とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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 美琴の窮地を救った佐天。

 

「ふぅ」

 

(す、凄い……)

 

 佐天は一息つくと(ハイパー)死ぬ気モードを解除しノーマルモードへと戻り、ボウガンに形態変化(カンビオフォルマ)していたクイーンも指輪の中へ戻っていく。相性が悪かったとはいえ美琴は佐天が液化人影(リキッドシャドウ)を一瞬で消滅させたことに驚きを隠せないでいた。

 

「大丈夫ですか? 怪我してないですか?」

 

「う、うん……それよりどうして……?」

 

「心配だったんです。婚后さんのことで追い詰めてたから……」

 

 病院にいた時の美琴がただならぬ雰囲気であった。最初は着いていくかどうか迷っていた佐天だったが、迷いに迷った挙げ句心配で美琴の元にやって来たのである。

 

「さっきの奴、婚后さんを襲った仲間……何ですよね?」

 

「それは……」

 

「私も協力します! どういう目的かは知りませんけど許せないんです! 婚后さんをあんな目に遭わせた人たちが!」

 

 依然、美琴のことを思い出せない婚后を酷い目に遭わせた連中を許せないという思いは同じ。故に佐天は美琴に協力したいという旨を伝える。

 

(どうしよう……)

 

 佐天の覚悟は本物。しかし自分のことを忘れている佐天を巻き込むことには抵抗があった。

 その時だった

 

「あっ……ごめん……」

 

 ポケットに入れていた携帯に着信が入る。美琴は佐天に断りを入れ、電話に出るという意思表示を見せる。

 

「っ!?」

 

 携帯の画面を見た瞬間、美琴の顔つきが鬼のような形相へと変貌する。

 

「もしもし」

 

 美琴は低い声で電話に低い声で応答する。相手からの会話に対して美琴は最低限の返事で応答する。

 

「わかったわ」

 

 電話の主から電話がかかって来てから1分後。会話が終了し、美琴は電話を切る。

 

「あの……何かあったんですか?」

 

 電話がかかってから美琴の雰囲気が再び変わった為、何かあったということを佐天は察する。

 

「やられた……」

 

「やられたって……?」

 

「ママが人質に取られた……」

 

「ええ!?」

 

 まさか母親が人質に取られたということを知って佐天は驚きの声を上げる。

 

「人質って……もしかしてさっきの奴の仲間ですか!?」

 

「多分……返して欲しければ私1人で来いって……」

 

「そんな……」

 

「とにかく行って来るわ。佐天さんは婚后さんの側にいてあげて」

 

「あっ……」

 

 佐天が制止する間もなく美琴は電話をかけてきた人物の指定した場所へと向かって行く。

 

「とにかく初春に連絡しないと……」

 

 美琴が1人で来るように言われた以上、自分がついて行く訳にはいかない為、佐天は初春に協力してもらうことに決める。情報収集のスペシャリストである初春の力を借りれば婚后を襲った奴の仲間のことがわかると思ったからである。

 

「あれ……?」

 

 携帯を取り出してアドレス帳の中から初春の連絡しようとした佐天であったが、あることに気づいてしまう。それはアドレス帳の中に御坂美琴という名前が登録されていたのである。

 

「登録されてる……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方で人質にされた美鈴を救いに向かった美琴は。

 

「ちゃんと1人で来たわよ」

 

 美琴はとある公園。誰もいない街路樹に囲まれた小道にやって来ていた。

 

「いるんでしょう!? とっとと出てきなさい!! リボーン(・・・・)!!」

 

 なぜかここで美琴の口からリボーンの名前が叫ばれる。

 

「そんなにでけぇ声で叫ばねぇでも聞こえてるぞ」

 

「リボーン……!!」

 

 するとすぐにリボーンからの返答が返って来る。リボーンは街路樹の中にある木の枝の上を見下ろしていた。美琴はリボーンのことを睨みつけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なぜリボーンがいるのかを説明するには時を少しだけ遡らなければならない。

 それは先程、美琴に電話をかかってきた時のことである。

 

『俺だ。言いてぇことは色々とあるだろうが、そいつは後だ。今は時間が惜しいんでな』

 

「わかったわ」

 

 リボーンの発言から自分がミサのことを嗅ぎ回ってるということを理解した美琴は黙ってリボーンの言うことを聞くことにする。

 

『単刀直入に言う。お前の知りたい情報を教えてやる。だから今から言う場所に来い。お前1人でな』

 

「場所は?」

 

 美琴がリボーンどこに行けばいいのか尋ねるとリボーンは美琴に集合場所を教える。

 

「今すぐ行くわ」

 

『お前についてる監視については気にすんな。お前の監視を止めるよう言ってあるか安心しとけ』

 

「あんた……まさか……!?」

 

『言いてぇことは後だって言っただはずだ。とにかく今すぐ来い』

 

「わかった。でも……」

 

『誰かいるのか?』

 

「うん佐天さんが……でもなんとかするわ」

 

 この後、美琴は機転を利かして母親が人質に取られたということにしてリボーンの元へ向かったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というやり取りがあり現在に至る。

 

「無駄話はいいわ。全て話してもらうわよ」

 

「そのつもりだ。だがその前に1つ聞かせろ。携帯の着信拒否以外に違和感なんてなかったはずなのにどうやって俺たちのことに気づいた?」

 

 リボーンはずっと疑問だった。着信拒否だけでは違和感を覚えても、自分たちが何をしているかを突き止めることは不可能。リボーンはそのことについて美琴に尋ねた。

 

「突き止めたっていうよりは……」

 

 美琴はこれまで自分の身に起こったことをリボーンに話す。

 

「成る程な」

 

 美琴からこれまで経緯を聞いて、美琴に今回の作戦がバレてしまったことに納得する。

 

(暴れ出す前に引き止められたのは不幸中の幸いか……)

 

 自分たちのことだけでなく婚后が馬場が知って美琴が暴走しなかったと知ってリボーンは安堵する。

 

「さぁ。質問に答えたわよ。今度はそっちの番よ」

 

「ああ。俺たちはある男を捕まえる為に動いてる。操折と手を組んでな」

 

(やっぱり……)

 

 先程の会話の内容から操折を手を組んでいるのは知っていた。しかし美琴は自分が気に入らない人物と自分の知らないところで手を組んでいることに対してやるせない気持ちになっていた。

 

「男の名は木原幻生」

 

「木原幻生……聞いたことがあるわ。会ったことはないけど……」

 

「木原幻生。学園都市の科学者の間では有名な科学者らしいが目的の為なら手段を選ばないマッドサイエンティスト。なんせ絶対能力進化(レベル6シフト)計画の立案者だからな」

 

「っ!?」

 

 幻生が絶対能力進化(レベル6シフト)計画の立案者だということを知って美琴は動揺を隠せないでいた。

 

「じゃああんたたちは幻生を追って……?」

 

「ああ。滅多に表に現さねぇ奴だが今日、行われる国際能力者会議に幻生がお忍びで出席することを操折が掴んでな。それで操折が俺たちに協力を持ち掛けてきた。俺たちがあの実験を潰したと知った上でな」

 

「何で食蜂(あいつ)妹達(シスターズ)を……?」

 

「さぁな」

 

「さぁなって……知らないのにあんな奴と手を組んだ訳……?」

 

「聞いたんだが教えてくれなくてな。ま。妹達(シスターズ)の障害になるものの排除という点で利害は一致してたしな。それで手を組んだ。ま。あいつが嘘をついてないことはわかったしな」

 

「何で……何で私には言ってくれなかったのよ!!」

 

 今まで抑えていた美琴の怒り、自分を頼ってくれなかったということへの怒りが爆発する。

 

「婚后さんがあんな目に遭ったのは私が頼ったせい……だけど私に言っていれば婚后さんがあんな目に遭うことはなかった!! 黒子たち記憶を消す必要だってなかったでしょ!!」

 

 美琴の脳裏にはボロボロ状態で意識不明の婚后の姿と記憶を消されたことによって自分のことを忘れた黒子たちの姿が浮かんでいた。

 

「前にあんた言ってたわよね!! 仲間を頼れって!! なのに何で私を頼らないのよ!!」

 

「誤解だな。俺はちゃんと言ったぞ。美琴の力を借りた方がいいんじゃないかってな。だが操折が犬猿関係にあるお前と手を組めば作戦が支障が出るって言って断られたんだぞ」

 

「それは食蜂(あの女)の私情じゃない!! それだけで納得したっていうの!?」

 

「んな訳ねぇだろ。決め手となったツナの言葉だ」

 

「沢田の?」

 

「お前に笑ってて欲しいってな。お前がこの作戦に加わればまた辛い目に遭うかもしれない。だからお前に今回のことを話さずに事を終わらせようとした。その為に佐天たちからも自分の記憶も消すことも了承した。全てはお前の為にな」

 

「何よそれ……!?」

 

 ミサの件に関しては自分だけでなくツナ自身も辛い思いをしている。自分のせいでツナに自己犠牲を強いてしまっていること美琴は怒りを覚える。

 

「だがお前が俺たちに何かしてることに気づき、さらに関係ねぇ人間を巻き込む事態になっちまった。ここまで来たら包み隠さず全て話して協力するように操折に俺が進言し了承した。だからお前を呼んだ。お前が何かしでかすと幻生の思う壺になるな」

 

「それって私を監視化に置くってこと……!?」

 

「そう捉えてもらって構わねぇぞ」

 

「わかったわよ……」

 

 言いたいことはあったがこれ以上、言ったところで何も意味がないと判断して美琴は何も言わなかった。

 

「さて。肝心の2人の居場所だが……それを言うには条件がある」

 

「何よ?」

 

「この作戦が終わるまで婚后のことをツナに伝えるな。この条件を守れるなら教えてやってもいい」

 

「わかったわ……」

 

 本当は伝えるべきなのであるにであろうか、作戦成功させる為なのだろうということリボーンの意図を理解し美琴はリボーンの条件を呑むことにした。

 美琴の返答を聞いてリボーンは美琴に今回の作戦の拠点の場所を教えた。

 

「情報は以上だ。行きてぇならとっとと行ってこい」

 

「ええ」

 

 全ての情報を話し終えると美琴はリボーンの言われた場所へと向かって行くのだった。

 

 

 

 




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