泥酔した勢いで離婚しかけた美鈴。
「うぅ……頭痛い……」
現在、美鈴は
「良かった……なんとか落ち着いてくれて……」
「私としては母親のせいで色々と恥をかいたけどね……」
泥酔しただけでなく離婚までしかけた時はどうなるかと思ったツナが事なきを得て安堵していた。しかし
「にしてもやっぱ似てるよなお前ら」
「は、はぁ!? どこがよ!?」
事の顛末を聞いたリボーンは頭痛で苦しんでいた美鈴を見ながら美琴と美鈴が似ていることを理解する。美琴はリボーンの言っている意味がわからずムキになってしまう。
「美鈴はお前と違って素直そうに見えるが、実際には家族といつも一緒にいられないことが寂しいんだろ。だが母親として娘の前でそんな姿は見せられねぇ。だから敢えてそのことは言わねぇように平常心でいるんだろ」
「っ……!?」
リボーンの一言に美琴は反論できずにいた。なぜなら泥酔状態の時に吐いた台詞は美鈴の本当の心の内なのだと理解したからである。
「それよりお前ら頭痛薬を買ってこい。美鈴は俺がなんとかしといてやる」
「そうだね。行こう美琴」
「仕方ないわね」
リボーンに言われてツナは頭痛薬を買いに行くことを決める。美琴も自業自得とはいえ母親が苦しんでいる姿を見ていられないので重い腰を上げる。
頭痛薬を求めて2人は外に出る。
「いつもだったらすぐに行けるのに……」
大覇星祭は競技だけでなく様々なイベントが開催される。その影響で普段であれば通れる道が通れなくなるなる場合がある。今がまさにそうでありツナは焦りを見せていた。
(どどど、どうしよう!! まさかこんなことになるなんて!!)
一方で美琴は成り行きとはいえツナと2人っきりになってしまったこの状況に動揺してしまっていた。前に2人きりになった時は自分から誘った為に心の準備が決まっていた。しかし今回は心の準備も決まっておらず、美鈴の為に頭痛薬を買って来るというのが目的だったので美琴は時間差で2人きりという状況に気づいたのである。
(お、落ち着くのよ!! まずは何か話を!!)
話のきっかけを作ろうと頭から湯気を出しながら脳をフル回転させる美琴。しかし考えても考えても良い話の話題が出てくることはなかった。
「あらぁ? 御坂さんじゃない?」
「げっ……」
すると2人の後方から声がする。必死に頭を回転していた美琴だったがその声の主を見て途端、もの凄く嫌そうな表情をする。
「あ。操折」
「はぁい。ごきげんよう」
「何の用?」
ツナの言葉に対して操折は笑顔で手を振りながら答える。一方で美琴は操折のことを警戒してるのか、操折のことを睨んでいた。
「御坂さん怖ーい。たまたま見つけたから挨拶しただけなのにぃ」
美琴が自分に対して警戒心を剥き出しにしていることに気づいてもなお操折は一切臆することなく、いつもの口調で答える。
「あなたたちこそどうしたのかしらぁ? 昼休みに
「べ、別に何でもないわよ!!」
(へぇ……これはいいこと知っちゃったわぁ……)
操折が冗談でからかったつもりだったが、美琴は動揺を隠せずにいた。美琴の反応から美琴がツナのことが好きだということを知り操折は今後、美琴のことをからかうネタができて嬉しそうな様子であった。棚からぼた餅とはまさにこのことである。
「えっと……友達が頭が痛いっていうからちょっと頭痛薬を買いに行たんだ」
美琴の心情を察してか、美鈴が泥酔したとは言えなかったのでツナは美鈴ではなく友達ということにした。
「それは大変ねぇ」
ツナから事情を聞いた操折は愛用しているショルダーバッグの中に手を入れる。
「はい。これ」
「え……?」
操折がバッグから取り出したのは頭痛薬だった。操折が頭痛薬が持っていることにツナはキョトンとする。
「心配性な派閥員の差し入れよぉ。必要ないって言ってるのに持たせてくるのよねー」
「で、でも……」
いくら本人が必要ないと言ってるとはいえ、ツナは流石に貰うのは申し訳ないと思うのか、受け取るのを拒否しようとする。
「大丈夫よぉ。頭痛薬は1つだけじゃないわ」
ツナの心情を察したのか操折はバッグから他の頭痛薬を取り出し、見せることでツナが受け取ってくれるようにアピールする。
「これで受け取ってくれるかしらぁ?」
「うん……ありがとう」
操折が再度、尋ねるとツナは操折の厚意に甘えて頭痛薬を受け取ることにする。
「やっぱり操折は慕われてるんだね」
「別にぃ。私に対して過保護力を発揮し過ぎる大袈裟な人がいるのよ」
「なんかわかるなその気持ち」
操折の言葉を聞いてツナは思い出す。自分に忠誠心を誓うと公言している獄寺のことを。
「俺もいるんだよね。やたら俺のことを心配してくれる友達が。俺としてはもっと普通に接して欲しいんだけどさ」
「わかるわぁ。私にも私のことを心酔力を発揮し過ぎなのよねー。もっと普通にしてくれればもこっちも楽なんだけどねー」
操折のにも獄寺のような人間がいるのか困ったような表情をしながらも首を縦に振ってツナの言葉に納得していた。
「1人だけでも手に余るのに、他にも忠誠力が強すぎの子が多くて大変なのよねー。私のことを慕ってくれるのは嬉しいんだけどやり過ぎちゃう困ったちゃんが多くってぇ」
「そうそう。俺はそこまで望んでないのに次々にトラブルを起こして大変っていうか」
「そのせいで心が休まなくってぇ……」
「もう毎日毎日、大変で……」
「「苦労するんだよね……/苦労するのよね……」」
ツナと操折は日々の苦労を思い出したのか、同時に同じ台詞を吐いた後に大きなため息を吐く。
「なんだがあなたとは気が合うわぁ。今度、一緒にお茶しながら互いの苦労力をもっと語り合わない?」
「うん。いいよ」
ツナが自分と同じような悩みを抱えていると知って操折はツナをお茶に誘う。ツナも同じ悩みを抱える人物と初めて出会って嬉しかったのか操折の誘いを承諾する。
「何、仲良くなってんのよ……!?」
「み、美琴!?」
(し、しまったわぁ……私の苦労力をわかってくれる人に初めて出会ってつい……)
自分だけ疎外されて仲良くなる2人を見て嫉妬心と怒りが膨れ上がったのか美琴は全身に電流が迸らせていた。
怒りを露にする美琴にツナは恐怖し、操折は自分の言動の迂闊さを心の中で反省する。
「じゃ、じゃあ私は用事力があるからぁ!!」
ここにいるとヤバいと判断した操折は即座にこの場から撤退して人混みの中に消えて行った。
美琴から逃げた操折。
「ここまで来れば安心ねぇ……」
肩で息をしながら周囲を見渡しながら美琴が追いかけて来ていないか確認し、美琴がいないとわかって操折は安堵する。
「全く……こんな暑い日に……」
こんな人混みの多い暑い日に体力を消耗するようなことをしてしまった自分に嫌気が差してしまっていた。操折はバッグの中からミネラルウォーターの入ったペットボトルを取り出した。
「あっ……」
操折はうっかりペットボトルを落としてしまう。落ちたペットボトルは前方へ転がってしまう。
すると転がったペットボトルを1人の男が拾う。
「大丈夫か?」
「あっ……」
ペットボトルを拾ったのは当麻だった。ペットボトルを拾ったのが当麻だと知って操折はその場で固まってしまっていた。どうやら操折は当麻のことを知っている様子であった。
「なんだ食蜂じゃねぇか」
「え……!?」
どうやら当麻も操折のことを知っている様子であった。操折は名前を呼ばれただけなのにも関わらず衝撃を受けているようだった。
「どうした? 前はもっと高飛車な感じだったのに」
「え、えっと……!?」
当麻の言葉に操折は困惑してしまい、まともに返答できないでいた。
「悪いな。ちょっと急いでんだ。また今度な」
そう言うと当麻は操折にペットボトルを渡すと走って行き、そのまま人混みの中へ消えていく。
「まさか本当に奇跡が起こすなんて……流石、
操折は笑顔を浮かべながらそう呟いた。だが瞳からは大粒の涙が溢れていたのだった。
ツナと操折って人の上に立つ立場にいるから案外、気が合うと思ったのでこんな話を書いてみました。
そしてついに当麻の脳を治したことが報われる日がきました。これはずっとやりたかったんですよねー。僕は原作でも操折が当麻と結ばれて欲しいと思ってます。だってあんなことがあったんだし。
知らない人は新約とある魔術の禁書目録の11巻を呼んで下さい。
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