とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)279 勝負と策略

 

 

 

 

 

 

 

 佐天がゴールしてから10分後。

 

「ふぅ……」

 

 佐天に続いて美琴もゴールに辿り着いた。磁力を使った移動方法は速く動くことが可能になる。ただあまり速くすると美琴の体に負担がかかる為、今の美琴には車の速度くらいが限度。それ故に疲労を隠せないでいた。

 

「お疲れです御坂さん」

 

「ありがとう……佐天さん」

 

 美琴のゴールを待っていた佐天は水の入ったペットボトルを差し入れる。美琴は佐天にお礼を言いながら受け取る。

 

(全然、息が乱れていない……)

 

 水を飲みながら美琴は気づいた。自分より速く移動していたのにも関わらず体力が衰えを見せていないことに。

 佐天の(ハイパー)死ぬ気モードは全身のリミッターを解除され5感が研ぎ澄まされる。しかしデメリットとして体への負担が大きく、使いこなすには相当の体力が必要になる。しかしリボーンの過酷な修行を受けた佐天はこの程度では平然していられるのである。

 

「ねぇ御坂さん。勝負しませんか?」

 

「勝負?」

 

 美琴が水を飲み干したのを見計らって佐天が勝負を申し込む。美琴はどういうことかわからず疑問符を浮かべていた。

 

「はい。柵川中学(私の学校)と常盤台中学。大覇星祭で勝った方がツナさんとフォークダンスで踊れるっていう勝負です」

 

「え!?」

 

 佐天からの勝負の内容を聞いて、美琴は顔を赤くしながら驚きの声を上げた。

 大覇星祭では最後日の夜にキャンプファイアを囲みながら男女が2人1組でフォークダンスを踊るというのがあるのである。

 

「い、いや!! そもそもあいつ学校に通ってないし!! 無理でしょ!!」

 

 美琴はツナとフォークダンスを踊ると聞いて恥ずかしかったのか、顔を赤くしながら誤魔化した。

 

「大丈夫ですよー。ツナさんすでに棒倒しに出てますし。体操服が汚れて私服で参加したって言えば問題ないですよ」

 

「で、でも……!?」

 

『だから負けるつもりはないわよ。恋も強さも』

 

「っ!?」

 

 どうにかして断ろうと頭をフル回転させていた美琴であったが、

 

(私ってば何、弱気になってるのよ……)

 

 美琴に恥ずかしがって行動しようとしない自分自身に心の中で渇を入れた。

 

(それに……)

 

 佐天は先程、自分の学校と常盤台中学との勝負だと言った。能力のエリート集団の常盤台にして柵川中学は常盤台とは対極的に能力者がほとんどいない学園都市内では普通の中学校。いくら佐天が強くなったとはいえ柵川中学の方が不利であることに変わりはない。そのことを佐天が理解していない訳ではない。それでもなおこの勝負を挑んだということは佐天が自分を追い込み強くなろうとしているのだということを美琴は理解する。

 

「いいわ。受けて立つわ」

 

 美琴は佐天の思惑を理解すると佐天の勝負の申し出を受けると佐天の前に拳を突き出した。

 

「流石です」

 

 美琴が拳を突き出したのを見て佐天も拳を突き出して美琴の拳と合わせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街中

 

「さて。佐天の成長も見れたしな。行くぞ初春」

 

「はい。リボーン君」

 

 リボーンがそう言うと初春はとても嬉しそうな(・・・・・・・・)笑みを浮かべる。

 

「え? どうしたの?」

 

 ツナは初春とリボーンが一緒に行動することが珍しいと感じたのか、2人に行動する理由を尋ねた。

 

「大したことじゃねぇ。初春から黒子が怪我してるから黒子の変わりにパトロールに付き合ってくれねぇかって頼まれたんだ」

 

「はい。なので沢田さん。白井さんのことよろしくお願いします」

 

「え……でも初春、競技あるよね? だったら競技に出ない俺の方がいいんじゃ……」

 

「大丈夫ですよ。競技の時は固法先輩に交代してもらうので。それより沢田さんには白井さんの監視をお願いしたいんです」

 

「監視?」

 

「はい。白井さん。こんな怪我でも風紀委員(ジャッジメント)の業務を遂行しようとすると思うと思うので」

 

「うっ……」

 

 初春の言葉が図星だったのか黒子は何も言い返すことができないでいた。

 

「沢田さんなら白井さんが無茶しても止められますし。という訳で白井さん。怪我してるんですから大人しくしてて下さいね」

 

「わかりましたの……」

 

 キャリーケース強奪事件にて初春に迷惑をかけた為、黒子は反論することできず素直に初春に従うしかなかった。

 

「じゃあ沢田さん。白井さんのことよろしくお願いしますね」

 

「うん。わかった」

 

「白井さん。せっかくの大覇星祭なんですから。沢田さんと一緒に楽しんで下さい(・・・・・・・・・・・・・・・)ね」

 

「はっ!?」

 

 初春がニヤニヤしながらそう言うと黒子はようやく気づいた。これは初春が自分とツナの2人っきりにしようという策略であるということに。

 実は初春。黒子がツナに好意を抱いているということを知ってこの作戦を思いつきリボーンに相談したのである。勿論、リボーンは初春の作戦に乗り気満々であった。

 

「話は終わったようだなー。行くぞ初春ー」

 

「はいー。リボーン君ー」

 

「お、お待ち下さいの!!」

 

 ニヤニヤしながら棒読みで会話するリボーンと初春。黒子は顔を真っ赤にしながら2人を引き止めようとするが、2人は早足でその場から去って行きすぐに人混みの中へと消えてしまって行った。

 

「どうしたの黒子? 何かあったの?」

 

「へっ!? 何でもありませんの!!」

 

 黒子が2人を引き止めようとした黒子を見てツナは何かあったのかと気づいた。しかしツナと2人っきりになることが恥ずかしいなどと本人の目の前で言える訳もなく黒子は顔を真っ赤にしながら答えた。

 

「それじゃ行こっか」

 

 そう言うとツナは黒子の乗った車椅子を押して人混みの中を進んで行く。

 

「どこ行こっか?」

 

「え、えっと……!?」

 

 周囲を見渡しながらどこへ行こうかと尋ねるツナ。しかし黒子はツナという2人っきりの状況で動揺している為、まともに返事をすることすらできないでいた。

 

(こ、これではデートみたいですの!! これからどうなってしまうんですのーーー!?)

 

 

 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
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