とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

294 / 300
標的(ターゲット)294 冷徹

 

 

 

 

 

 

 怪しい男について行った婚后は男の使役する犬型のロボットの襲撃を受けることとなった。

 

(最初から怪しさ爆発だったので食蜂操折の手の者かと思いましたが、妹さんを捜しているのが本当なら別の勢力?)

 

 状況から男の正体を分析する婚后。すると無数のロボットに包囲されてしまう。このロボットたちはT(タイプ):G(グレート)D(デーン)。男が使役する戦闘用のロボットである。

 

(逆に食蜂操折の手掛かりを聞き出せるかもとついていきましたが……なんにせよ御坂さんの敵であることに変わりないようですね)

 

 婚后は私物である扇子を取り出すと、同時に戦闘体勢に入る。だが一斉に襲い掛かってくるT(タイプ):G(グレート)D(デーン)に対して対象しきれず逃げ惑うことしかできなかった。

 

「逃がさないよ。君の能力は競技後に調査済みだ」

 

 男は容赦なく婚后にT(タイプ):G(グレート)D(デーン)命令し、婚后を逃げ場のないフェンスの前に追い詰める。

 

「物体に空気の噴射口を作って飛ばす能力。だけどここにその能力を生かせる物はない。そういう場所に誘導したからね」

 

 男は邪悪な笑みを浮かべながら婚后の能力の詳細を語る。

 この男の名は馬場(ばば)(よし)()。学園都市の暗部、メンバーに所属しているメンバーである。実は馬場は昨日のバルーンハンターにて常盤台の相手校の生徒の1人として出場し、参謀として暗躍。馬場の作戦によって常盤台に勝利できたといっても過言ではない。相手の能力を全て網羅し、その上で有効な戦略を打ち立てる。まさしく戦略のスペシャリストである。

 

「観念して喋っちゃえば? 痛い目を見なくて済むよ?」

 

 勝利を確信したのか馬場は邪悪な笑みを浮かべながら婚后にそう言った。

 その時だった

 

「っ!?」

 

 馬場の使役していたT(タイプ):G(グレート)D(デーン)が一斉に上空へと飛ばされていった。馬場は何が起きたのかわからず驚いた表情を見せていた。

 

「あなたは私の能力について2つ誤解していますわ。1つは噴射点の指定に制限はないということ」

 

 婚后が自信満々の笑みを浮かべながらそう言うと、地面から大量の空気が噴射していた。婚后は地面に噴射点を作ることでT(タイプ):G(グレート)D(デーン)を一掃したのである。

 

「そしてもう1つは噴射点を束ねれば電波塔をも成層圏まで打ち上げる大出力! 私に飛ばせないものなどありませんのよ!」

 

 すると近くにあったパラボラアンテナが横方向に倒れる。さらに婚后がパラボラアンテナの土台の部分に手を触れる。それによってパラボラアンテナは馬場の方に向かって飛んで行く。

 

(ぐっ……まさかこれ程とは……)

 

 婚后の力の詳細を間違っていたことに加えて想定以上の出力。馬場は焦りの表情を見せていた。

 

(使いたくはなかったが……)

 

 焦りの表情を浮かべつつも、馬場はまだ奥の手がある様子であった。

 

「さぁ観念なさい!」

 

「くっ!」

 

 婚后は馬場に扇子を向けて勝利を宣言する。馬場は後退するが、婚后も逃がすまいとジリジリと追い詰めていく。

 その時だった

 

「っ……!?」

 

 婚后の体がゆっくりと倒れ、地面へうつ伏せの状態で倒れる。そして頬が火照り、全身に倦怠感が襲う。婚后は何が起きたのかわからず困惑していた。

 

「備えあれば憂いなし。用意しておいてよかったよ」

 

 馬場の周囲には小さな蚊のロボットが浮遊していた。このロボットはT:(タイプ)MQ(モスキート)。蚊のように飛行して対象にとりつき、口の針からナノデバイスを注入することで対象の無力化を行う。ナノデバイスを注入された対象は患部が腫れ上がり、高熱を発して行動不能に陥るのである。

 馬場はもしもの為に広場の湖にある排水溝にT:(タイプ)MQ(モスキート)を仕込んでいたのである。先程、後ずさりしていたのはもう何もないと思わせ、婚后に能力を使わせないようにすると同時に自分に注意を向かさせて、背後からT:(タイプ)MQ(モスキート)で婚后を無力化させたのである。

 

「奥の手を使わされたのは想定外だったが、これで任務完了か。ったく。手間かけさせやがって。しかし御坂美琴も酷い女だな。無関係の人間を言葉巧み利用し巻き込んで。やっぱり超能力者(レベル5)ってのは人格破綻者の集まりっていうのは本当みたいだな」

 

 動けない婚后に近づくと、馬場はゴミを見るような目でそう吐き捨てた。

 

「訂正……なさい……彼女は……御坂さんは他人を利用するような人間ではありません……これは私が望んだこと……あなたのような人間には分からないでしょうけど……」

 

 意識が朦朧とする中、美琴へ侮辱されてたことへの怒りを覚えた婚后は馬場の右足を掴みながら言い放った。

 

「ガハッ!?」

 

 婚后の言葉を聞いた後、馬場は満身創痍の婚后を容赦なく蹴り飛ばした。

 

「うっぜぇなぁ!! 上から物言ってんじゃねぇぞ!! 結局、何もできなかったじゃねぇか!! 役立たずなんだよてめぇは!!」

 

 馬場は婚后の物言いが気に入らなかったのか動けない婚后に何度も蹴りを入れていく。婚后は抵抗することができずその場でうずくまることしかできないでいた。

 

「おっと……僕としたことが」

 

 冷静さを失っていた馬場であったが、婚后がミサの手掛かりになるかもしれない人物だということを思い出して攻撃の手を緩めた。

 

「あー。やだやだ。下等な奴程、人をイラつかせるのだけは上手いんだから。T(タイプ):G(グレート)D(デーン)。こいつを運べ」

 

 馬場は婚后を尋問する為、ロボットに婚后を運ぶよう命令を与える。馬場自身は仕事をロボットに任せて、その場を去ろうとする。

 

「おい!! しっかりしろ!!」

 

 間一髪。リボーンが婚后の元へ辿り着いた。リボーンは婚后に声をかけるが、婚后からの返答はなかった。

 

(意識を失ってる上に発熱してやがる……何かされたな……こうなると応急措置だけじゃ無理だな)

 

(赤ん坊?)

 

 リボーンは婚后の体の状態を冷静に分析する。馬場は突如として現れたリボーンの存在に違和感を覚える。

 

「婚后さん!?」

 

 するとリボーンの様子が気になって追い掛けてきた佐天、湾内、泡浮がやって来てしまう。

 

「婚后さん!!」

 

「しっかりして下さい!!」

 

 ズタボロにされた婚后の姿を見て、泡浮と湾内は目に涙を浮かべた。

 

「あんたがやったの……?」

 

 佐天はボロボロになった婚后を見て怒りに頂点に達し、馬場を睨みつける。

 

「だったらどうだっていうんだ? ゴミクズがどうなろうと勝手だろ」

 

 馬場は佐天の言葉を聞いてもなお、自分の過ちを悔いることなく無慈悲に言い放った。

 

「その女、御坂美琴の為に動いてたんだってさ。他人に精神を委ねている時点で2流。その上、与えられた役割を果たせない時点で3流以下だよね。でもさっきは傑作だったよ。もう少し早く来れば面白い物が見れたのに。ズタボロにされて這いずる様はまさにゴミクズのようだったよ」

 

「あんたね!!」

 

 邪悪な笑みを浮かべ、嬉しそうに語る馬場に対して堪忍袋の緒が切れた佐天は、310と書かれた手袋を取り出した。

 

「好きにほざきやがれ。俺はもうキレてんだ」

 

「「「「っ!?」」」」

 

 リボーンがそう言い放った瞬間、佐天、湾内、泡浮、馬場の体に悪寒が走った。怒りで我を忘れかけていた佐天も冷静さを取り戻した。

 

「ここは俺が食い止める。お前らは婚后を安全な場所まで運んだら救急車を呼べ」

 

「何言ってるの!? 君1人置いて行ける訳ないでしょ!!」

 

 リボーンは前方に移動し愛銃を構えると、佐天たちに指示する。リボーンの強さを忘れている佐天は、リボーン置いていけず自分が殿になろうと戦闘体勢に入る。

 

 ズガァン!!

 

 するとリボーンは振り返ることなく、佐天たちのいる後方に向かって弾丸を放った。だが弾丸は3人に被弾しておらず、後方に設置されていたT(タイプ):G(グレート)D(デーン)の頭部に被弾していた。頭部に被弾しT(タイプ):G(グレート)D(デーン)は動きを止める。

 

「邪魔だ。とっとと失せろ」

 

(全く見ることなくT(タイプ):G(グレート)D(デーン)を核を打ち抜いた!? 何なんだこいつ!?)

 

 リボーンの技を見て余裕の笑みを浮かべていた馬場も顔色を変える。

 冷徹なリボーンの言葉を聞いて、3人は顔を見合わせて黙ったまま首を縦に振ると婚后を運んで広場から去って行った。

 

「邪魔者は消えた。後はお前を消すだけだ」

 

「消す? 消えるのは君の方だよ」

 

 すると大量のロボットが馬場を護るように立ち塞がる。

 

「君の技には驚かされたけど、君の動きはT(タイプ):G(グレート)D(デーン)に搭載されているAIが分析した。君の武器は通じないよ」

 

 先程のリボーンの技に面を喰らったが、馬場は負けるとは微塵も思っていなかった。

 

「君がどこの誰かは知らないけど、まぁ呪うんだね。かっこつけて君1人で僕の相手をしようとした自分を。ハハハハハハハ!!」

 

 勝利を確信した馬場はその場でバカ笑いする。馬場の笑い声が広場に響き渡る。

 その時だった

 

ズガァン!!

 

 すると再び銃声が広場に響き渡る。響き渡った銃声が収まるとリボーンは銃口から吹き出た煙に向かってそっと息を吹いた。

 

「は……!?」

 

 リボーンの放った弾丸は馬場の脇腹を貫通していた。馬場は突然のことに自分の身に何が起きているのか理解できないでいた。

 

「あぁああああああああ!!」

 

 時間差で自分の身に何が起きたのか理解した馬場は絶叫を上げる。

 

「勘違いすんなよ。俺が1人になったのは、あいつらにこの光景を見せるのは刺激が強すぎると思ったからだぞ。だから1人になった。お前を確実に殺る為にな」

 

 リボーンはドスの効いた低い声で馬場にそう言い放った。

 

「この俺を敵に回したんだ。楽に死ねると思うなよ」

 

 

 

 




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