美鈴の誘いで御坂家と一緒に昼飯を食べることになったツナとリボーン。4人は近くに飲食店を見つけ、そこで昼食を食べることにした。
店内は大勢の人たちで埋まっていたが、幸いにも空いているスペースを見つけ4人は席へと座る。
「さぁ! できたわよ!」
「こ、これって……」
笑顔でそう言う美鈴に対してツナは困惑していた。なぜならテーブルの上にカセット焜炉を置き、その上に鍋を置いてチーズフォンデュを作っていたからである。他にもテーブルにはチーズにつける具材が置かれていた。
大覇星祭は多くの人たちが来場し、外で食事を取ることのできる場所がなくなる。なので人々も必然と屋内に集中するのである。そういった事情もあり大覇星祭中は飲食店内に飲食物を持ち込んでも飲食店側は何も言わないのである。
「何で昼食に鍋持参でまでチーズフォンデュなのよ……?」
「えー。いいじゃない。運動会で母娘揃って鍋囲むのも乙ってもんじゃない」
「どこがよ……」
「贅沢言うんじゃないぞ美琴。母さんがせっかく作ってくれたというのに」
「だから父親でもないのに父親目線で話すんじゃないわよ!!」
「そうだな……お前は離婚した母さんと前の父親の間に生まれた子で私とは血縁関係もない……だから私に反抗するのは無理もないか……」
「勝手に設定作るんじゃないわよ!! 後、人の母親を勝手にバツイチすんじゃないわよ!!」
しんみりとした表情を浮かべながら真面目なトーンで喋るリボーンであったが、美琴は騙されることもなくツッコミをいれる。
「チーズが中々、溶けないわねー。もっとチーズを細かく切ればよかったかしら」
美鈴はチーズを溶かす為にかき混ぜていたが、思ったよりも溶けない為、憤りを感じていた。
「ちょっとお手洗い行って来るから、鍋見てて」
そう一言だけ告げると美鈴は席から離れて、お手洗いに向かって行く。美鈴がいない間、ツナがチーズをかき混ぜる。
「チーズが溶けるまで時間がかかりそうだな。こいつでも飲んでゆっくりするか」
するとリボーンはどこからか一升瓶の入った日本酒をテーブルの上に置いた。
「「日本酒!?」」
まさかここで日本酒を出してくるとは夢にも思わなかったのでツナと美琴は驚きを隠せないでいた。
「お前何でそんな物、持って来てんだよ!!」
「俺が飲む為に決まってんだろうが」
「赤ん坊が飲んでいい訳ないだろ!!」
「ったく。しゃあねぇな。だったらこいつだ」
そう言うとリボーンは今度はワインの入ったボトルをテーブルに置いた。
「こいつならいいだろ」
「良くないわよ!! 結局、お酒じゃない!!」
「やれやれ。ああ言えばこう言う。本当に我が儘だなお前ら」
「「それはお前だろ!!/あんたでしょ!!」」
うんざりした表情を浮かべながら言うリボーンに対してツナと美琴のツッコミが同時に炸裂する。2人に言われたこともありリボーンが日本酒もワインを口にせず大人しくすることはなかった。
「ごめーん。待たせちゃってー。人が多くってねー」
しばらくするとお手洗いに行っていた美鈴が早足で戻って来る。
「あっ! 日本酒にワインじゃない! どうしたのよこれー!」
「俺が持ってきたんだぞ。飲むか?」
「いいの!? ありがとうリボーン君!!」
よっぽど酒が飲みたかったのか美鈴はなぜリボーンが酒を持っているのか追及することすらしなかった。
「ちょ、ちょっと昼間から飲むつもり!?」
「大丈夫よー。ちょっとだけだから」
真っ昼間から酒を飲もうとすることに美琴は驚いたが、美鈴は美琴の言葉を聞かず一升瓶の封を開けるとグラスに日本酒を注いで飲み始める。
「ぷはっー!! やっぱ日本酒は最高ねー!!」
美鈴グラスに注いだ日本酒を一気に飲み干すと、週末の仕事終わりに大好きなお酒を飲んだおっさんみたいな感想を述べる。すると美鈴はすぐに2杯目を注ぎ始める。
そして
「あの人ってばたまにしか帰って来ないし!! 美琴ちゃんは年に数回しか会えないし!! 家族全員バラバラでこれじゃ何の為に結婚したのかわかんないったらないわよ!!」
顔を赤くしながら愚痴を溢す美鈴。あれから大丈夫だと言いながら日本酒とワインを1人で飲み干し、完全に泥酔状態に陥っていた。
「ねぇ聞いてるの!?」
「は、はい……聞いてます……」
(最悪だわ……)
酔って高圧的な態度になった美鈴に対しツナは圧倒され下手に何も言えなかった。今のツナにできるのは必要最低限の返事をして、心の中で美鈴が酔いから覚めるのを待つことしかなかったにだった。
一方で美琴は周囲の目があるのにも関わらず美鈴が泥酔状態に陥ったことに羞恥の感情を覚えると同時に頭を悩ませていた。
ちなみにリボーンは美鈴に絡まれるのが嫌だったのか鼻ちょうちんを作って眠ってしまっていた。
「ヒック……あの人のことよ……きっと私みたいなオバサンなんてほっといて海外で若い女を引っ掻けてよろしくやってるに決まってるわ……うわぁああああん!!」
「お、落ち着いて下さい!!」
「もうお願いだからこれ以上、恥をばら蒔かないで……!!」
怒り上戸から泣き上戸へと変貌する美鈴をツナは落ち着かせようとする。酔っているとはいえ大声で泣く美鈴を見ていられなかったのか両手で顔を覆い、消え入りそうな声で時間が過ぎていくことを願うしかなかった。
「もう頭にきたわ!! そっちがその気ならこっちだって考えがあるんだから!!」
泣き上戸になっていた美鈴であったが再び怒り上戸へと戻り、ポケットの中に入れている携帯を取り出した。
「今から離婚してやるわ!!」
「「ええ!?」」
夫が勝手に浮気しているという被害妄想に取りつかれた美鈴は夫に離婚しようと電話で伝えようとする。まさかの美鈴の行動にツナと美琴は驚きの声を上げる。
「止めないで!! 私決めたの!! 帰って来ない夫よりもずっと側にいてくれる夫と結婚してやるわ!! そして側にいてくれる子供を産んでやるんだから!!」
「それは絶対に不味いですって!!」
「そうよ!! 酔った勢いでとんでもない決断するんじゃないわよ!! しかも娘の前で!!」
酔った勢いで家庭崩壊を起こそうとしてる美鈴。流石に止めないと不味いと判断したツナと美琴は即座に席から立ち、携帯電話を引き剥がそうとする。
「大丈夫よ美琴ちゃん!! 私だってまだまだ若いんだから!! 何だったら私の魅力大企業の社長を落としてやるわ!! 社長の奥さんになれば働かず贅沢し放題!! しかも働かないで済むのよ!!」
「危ない方向に行こうとしてんじゃないわよ!!」
「美琴ちゃんはいいわよね!! いつも家で1人でいる私と違って沢田君と1つ屋根の下で暮らして!! しかも学生結婚でデキ婚して子供も産まれて今だって妊娠してるんでしょ!?」
「とんでもないデマ流すんじゃないわよこのバカ母がーーーーーー!!」
まさかの3日連続投稿……
本当は美鈴とリボーンが美琴をいじる話を書くつもりがなぜかカオスな話に……どうしてこうなった……?
高評価を下さったよいちーさん。ありがとうございます!
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