記憶を消しに行ったはずが佐天に恐怖を覚え、記憶を消すどころではなく逃走することになった操折。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「おヤ? 何かったのですカ?」
操折は一旦、体制を整える為にカイツの車の元へ戻って来ていた。操折が息を切らしながら帰って来た為、カイツは何かあったのかと推測する。
「き、緊急事態よぉ……御坂さんのお友達にとんでもない人がいたわぁ……」
「とんでもない?」
「あれは普通の人間の目じゃない……あの場にいたら間違いなく殺されていたわぁ……」
(一体、何があったんですカ……?)
操折は顔が真っ青になっており、両手で左右の腕を掴んだ状態で全身を震わせていた。完全に先程の件がトラウマになってしまっていた。
そんな操折を見て何があったのか気になるカイツであったが、聞くのが怖くて聞くことができないでいた。
「このままじゃ作戦実行前に殺されるわぁ!! ちょっと協力しなさい!!」
本来であれば操折1人で事を終わらせるつもりであったが、このままでは無理だと判断した操折は協力を要請する。
「何があったかは知りませんが、私が協力したぐらいでどうになるのですカ?」
操折の怯えようから何かとてつもないことがあったことは理解できた。しかし自分が協力したところで役に立てるとは到底思えなかった。
「詳しいことはわからないけど、どうやら金髪の女性に対して殺意を向けてるだけだからぁ。あなたなら大丈夫よぉ。だから安心なさい」
「それは本当に大丈夫なのですカ……?」
安心しろとは言われたが、特定の特徴の人物に殺意を抱くような人間を相手に安心しろと言われても安心できる要素がなくカイツは不安でしかなかった。
「とにかくあなたが御坂さんのお友達の気を引きなさい。私がその隙にこっそり近付いて記憶を消すわぁ」
「了解しましタ……」
操折の作戦を聞いても不安でしかなかったがこのままでは埒が明かないのではカイツは仕方なく協力することにした。
一方。その頃。
「繋がらない……」
真相を聞き出そうとツナに直接、問いただそうと佐天はツナの携帯に電話したが携帯から「おかけになった電話番号への通話は、本人の希望によりお繋ぎできません」とアナウンスが告げるだけであった。
次に佐天はツナに一番、近しい人物であるリボーンに電話する。しかしリボーンも同じくリボーンの電話が繋がることはなかった。
現在2人は重要な作戦の最中。みんなを巻き込まないようにする為、作戦の関係者以外と連絡が取れないようにしているのである。
「着信拒否されてる……?」
佐天はツナとリボーンが着信拒否をしているのだということを確信すると同時に冷静さを取り戻す。
「着信拒否って……沢田さんとリボーン君がですか?」
「うん……」
「たまたま繋がらないだけでしょう。これだけの人がいるのですから繋がらなくなるのも無理もありませんわ」
「いや。アナウンスで本人の希望で繋がらないようになってるって言ってるから電波の問題じゃないと思います」
黒子は人混みの問題で電波が悪くなり繋がらなくなっていると指摘するが、佐天は首を横に振りながら否定する。
(でも何で?)
佐天にはわからなかった。どうして2人が自分のことを着信を拒否するのかを。
「初春。白井さん。ツナさんとリボーン君に電話をかけてくれませんか?」
自分が着信拒否されていることに違和感を覚えた佐天は初春と黒子からツナとリボーンに電話するように頼む。
「繋がりません……」
「こちらも繋がらりませんの……」
佐天の頼みを聞いて黒子はツナに。初春はリボーンに連絡する。しかし結果は佐天の時と同じであった。
(初春と白井さんまで……)
自分だけでなく初春と黒子までツナとリボーンに着信拒否されてしまったことを知って佐天は驚きを隠せないでいた。
(もしかして……!?)
佐天の脳にある仮説が過る。それはツナとリボーンが何かの陰謀に巻き込まれており、自分たちを巻き込まれないようする為に着信を拒否しているのではないのかと。
「初春。白井さん」
まだ何の確証もない自分の勝手な憶測であったが、ツナとリボーンが自分たちを着信拒否する理由が考えられなかった。なので初春と黒子に自分の推測を伝えることを決める。
が、
「すいませン。
佐天が話そうとした瞬間、タイミング悪くカイツがやって来てしまう。
「はい。そうですけど。どうかしましたか?」
「私は大会を外から観にきた外からの観戦者なのですが、実は盗難にあってしまいましテ」
「それは大変です!」
盗難に遭ったと知って初春は慌てながらもスカートのポケットからペンとメモ帳を取り出す。
「えっと……何を盗られたんですか? それと犯人の特徴やどっちに逃げたかなど……」
初春は盗難事件の解決する為にカイツに犯行が行われた時の状況を尋ねる。
「佐天さん。先程、何か言おうとしていませんでしたか?」
「はい。でも今はこの人の盗難事件を解決することの方が大事ですから。後で話します」
カイツが話しかけて来る前に佐天が何かを話そうとしたことが気づいていた黒子は佐天に何を話そうとしていたのか尋ねる。
しかし佐天はまだ起きてるかわからないことよりも、今目の前で起きてる事件の方を解決することが大切なので後で自分の推測を話すことにした。
が、
「「「っ!?」」」
すると佐天、初春、黒子の体が金縛りにあったかのように動かなくなる。3人は自分たちの身に何が起こっているのかわからず困惑してしまう。
「ごねんなさいねぇ。あなたたちを危険力を巻き込まない為なの。わかってくれないとは言わないけどぉしばらく大人しててねぇ」
3人の背後には路地裏の近くに隠れていた操折が現れる。動けない3人にそう告げるとリモコンのスイッチを押して記憶を消去する。
そして操折とカイツは何事もなかったかのように去って行くのだった。
記憶を消去した後、2人が車は一旦、車に戻る。
「こっちは終わったわよ」
『そうか』
操折は電話で記憶消去が完了したことを、リボーンに報告する。
「そっちの状況はどうかしらぁ?」
『異常はねぇぞ』
「そう。それは良かったわぁ」
『それじゃあ俺は護衛に向かうってことでいいんだな』
「いや。まだそこで待機してもらえるかしらぁ?」
『何でだ? もう記憶を消去したんだろ』
「あなたたちに見せたいものがあるの」
『見せたいもの? 何だ?』
「それはそっちに着いてからに説明するわ。実際に見て方が説明しやすいしねぇ」
『わかった』
そう言うと操折は携帯の画面をタップして通話を終了させた。
「出して」
「了解しました」
操折が命令するとカイツは車を発進させ研究施設へと向かって行く。
「本当は言うつもりはなかったけどぉ……仕方ないわよね……」
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