とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)255 亀裂

 

 

 

 

 9月14日。風紀委員(ジャッジメント)177支部。

 

「……」

 

 黒子は椅子に座り、握った状態の右拳を右頬に当てながら深く考え込んでいた。

 

「白井さん」

 

「……」

 

「白井さーん」

 

「……」

 

「もう! 白井さん!」

 

「っ!」

 

 深く考え込んでいる黒子に話しかける初春であったが黒子からの応答がなかった為、声を大きくして名前を呼んだ。初春の声で黒子は我に返った。

 

「何ですの初春? 騒々しいですわよ」

 

「騒々しいですわよじゃあないですよ。ボーッとしてたから何度も話しかけたのに返事をしないから大きい声を出さないといけなくなったんじゃないですか」

 

「それは申し訳なかったですの」

 

「それよりどうしたんですか? すっごく怖い表情(かお)してましたけど?」

 

「ちょっと考え事してただけ。大したことじゃありませんわ」

 

 初春の質問に答えると黒子は椅子から立ち上がり支部内に設置してある冷蔵庫の前に移動する。そして冷蔵庫の中から水の入ったペットボトルを取り出すと蓋を開けて口に含む。

 水を飲み終えると黒子は蓋を閉めてペットボトルを冷蔵庫の中へ戻した。

 

「そういえば今日は沢田さんは休みでしたよね」

 

「初春。私の前でその名前を口にしないで下さいまし。不愉快ですの」

 

「白井さん……?」

 

「今のは忘れて下さいまし……私はパトロールに行ってまいりますの」

 

 黒子の発言を聞いて初春は違和感を覚える。失言してしまったことに気づいた黒子は申し訳なさそうな顔した後、扉へと出てパトロールへと向かった。

 

「白井さん……沢田さんと何かあったんでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方でパトロールに出た黒子。

 

(いけませんわね……仕事中に私情を挟むなんて……)

 

 街を歩きながら先程の発言と余計なことを考えてしまったことを反省する黒子。

 

(心を切り替えねばいけませんの!)

 

 両手で両頬を叩いて気合いを入れ、風紀委員(ジャッジメント)の仕事を真っ当することを心に決める。

 しかし気合いを入れ治したのはいいものの本日、管轄内には特に困っている人も困ったことをするような人もいなかった。

 

(これ以上のパトロールの必要はなさそうですわね……)

 

 これ以上のパトロールの必要性がないと判断した黒子は支部へと帰る為に振り返った。

 その時だった

 

「ありがとう沢田。あんたのお陰でコンプリートできたわ」

 

「揃ってよかったね」

 

(お姉様!?)

 

 黒子のカフェを通り過ぎようとした時、カフェの中からトートバック美琴とツナが出て来る。2人がなぜカフェの中から出て来たのかわからず黒子は驚きを隠せないでいた。

 

「げっ! 黒子!」

 

「あ。本当だ」

 

「おおおお姉様!? なぜ沢田さんと!?」

 

「いやー……そのー……」

 

 動揺しながら美琴にツナと一緒にいた理由を尋ねる黒子。美琴は黒子の質問に答えたくないのか歯切れの悪い返事をする。

 

「コラボカフェに来たんだよ」

 

「ちょっ!? 沢田!?」

 

「コラボカフェ?」

 

 ツナが美琴の代わりに黒子の疑問に答える。ツナの言葉を聞いて美琴は動揺し、黒子は疑問符を浮かべる。

 

「なんかゲコ太? っていうキャラとこのカフェがコラボしてるらしくって、その缶バッチを手に入れる為に協力して欲しいって言われて……」

 

「お姉様………」

 

 ツナは会話を聞いて黒子は頭を抱えてしまっていた。

 ゲコ太とはカエルの姿をしたマスコットキャラクターである。しかしこのゲコ太が好きなのは保育園生や幼稚園生、小学生といった小さいな子供が対象。それでも美琴はゲコ太のことが好きであり、なんなら子供よりもハマっているぐらいである。

 しかし黒子は美琴がゲコ太が好きなことに否定的である。なぜなら名門である常盤台生にして学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)がこんな子供じみたものが好きだということが周囲に知れれば美琴の評判に関わるからである。

 

「あれだけ言っているではありませんか……こんな子供じみた趣味はお止めになって下さいと……」

 

「い、いいでしょ!! 私が何を好きになろうと勝手でしょ!!」

 

「沢田さんも沢田ですの……どうしてこんなことに付き合っているのですか……?」

 

「いや……別に暇だったし……それに人の好きなものを否定するのもアレだし……」

 

「沢田……!!」

 

 ツナの言葉を聞いて美琴はとても嬉しそうな顔をしていた。今まで子供の趣味だと言われることが多かった美琴にとってこの言葉はとても嬉しいものはなかった。

 

(まぁ獄寺君に比べたら別に普通っていうか……)

 

 ツナは友達である獄寺のことを思い出す。獄寺は本気でUMA(未確認生物)を生物を信じていたり、授業中にG文字という独自の文字を作成したりという変わった人物である。別にツナは獄寺の好きなことをを否定している訳ではないが、獄寺の好きなことに比べたら美琴の好きなものが普通に思えるのである。

 

(お姉様があんなに嬉しそうに……)

 

 普段はクールで表情を崩すことがあまりない美琴が嬉しそうな表情(かお)をしたので黒子は少しだけ驚いてしまっていた。

 

(でも何で沢田さんなんですの……!?)

 

 美琴の変化に驚いた黒子であったが、すぐに驚きの感情から嫉妬の感情へと変化する。そして拳を強く握り締める。

 そんな心情を知ってか知らずか黒子の携帯に着信が入る。黒子は自分の感情を抑えつつ電話に出る。

 

「もしもし?」

 

『あ。白井さんですか?』

 

「何かあったんですの?」

 

『はい。事件が発生しまして。ですがちょっと妙な事件なんです』

 

「妙な事件?」

 

『はい。とにかく一旦、支部に戻ってもらえますか?』

 

「わかりましたの。すぐに戻りますの」

 

 初春からの連絡を聞くと黒子は通話を終了し携帯をポケットの中へと入れる。

 

「事件が発生したようですの。なので一旦、支部に戻りますの」

 

「俺も行こうか?」

 

「必要ないですの!!」

 

「え……?」

 

 今日は非番のツナであったが事件が発生したと知って手伝おうとする。しかし黒子は怒りを露にし声を荒らげながら否定する。急に黒子の態度が豹変した為にツナは驚きを隠せないでいた。

 

「生憎とあなたの力を借りる程、私は落ちぶれていませんの!! 子供扱いしないで下さいまし!!」

 

 そう言うと黒子はテレポートを使って支部へと戻って行ったのだった。

 

 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う
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