とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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久しぶりの投稿です。仕事が忙しく疲れてばかりだったので更新ができませんでした。真に申し訳ございません。


標的(ターゲット)246 お世話

 

 

 

 

 

 

 午前中にミサとミカと遊んだ後、佐天の寮に戻ったツナは再び佐天の寮を出て、風紀委員(ジャッジメント)の仕事へと向かった。

 

「はぁ。終わったー」

 

 そして風紀委員(ジャッジメント)の仕事を終えて背伸びをしながら佐天の寮へと戻るツナ。

 

「ただいまー」

 

「お帰りツナ兄ちゃん」

 

「お帰りなさいなのツナさん」

 

「絆理!? 衿衣!?」

 

 ツナが寮の扉を開くと他の寮にてルームシェアしているはずの絆理と衿衣がなぜか寮にいた。ツナはなぜ2人がここにいるのかわからず驚きの声を上げる。

 

「な、何で2人がここに!?」

 

「俺が呼んだぞ」

 

「はぁ!? お前が!?」

 

 リボーンがこの2人を呼んだということを知ってツナは驚きの声を上げる。

 

「今日から広域社会見学で佐天がいねぇからな。だからその間、泊まり込みで飯を作りに来てもらうことにしたんだぞ。お前、まともな料理作れねぇしな」

 

「そりゃそうだけど……」

 

「だからお前と知り合いだっていうこいつらを呼んだんだぞ」

 

「というか何でこの2人と俺が知り合いだっていうことを知ってるんだよ」

 

「柵川中学にも俺のアジトがあるんだぞ。それぐらいの情報ぐらい知ってるぞ」

 

「お前また改造したのか!!」

 

「前に言っただろうが。俺のアジトは学園都市の至る所に張り巡らせてあるってな」

 

「お前なぁ……」

 

「いいじゃねぇか。俺のアジトのお陰でまともな飯にありつけるんだ。感謝しやがれ」

 

「はいはい……わかりましたよ」

 

 これ以上、何を言ったところで無駄だということを感じたツナは投げやりに返事をした。

 

「ごめんね。リボーンが勝手に」

 

「ううん。そんなことないよ。ツナお兄ちゃんは私たちを助けてくれたんだから、これぐらいどうってことないよ。ね? 衿衣ちゃん?」

 

「はい。ツナさんがいなかったら絆理ちゃんと再会できなかったかもしれませんなの。だからお礼をさせて下さいなの」

 

 絆理と春上に謝罪の言葉を述べるツナ。しかし2人は全然、気にしている様子はなかった。

 

「じゃあさっそく始めようか絆理ちゃん」

 

「うん」

 

 そう言うと2人はあらかじね買っておいた食材を入れている袋を持って台所へと向かって行く。

 

「あ! 佐天には連絡しておかないと」

 

「大丈夫だぞ。佐天には俺から(・・・)ちゃんと2人が来るっていうことは伝えておいたから連絡する必要はねぇぞ」

 

「ならいっか」

 

 リボーンが勝手に2人を呼んだなのでちゃんと佐天に事情を話しておいた方がいいと思ったツナであったが、リボーンが連絡したということを知って連絡するのを止めた。しかしこの時、ツナは気づいていなかった。これがリボーンの策略だということに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そもそもなぜこの2人がここにいるのか。それを語るには時を少しだけ遡らなければならない。

 9月3日。放課後の柵川中学の教室。

 

「ねぇ衿衣ちゃん。今日の晩御飯どうする?」

 

「……」

 

「衿衣ちゃん!」

 

「はっ! 絆理ちゃん!? な、何!?」

 

 春上に声をかけるも反応がなかった為、絆理は大きな声で春上に話しかける。絆理の声で春上は我に返った。

 

「衿衣ちゃんってばツナさんのこと考えてたんでしょ」

 

「そ、そんなこと……」

 

「わかるよー。佐天さんって人がツナさんを好きだって知ってから衿衣ちゃん上の空なんだもん」

 

「そ、それは……」

 

 絆理に自分の心の内を見透かされて春上は反論できずシュンとしてしまう。

 

「別に佐天さんがツナお兄ちゃんと付き合って訳じゃないんだし落ち込む必要なんてないよ」

 

「で、でも……佐天さんすっごく可愛いし……」

 

「衿衣ちゃんだってすっごく可愛いよ。それにやる前から諦めてちゃ前になんて進めないよ」

 

「良いこと言うじゃねぇか」

 

「「?」」

 

 突如、知らない第三者が2人の会話に割って入って来る。2人は声の主を探す為に周囲をキョロキョロと見渡すが声の主は見当たらなかった。

 

「こっちだぞ」

 

「あっ……」

 

「あー! 君は前に佐天さんと一緒にいた子だ!」

 

「ちゃおっす」

 

 下から声がしたので春上と絆理は下を向いた。そこには先程、噂していたリボーンがいた為、2人は驚いていた。

 

「絆理と衿衣でよかったか? お前らはツナの知り合いってことでいいんだよな?」

 

「うん。君もそうなんだよね?」

 

「俺は佐天の家庭教師(かてきょー)であると同時にツナの家庭教師(かてきょー)でもあるからな」

 

 リボーンと絆理は互いにツナのことを知っているということを確認する。

 

「話を元に戻すぞ。絆理の言う通り、やる前から諦めてたんじゃ佐天をツナに奪われて終わりだぞ。それに佐天は片想いだ。全くチャンスがねぇ訳じゃねぇ。ツナと付き合えるかどうかはお前次第だぞ」

 

「でも私……引っ込み思案で特に何の取り柄もないし……」

 

「だからこそだぞ」

 

「え?」

 

「その引っ込み思案な性格が最大の武器になる。男っていうのはか弱い女程、護ってあげたくなるもんだ。それでいてツナはどこにいでもいるような普通の女がタイプだ。お前のような女がな」

 

「そ、そうなの?」

 

 ツナのタイプが自分のような人だということを知って春上は少しだけ表情(かお)を明るくさせる。

 

「ところでだ聞くんだが。お前、料理はできるか?」

 

「できるけど……それがどうしたなの?」

 

「ここだけの話なんだが実はツナは佐天の寮にて居候してんだ」

 

「「ええ!?」」

 

 リボーンからさらっと衝撃の事実を知らされて春上と絆理は驚きの声を上げる。

 

「銀行強盗に襲われそうになったところをツナが助けてな。その縁でツナは佐天と一緒に住むようになったんだ。だがその佐天が広域社会見学で1週間いねぇ。そしてツナはまともな料理がねぇ。ここまで言えばわかるな?」

 

「そっか! その間に衿衣ちゃんが佐天さんの寮に行って料理を作ってあげればツナお兄ちゃんと衿衣ちゃんだけの2人っきりの空間ができる上に訳だね!」

 

「ば、絆理ちゃん!!」

 

 リボーンの考えていることを理解した絆理。絆理の言葉を聞いて春上は顔を明るくして慌てる。

 

「という訳だ。しばらく絆理の寮に世話になるがいいか?」

 

「勿論だよ! じゃあ衿衣ちゃん頑張ってね!」

 

「ま、待って!! 私はまだ行くなんて一言も!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 などというやり取りがあり、佐天の寮にこの2人がやって来たのである。絆理が来たのは春上がツナと2人きりという状況が耐えられない為、どうしても来て欲しいと言ったからである。

 そしてついに晩御飯が完成する。晩御飯のメニューはシチューとサラダだった。

 

「美味しい!」

 

「本当ですかなの?」

 

 自分の作ったシチューが想い人(ツナ)に絶賛されて春上はとても嬉しそうな様子だった。絆理はサラダを作る担当であった為、シチューは完全に絆理が作ったのである。

 

「このシチューは衿衣ちゃんが1から作ったんだよ」

 

「え? そうなの?」

 

「うん。それはそれは愛情を込めてね。ね? 衿衣ちゃん?」

 

「絆理ちゃん!!」

 

 春上の方を見ながらニヤニヤしながら絆理はそう言った。春上は顔を真っ赤にしながら慌ててしまっていた。

 

 

 

 

 

だがこの時、春上たちは知らなかった。至福の時が長く続かないことを。

 

 

 

 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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