とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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 美琴に襲われていた当麻を助けたツナ。現在二人は学園都市を飛んでいる。

 

「た、高ぇえええ!」

 

「暴れるな。落ちるぞ」

 

 あまりの高さに当麻は恐怖していた。そんな当麻にツナは冷静な口調で言うが当麻の恐怖したままであった。

 

「家はどっちだ?」

 

「え? 何? 送ってくれんの?」

 

「乗り掛かった船だ。それに家なら美琴に襲われることもないだろ」

 

「わ、悪ぃな」

 

「気にするな。それより方向は?」

 

「このまま真っ直ぐでいい」

 

「わかった」

 

(にしても前に会った時と全然、雰囲気も口調違う……多重人格なのか……?)

 

 当麻は前に会った時とツナが全然、違っていることに違和感を感じていた。

 

「つーか聞きそびれたんだけどよ。お前、前にレベル0だって言ってたよな。何で嘘ついたんだよ?」

 

「嘘はついていない。俺はレベル0だ」

 

「はぁ!? どう考えてもお前は能力者だろ!? つーか何で能力を複数……ん!?」

 

 ツナの言葉に当麻はツッコミを入れるが、途中であることに気づいた。

 

(何で俺の右手に触れているのにこいつは能力が使えるんだ……!? じゃあ沢田は本当に能力者じゃない……!? だったらこの能力は何なんだ……!?)

 

 当麻はあらゆる異能を無力化する右手を持っている。その右手がツナに触れているのにも関わらず、ツナの力は無力化されていなかった。このことから当麻はツナの力が何なのかわからずにいた。

 

「お前のその力が能力じゃないっていうのはわかった」

 

「どうしてわかった? さっきまで信じていなかったのに」

 

「俺の右手はあらゆる異能を無力化できるんだ」

 

(能力の無力化って……佐天の言っていた都市伝説の……当麻のことだったのか……)

 

 ツナは佐天の言っていた都市伝説の話を思い出していた。その正体が当麻だと知ってツナは驚きを隠せないでいた。

 

「じゃあお前も能力者なのか?」

 

「いや……身体検査(システムスキャン)じゃレベル0っていう判定なんだ……俺もよくわかんねぇんだけどさ……」

 

「レベル0なのに能力を無効化できる……だから美琴に狙われたのか……」

 

 当麻の能力を聞いて、ツナは当麻がなぜ美琴に狙われるのか理解した。

 

「ああ。でもお前は俺の右手に触れているのに、お前の力は無力化されていない。だから能力じゃないってわかったんだ」

 

「お前の言う通りこれは能力じゃない。能力とは原理が違うんだ」

 

「でも何でそんな力を使えるんだよ? 俺もあんまり人のことは言えねぇけどさ……」

 

「それは……」

 

 当麻の問いにツナは顔を俯かせて黙ってしまう。だが決意を固める。

 

「俺はこの世界の人間じゃないんだ」

 

「は……!?」

 

 ツナは当麻にならいいと思ったのか自分の正体を明かした。当麻はツナの言葉を聞いて衝撃を受けた。

 

「俺は色々あってこことは違う世界からやって来たんだ」

 

「い、いや……!? いきなりそんなこと言われて信じられる……ん!?」

 

 ツナの言うことを信じられない当麻であったが、ここであることを思い出す。それは前にツナがリングからナッツを出したことである。

 

「あっ! そろそろ降ろしてくれ。この辺なんだ」

 

「わかった」

 

 もっと色々と聞きたかったが家の近くまで来ていたので当麻は降ろしてくれと頼む。ツナはゆっくりと当麻の家の近くへ降りて行く。

 

「ナッツ。戻ってくれ」

 

「うぉ!?」

 

 ツナがそう言うとマントに形態変化したままにしていたナッツが元の姿に戻りツナの肩に乗る。マントがナッツになったことに当麻は驚きを隠せないでいた。

 

「本当に異世界から来たんだなお前ら……」

 

「悪いがこのことは他言しないで欲しい」

 

「お、おう……」

 

 ツナの正体について他言しないことを了承する当麻だったが、ナッツがマントになっていたことの衝撃が抜けていなかったのか曖昧な返事になってしまっていた。

 

「それと連絡先を交換してくれるか?」

 

「連絡先? いいけど。どうしたんだよ急に?」

 

「美琴に襲われた時の為にな。それ以外でも何か困ったことがあったら頼ってくれ」

 

「なんか悪ぃな。世話になってばかりで」

 

「気にするな。俺は風紀委員(ジャッジメント)の協力者だ。それに友達を見捨ててはおけないからな」

 

 ツナの世話になってばかりな為、当麻は申し訳ない気持ちになってしまっていた。二人は連絡先を交換する。

 

「ビリビリの奴がもうちょっと大人しくなってくれりゃ沢田に迷惑をかけねぇで済んだのにな……」

 

「あれでも俺の友達なんだ……許してやってくれ」

 

「確かに迷惑はしてるけど。恨んじゃいねぇよ」

 

「そうか。ありがとう」

 

 そう言うとツナは再び飛んで、去って行くのだった。

 

 

 

 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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