逃亡した結標。しかしその行く手を阻んだのはなんと
『その時は戦うよ。たとえ学園都市を敵に回すことになっても。約束したんだ。妹達シスターズが……みんなが笑える未来を作るって。だからもう覚悟はできてる』
(何がみンなが笑い会える未来を作るだ。こんなんじゃ前途多難もいいところじャねェか。クソッタレが)
時は遡り。ツナがミサの病室を訪れていた頃。
(ッたく……
「あァ?」
廊下を歩いていた
「あいつは……!?」
ミサが話している人物を見て
何の話をしているのか気になったのか
(あの実験が再開する可能性があるだと)
(あの野郎……本当に止められンのかァ?)
病室の窓からツナが飛び立ったのを確認した
そしてその甘さを利用されて実験の再開を阻止できなくなるのではないかと。
(何で俺があいつの心配しなくちャならねェンだ……クソッタレが……)
そして場面は戻る。
「俺も堕ちたもんだなァ……いや……元々、堕ちたンだからこの言い方は違ェな……じャあこの場合、なンて言えばいいンだァ……?」
「何、1人でブツブツ言ってんのよ!!」
自分の存在にすら眼中なく1人で喋って、自己完結する
「ハハッ……ハハハハ……!!」
苛立ちを見せていた結標であったが、何かに気づいたのか結標が笑みを浮かべる。
「私は知ってるわ!! あの人の近くにいたから知ってるわよ
窓のないビルの案内人だった結標は普通の人なら知らない情報を知っている。故に
「今の貴方にかつての演算能力はない!! 最強の能力者でも何でもないのよ!! そうでしょう!? 何故さっきから立ったままなの!? 何もできないからでしょ!? ハッタリで私を追い詰める気だったのかしら!?」
絶対に勝てないと思っていた相手が弱体化し勝てるかもしれないと思ったのか結標は気が大きくなり饒舌になり始める。
「哀れだなァ……お前……本気で言ってンなら抱きしめたくなッちまう程、哀れだァ」
結標の言葉を聞いても
「確かになァ。俺はあの日、脳にダメージを追った。今は電極を失って外部に演算を任せてる身だ」
「こいつのバッテリーもフル戦闘で使えば15分も持たねェよ」
「だがよ……俺が弱くなくなッたところで別にお前が強くなッた訳じャねェだろうが!! あァ!?」
「っ!?」
結標は躱しきれないと判断したのか即座に自分をガラスより上にテレポートする。
「うっ!?」
ガラスの雨を躱したのは良かったが体が拒絶反応を起こし吐き気を催し、右手で口元を押さえる。
(翼!?)
結標の前には歪な笑みを浮かべ、気流でできた4つの翼を纏った
「悪ィがこッからは一方通行だ!! 大人しく尻尾ォ巻いて元の場所へ引き返しやがれ!!」
「ゴハッ!?」
「これは……!?」
結標が落ちたのは
(土がクッション代わりになって……とにかく助かった……)
もう終わりだと思っていた結標だったが、運良く助かってホッとする。
が、
「さァて。楽しい楽しい拷問の時間だァ。残骸の在りかを話してもらうぜェ」
(あああああ……!?)
結標の目の前に
結標の考えは正しかった。
「残骸をどこに隠しやがった? 正直に言え」
(い、言わなきゃ!! 言わきゃ殺される!!)
「何だァ? 答えられねェのかァ?」
結標の表情から恐怖のあまり喋ることすらできないことを察する
「だッたら答えられるようにしてやる」
(こ、殺される!! 殺される!! 殺される!! 殺される!! 殺される!! 殺される!!)
結標は生命の危機を感じ、必死で口を開いて答えようとするも口は開いてくれることはなく大量の涙が溢れ出ていた。
「安心しろ。殺しはしねェ。死ぬ程痛ェだけだァ」
(も、もうダメ……!?)
(みんな……ごめんね……)
結標の脳裏には自分の仲間の姿が浮かんでいた。この場にはいなかったが結標は心の中で仲間に向けて謝罪した。
(?)
肉体的苦痛を覚悟した結標であったが、結標の体に痛みはおろか
「え……?」
結標がおそるおそる目を開ける。そこには炎を纏った右手で
「そこまでだ」
「て、てめェは!?」
ツナが現れたことに驚いた
(こ、こいつ……まさか……!?)
ツナの性格上、黒子を見捨てられる人格ではないことは結標はわかっていた。なのにツナがここにいるということは黒子を見捨てず、ビルの崩壊からも逃れたのだと結標は理解する。
(いやそれよりも!! 何で
ツナが生きていることにも驚いたが、結標はそれよりもツナが
「手を引け。
ツナは今、大空の炎の特徴である調和の炎だけに絞った、殺傷能力が一切ない炎を纏った状態で
「ちッ! わーッたよ」
舌打ちしながらも
「変わったな。
「俺はお前にボコボコにされて負けたンだぞ。あんだけの力を見せられたら、嫌でも学習するに決まッてンだろうが。馬鹿かてめェは」
(
(でも実験を止めたのは
自分が聞いていた話とは違うことに違和感を覚えた結標だったが、
「残骸は俺が破壊した。後のことは任せろ」
「何、意味のわからねェこと言ッてやがる。俺は散歩してる途中に喧嘩を売られてそれを買ッただけだ」
ツナは
「俺ァ帰るぜ。もう眠ィんでな」
「
「あァ?」
「ありがとう」
「てめェ。誰相手に言ッてんのかわかってンのか?」
(ちッ! 相変わらず何考えてるかわからねェ野郎だぜ)
自分の言葉に対しても何も反応せず黙って自分のことを見るツナを見て
「じャあな」
そう一言だけ告げると
「結標。お前を……」
ツナは結標の方を向く。しかし元々精神の均衡を喪失していた上に、助かったとはいえ
そんな結標を見かねたツナは右手の人差し指に炎を灯すと結標の額に炎を当てる。放心状態の結標は避ける素振りすら見せなかった。
(温かい……)
結標はツナの炎の温もりを感じていた。そしてツナの大空の炎の特性である調和が結標の壊れた精神と、
「あ……」
恐怖のあまり声が出なかった結標であったが、ツナの炎によってようやく声を出すことができるようになった。
「大丈夫か? 結標?」
「私は……」
精神の平衡を取り戻した結標は今まで自分の身にあったことを思い出す。
「私は……負けたのね……」
「そうだ」
「まさかあなたに助けられるなんてね……」
殺そうとしたツナがいなければ
「それよりもどうやって崩落から逃れたのかしら……? あなたのことだから白井さんも無事なんでしょ……?」
「ビルを消滅させた」
「は……!?」
何か上手い方法で逃げ出したのかと思っていた結標だったが、ビルを消滅させるというぶっ飛んだ方法で難を逃れたと知って結標は衝撃を受ける。しかし先程、ツナが
すると街に
「どうやらお迎えが来たようね……」
「随分と素直だな」
「誰かさんのせいで目的も失ったしね……これ以上、逃げても無駄な上に、罪が重くなるだけだしね……」
「そうか」
精神は元に戻っても結標の闘争心はすでに折られていた。ツナと美琴、
「ねぇ最後に聞かせて。あなたは自分の力を手にしたことに対してどう思ってるの?」
「怖いさ。この力で多くの人を傷つけ、何なら人の命だって奪ったことすらあるからな」
「え……!?」
「この力を使わずに生きていけたらなんて何度も考えたさ。それでも大切なものを失うことはもっと怖い。だから力を使うしかなかった。だから力を使うことを選択して戦う道を選んだんだ。俺だけじゃない。他のみんなだってきっと」
ツナは今までの自分が戦ってきた姿を、そして他のみんなが戦っている姿を。
「力は使う者によって変わる」
ツナは知っていた。予知能力を正しく使ったユニと
「能力を知る前にまず自分自身と向き合え。まずはそれからだ」
「自分自身……」
ツナの言葉を聞いて結標は俯いた状態で何かを考え始めた。
その後。
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