とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)269 修羅場

 

 

 

 

 

 

時刻は夕方。学校が終わる時間となった。

 

 

 

第7学区。カエル医者の病院。

 

「どうぞですの」

 

 黒子の病室の扉がノックされる。黒子が返事をすると佐天と美琴と初春が病室に入って来る。

 

「見舞いに来たわよ黒子」

 

「白井さーん。元気ですかー?」

 

「……」

 

 普通に入って行く美琴と佐天に対して、初春は気まずい顔をしながら入室する。

 

「あ、あの……白井さん……」

 

 それでもなんとか黒子と会話のきっかけを作ろうとするが、何を話していいかわからないでいた。

 

「申し訳ありませんの初春」

 

「え……!?」

 

 黒子はベッドの上から初春に向けて頭を下げると同時に謝罪の言葉を述べた。黒子の言葉を聞いて

 

「私は風紀委員(ジャッジメント)でありながら自分のことしか考えていませんでしたの。ですがあなたはちゃんと状況を理解し最善の選択を私に提示しましたの。しかし私はそれを聞かずに勝手に独断専行し被害を拡大させ、あなたに心配をかけた。あなたが謝ることなんて1つもありませんの。だから堂々としてて下さいな」

 

「白井さん……」

 

「ですから……その……こんな私でいいなら……これらも私の相棒(パートナー)として一緒に学園都市の治安を護ってもらえますか……!?」

 

 黒子は少し顔を赤らめながら、まるで告白でもするかのように初春に伝える。

 

「も、もう!! し、仕方ないですね!! 白井さんは私がいないと何もできなんですから!!」

 

 初春は後ろの方を向いた状態で答えた。両目に涙を貯めていたが、それでも初春は嬉しそうな顔をしていた。

 そんな初春を見て佐天と美琴は笑みを浮かべていた。

 

「佐天さんもお姉様も。ご心配かけて申し訳ありませんの。明日には退院できるそうですの。少しの間、車椅子生活になりそうでですが」

 

「こっちは大丈夫よ。それよりも早く元気になりなさい」

 

「あっ! それだったら! 退院したら私が治してあげますよ!」

 

「あっ! そっか!」

 

「はい。私の晴の炎の活性の力なら白井さんの傷をすぐに治せますよ」

 

「じゃあお願いしてもいいかしら?」

 

「勿論です!」

 

 晴の炎の力を使って黒子の傷を治すことを決めた佐天はやる気満々の様子であった。

 

「お気遣いありがとうございます佐天さん。ですが結構ですの」

 

「ええ!? 何でですか!?」

 

 黒子は右手を前にして佐天の提案を丁重に断る。佐天はなぜ黒子が断るのかわからず驚いてしまう。

 

「今回の傷は私の独断専行によって負ったもの。佐天さんが気を遣う必要性はないですの」

 

「で、でも!!」

 

「今後、今回のようなことがないように、この傷は戒めとして残しておきたいんですの」

 

「白井さん……」

 

「ですが今後、怪我を負った際には佐天さんにお願いするかもしれませんので、その時はよろしくお願いしますの」

 

「は、はい……」

 

「どうしたんですの?」

 

「い、いや……白井さんなんか変わっていうか……なんだか丸くなりましたね」

 

「別に。今回の1件で痛い目を見て反省しただけですの」

 

(ほ、本当にそれだけなのかな……?)

 

 黒子の言う通り今回の事件で反省したのは本当であろうが、それだけの理由だとは佐天にはなぜか思えなかった。

 

「それとお姉様」

 

「ん?」

 

「今回の1件で己の弱さを痛感致しましたの。今はまだお姉様の隣に立つことはできませんが、いずれお姉様の隣で立てるような女になってみせますの。ですから笑って待ってて下さい」

 

「う、うん……」

 

 黒子の言葉を聞いて美琴は佐天と同じく違和感を感じてしまっていた。

 

(そう強くなれれば……)

 

 黒子の脳裏には(ハイパー)死ぬ気モードになったツナの隣に立っている自分の姿が映っていた。

 

(また沢田さんの姿が!?)

 

 美琴の隣に立つ自分の姿を想像したはずなのに美琴ではなくツナのことを想像してしまったことに黒子は驚いてしまっていた。

 

「暗い話ばかりでアレだしとりあえず林檎でも剥きますよ。せっかく沢田さんがフルーツを持ってきたみたいですし」

 

「いいですね。じゃあ御坂さん食べさせてあげて下さい」

 

「え!? 何で私!?」

 

「何でって。御坂さんが食べさせてあげた方が白井さん喜ぶからに決まってるじゃないですか。それにこうした方が白井さんにとっていい薬になるじゃないですか」

 

「し、仕方がないわね……」

 

 いつもなら嫌がる美琴であったが、今回は事が事だったので美琴は渋々、佐天の提案を受け入れることにする。

 

「今回だけだからね黒子」

 

「ええ。ありがとうございますのお姉様」

 

(((ん?)))

 

 美琴が食べさせてくれるという黒子にとって大イベントが発生しているのにも関わらず、黒子が平然としていることに3人に違和感を覚える。

 佐天は病院から果物用のナイフと皿を借りると林檎の皮を向いた後、林檎を食べやすい大きさにカットしカットした林檎を皿に乗せた。

 

「はい。口開けて」

 

 美琴にそう言われて黒子は口を開ける。美琴が林檎を口の中にいると黒子は林檎をゆっくりと咀嚼する。

 

「どうしたんですか白井さん!? どこか他に悪いところでもあるんですか!?」

 

「騒々しいですわよ初春。ここは病院ですのよ」

 

「騒々しくもなりますよ!! 御坂さんに食べさせてもらってるのに何で平然としていられるんですか!? いつもなら興奮してるじゃないですか!!」

 

「っ!?」

 

 初春の言葉を聞いた途端、黒子はずっと忘れていたことを思い出したかのような表情になる。

 

(う、初春の言う通りですの!!)

 

 憧れのお姉様(美琴)に食べさせてもらったというのに何も感じなかった自分に黒子は驚きを隠せないと同時に。黒子は何で自分がこんな風になったしまったのかわからないでいた。

 

(沢田さんの時はあんなに動揺していたのに……!?)

 

 ツナに食べさせてもらった時は動悸が早くなり、どうにかなってしまいそうだった。しかし美琴に食べさせてもらった時はツナの時のようなことはなかった。

 

(違いますの!! これは恋なんかじゃありませんの!!)

 

 これだけのことに気づいてもなお、黒子はツナに恋しているという事実を認めることはなかった。

 

「御坂さんに興奮しない白井さんなんて白井さんじゃないですよ!!」

 

「確かにこれは病気かも……」

 

「まぁ私としては助かるんだけど……」

 

 いつもと違う黒子を見て初春と佐天は重い病気にかかっているのではないかと推測する。

 一方で美琴はこれで過度なスキンシップをしてくることが無くなる。美琴からすれば重い病気が治って助かったと思っていた。

 

「黒子のその症状。重度の病気だぞ」

 

「「「「っ!?」」」」

 

 突如、病室にリボーンの声を響き渡る。全員、周囲を見渡すがリボーンの姿は見えなかった。

 

「ちゃおっす」

 

「どこに隠れてるの!!」

 

 するとツナの買って来たフルーツのバスケットの中のメロンから手足が生える。それはメロンのコスプレをしたリボーンだった。まさかフルーツの中に紛れているとは思ってもみなかった為、佐天はツッコミを入れる。

 するとリボーンはメロンのコスプレを止めてすぐにいつものスーツの姿に戻ると、バスケットの中のバナナを食べ始めた。

 

「にしても俺がいることに気づかないとはまだまだだなお前ら」

 

「わかる訳ないでしょ!! というか何で白井さんのお見舞い品食べてるの!?」

 

「しゃあねぇだろ。ずっとここにいて腹が減ってんだ」

 

「まさかツナさんが来た時からいたの!?」

 

「まぁな。お前らにもやるぞ。腹減ってんだろ」

 

「ちょっ!? いきなり投げないでよ!! というかこれ白井さんのお見舞い品だから食べれないよ!!」

 

 リボーンは見舞い品の林檎を佐天に投げ飛ばした。佐天は虚を突かれたがなんとか林檎をキャッチする。

 

「それで黒子が重度の病気ってどういうことよ!?」

 

「そうですよ!? 白井さんの身に何が起きているんですか!?」

 

 黒子が重い病気にかかっているという言葉の真意を美琴と初春はリボーンに尋ねる。

 

「つーか佐天と美琴はこの病気にかかってるけどな」

 

「ええ!? 私、病気なんてかかってないよ!!」

 

「そうよ!! 変なこと言ってんじゃないわよ!!」

 

「何、言ってんだ。もうかかってんじゃねぇか。恋という名の病にな」

 

「「っ!?」」

 

 リボーンの言葉を聞いて否定する佐天と美琴であったが、すぐに顔を赤くし黙ってしまう。

 

「でも白井さんはすでに御坂さんのことが好きですよね」

 

「そ、そうですわ! 私はお姉様一筋! 恋の病にかかっていて当然ですの!」

 

 初春はリボーンの言葉を聞いても動揺することはなかった。黒子はリボーンの言葉に動揺しつつも強がって見せた。

 

「馬鹿を言うな。俺にはお前より大切なものなんてない。さっきも言ったがお前は俺の誇り。絶対に譲れないものなんだ。お前のいない世界なんて俺には考えられない」

 

「な、なぜその言葉を!?」

 

「ツナのヘッドフォンは無線になっててな。ツナの奴、携帯を佐天の寮に忘れて初春からのSOSが伝えられなくくてな。だから俺が代わりに出て無線で俺が初春のSOSを伝えたんだ。初春がSOSを伝えた後も、俺もそっちの状況が気になって無線は切らずにいたんだ。だからお前らに何があったかは筒抜けって訳だ」

 

「っ!?」

 

 あの場にいなかったリボーン相手なら誤魔化せるとタカを括っていた黒子であったが、無線越しとはいえあの時のことを知っていると知って動揺が隠せず顔を赤くしてしまう。

 

「え……!? 白井さん……!? もしかして沢田さんのことが……!?」

 

「ななななななな!?」

 

「違いますのお姉様!! 私がお姉様以外の方に惚れるなんてことは絶対にありませんの!!」

 

「……」

 

 初春の言葉を聞いた途端、美琴は顔を赤くする動揺する。黒子は慌てて弁解する。3人が騒がしくなる中、佐天は黙って俯いてしまっていた。

 

「これでもまだ同じことが言えんのか?」

 

「なっ!?」

 

 リボーンは携帯を操作すると携帯の画面を全員に見せた。画面にはツナに食べさせてもらう黒子の姿が動画で流れる。この動画を見て黒子は顔を真っ赤にする。

 

「く、黒子……!? あんた本当に……!?」

 

「違いますの!! これは沢田さんが私のことを気遣っただけで!! 決してやましい気持ちはありませんの!!」

 

「という割には美琴が食べさせた時よりも動揺してるよな。ツナに惚れ過ぎたせいで美琴に食べさせてもらっても動揺しなくなったんじゃねぇか?」

 

「そ、それは……!?」

 

 ニヤニヤしながら言うリボーン。しかし黒子は何も言い返すことができないでいた。

 

「へー。ツナさんに食べさせて貰ったんですか。白井さん」

 

「ち、違いますのよ佐天さん!? これはですね!! その……!!」

 

 佐天が俯いた状態で低い声でようやく口を開いた。佐天の言葉を聞いて寒気の走った黒子は慌てて弁解する。

 

「大丈夫ですよ白井さん。私、怒ってませんから。本当に。だから気にしないで下さい」

 

「ひぃ!!」

 

 佐天は顔を上げる。佐天は清々しい程、爽やか笑顔を浮かべていた。すると時間差で右手に持っていた林檎が粉々に潰れる。潰れた林檎を見て黒子は顔を真っ青にし、悲鳴を上げてしまった。

 

「り、林檎が……!?」

 

「またツナがやらかしたことで怒りが爆発すると同時に全身リミッターが解除されたな」

 

「の、呑気に解説してる場合じゃないでしょ!!」

 

 素の状態の佐天が林檎を潰したことに初春は恐怖する。林檎を潰した原理を解説するリボーンに美琴はツッコミを入れるが恐怖を隠しきれていなかった。

 

「すいません。ツナさんに用事ができたので帰らせてもらいます」

 

「「「は、はい……」」」

 

 佐天の言葉に美琴、黒子、初春ははいと返事をし病室へと出て行く佐天の背中を見守るしかできなかった。

 

 

 

その後、ツナがどうなったかは想像にお任せする。

 

 

 

 

 

 

 




という訳で残骸(レムナント)篇。これにて完結です。やっと黒子にフラグが……嬉しいです。

今回も原作と大分変えました。黒子と結標が戦うのはオフィスビルではなくレストランなんですが、最後ツナが破壊するので社員旅行に行ってるオフィスにしました。
レストランだと逃げ遅れの人がいそうな気がしたので。

原作だとレストランを結標がテレポートさせようとするのですが、ツナは当麻みたいに一瞬で能力を消せないので柱をテレポートするという形にしました。

一方通行(アクセラレータ)残骸(レムナント)を破壊して結標を殴り飛ばすシーンを変えたのは僕が原作通りだと面白くないと思ったからです。

今回の残骸(レムナント)篇。いかがだったでしょうか?正直、良い意見も批判も来てないので不安なので一言でもいいので感想をくれたら嬉しいです。


次回からは大覇星祭篇……ではなく番外篇をやろうと思います。番外編は3話を予定しています。番外編が終わったら大覇星祭をやります。当麻、インデックス、土御門、青髪、吹寄、姫神辺りを出そうと思ってます。当麻とツナの共闘も考えてますのでお楽しみに。



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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う
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