する。
が、
「なっ!?」
男が狙いを定める為に下を見た。だがそこには自分と同じ速度で空中を移動している佐天がいたのだから。
「と、飛んでる……!?」
「凄い……」
「この1ヵ月でどこまで強くなってんのよ……!?」
能力に目覚めただけでなく飛んで戦えるようにまでなっていることにむー、マコ、アケミは衝撃を隠せないでいた。
「私が飛べないって言った覚えはないわよ」
(この
男はまんまと佐天に嵌められたことを理解する。敢えて足元を狙うことで自分を空中へ誘導させた。しかも男は佐天が飛べるとは微塵も思っていない。故に完全に油断したのである。
すると佐天は右手で男の足を掴んだ。そして男をハンマー投げをするようにグルグルと回し始める。
「がぁあああああ!!」
男は苦しみの声を上げる。佐天は右手の炎の熱で男の右足を焼いていた。グルグルと回して脳を揺らし、炎の熱で苦しませることで能力を発動させないようにしているのである。
そして佐天は地面に向かって男を投げ飛ばした。
「死炎速」
佐天は両手を後ろに構えると炎を細く絞った状態で逆噴射させる。
「グボォ!?」
地面に落下している男の腹部に超加速した佐天の蹴りが決まる。男はそのまま地面に叩きつけられた。叩きつけられた余波によって大量の砂塵が舞う。少しすると砂塵が消える。そこには小さなクレーターができており、完全に白目を向いて気絶している男がいた。
「これに懲りたら反省することね」
白目を向いて気絶する男に佐天はそう呟くのだった。
その後、
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