とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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一応、この小説はアニメ沿いでやっているので時系列は夏休み前です。というのも本当は今回、インデックスを出したかったんですけど、夏休み前だから無理じゃん!と思った今日この頃です。


標的(ターゲット)31 木山春生

 

 

 

 連続虚空爆破(グラビトン)事件が終わってから2日後。いつのようにツナは風紀委員(ジャッジメント)177支部へと向かおうとした。

 

「え!? 虚空爆破(グラビトン)の犯人が昏睡状態になった!?」

 

「ええ。取り調べ中に急に倒れたらしいですの」

 

 だが家に出る前に黒子から連絡が入る。ツナは黒子の言葉を聞いて、ツナは驚きの声を上げる。

 

『それだけではありませんの。以前沢田さんが捕まえた重福省帆も倒れましたの!』

 

「え!? あの子も!?」

 

『ええ。とにかく沢田さんの意見が聞きたいのです。今から来ていただけますか? 外部から専門の先生を呼んでいますの』

 

「わかった。場所は?」

 

『前にあなたが初春と行ったファミレスですわ』

 

「今から行くよ」

 

 ツナは急いで家を飛び出して、ファミレスへと向かって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ファミレス

 

「えっと……」

 

 ツナは店内に入るとキョロキョロと見回して、黒子を捜す。少し捜すと窓際の席に黒子と美琴、そして白衣に身を纏い、栗色がかったロングヘアーの女性が座っていた。ツナは女性の横に座る。

 

「えっと……この人が?」

 

「ええ。今回の事件を解決すべく外部から派遣された脳科学者の木山さんですの」

 

「木山春生だ。よろしく」

 

「さ、沢田綱吉です」

 

 淡々と自己紹介する木山に対して、脳科学者だと知ってツナは緊張しながら自己紹介した。

 

「専攻はAIM拡散力場だ」

 

「AI……?」

 

 AIM拡散力場という聞いたことのない単語を聞いて、ツナは疑問符を浮かべる。

 

「AIM拡散力場とは能力者が無自覚に周囲に放出している力のことだ。聞いたことはないかな?」

 

「沢田さんは最近、学園都市に来ましたの」

 

「そうか。それでは知らないのも無理ないな」

 

 黒子が上手くフォローをいれて誤魔化す。黒子のフォローに木山は何も疑問を持つことはなかった。

 

「状況をもう一度、説明しますわね。連続虚空爆破(グラビトン)事件の犯人、介旅初矢と常盤台狩り事件の犯人、重福省帆が昏睡状態に陥りましたの。他にも昏睡状態になった学生が増えていますの。お医者様の話ではこの状態になった学生が回復した例はないそうですの」

 

「そんな……」

 

 他にも昏睡状態の学生がいる上に、誰も回復していないと知ってツナはショックを受ける。

 

「今回、君を呼んでもらったのは事件の当事者である君の話が聞きたくてな。どんな些細なことでもいい。気づいたことがあったら教えて欲しいんだ」

 

「教えて欲しいって言われても……」

 

 木山に事件の時の状況を教えてくれと言われるが、何も思いつかなかった為、困ってしまう。

 

「特にこれといって何も……」

 

「そうか……まぁそんな気がしていたが」

 

 ツナは一生懸命考えるも何も思い当たる節はなかった。木山は予想の範疇だったのかそれ以上、何も言うことはなかった。

 

「当事者である沢田君ですらわからないとなると、今は幻想御手(レベルアッパー)を見つけることを優先した方がいいようだね」

 

「え? 幻想御手(レベルアッパー)って都市伝説なんじゃないの?」

 

「実は私とお姉様で秘密裏に調査したところどうやら眉唾物でないということがわかりましたの。といっても幻想御手(レベルアッパー)がどんな物かまではわかりませんでしたが」

 

「本当にあったんだ。能力者をパワーアップさせるなんて代物が」

 

「ええ。これから私たちは幻想御手(レベルアッパー)の捜索に専念いたしますの。そして見つけ出し次第、木山先生に調査して頂いて事件の終息を謀るつもりですわ」

 

「わかった……ん?」

 

「どうかしましたの?」

 

 黒子から今後の活動について聞いた途端、ツナは何かに気づいた。

 

「もしかして幻想御手(レベルアッパー)って……」

 

「何かわかったんですの!?」

 

「いや。元の……並盛にいた頃にあったんだ。額に撃たれると特殊な力が発動する弾丸が」

 

「だ、弾丸!?」

 

 ツナは元にいた世界にあった特殊弾のことを思い出す。弾丸と聞いて黒子は驚きの声を上げる。特殊弾はツナの世界にあった弾丸である。外部からの危機的プレッシャーによってリミッターを外す死ぬ気弾。内面から全身のリミッターを外す小言弾などがある。

 

「うん。俺があの力を使えるようになったのはその弾がきっかけなんだ。今は必要ないんだけど」

 

「お、お待ち下さい沢田さん! 本当に撃たれたんですの!?」

 

「うん。撃たれたよ。だから学園都市にもそんな感じの弾丸があるんじゃないかなって思ってさ」

 

「本当にどういう生活を送っていたんですのあなたは……」

 

 またツナが奇妙なことを言い出した為、黒子は驚いてしまう。一方で美琴は何か言いたげそうな顔で見ていた。

 

「特殊な力を発動させる弾丸……悪いが聞いたことがないな……」

 

「そうですか……」

 

「しかしそのような弾丸が本当にあるのか。研究者である私としては興味深いな」

 

 木山は特殊弾については知らなかったが、興味を示していた。

 

「ところでさっきから気になっていたんだが。あの子たちは知り合いかね?」

 

 そう言う木山の視線の先には笑顔でガラスに張り付いている佐天と、苦笑いしている初春がいた。二人はツナたちのところへやって来る。佐天はツナの隣に、初春は黒子の隣に座る。

 

「へー。脳の科学者さんなんですか。白井さんの脳に何か問題が?」

 

幻想御手(レベルアッパー)の件で相談していましたの」

 

 初春の失礼な問いに黒子は青筋を浮かべながら答える。幻想御手(レベルアッパー)という単語を聞いた途端、佐天はパフェを食べていた手を止める。

 

幻想御手(レベルアッパー)ですか? それなら私……」

 

幻想御手(レベルアッパー)の所有者を捜索して保護することになるかと思われますの」

 

「なぜですか?」

 

 佐天はポケットから音楽プレイヤーを取り出したが、黒子の言葉を聞いた途端、動きを止めた。

 

「まだ調査中ですのではっきりしたことは言えませんが使用者に副作用が出る可能性があること、急激に力をつけた学生が犯罪に走ったと思われる事件が数件確認されているからですの」

 

「はー……どうかしました? 佐天さん?」

 

「えっ……べ、別に……」

 

(佐天?)

 

 初春は佐天の様子がおかしいことに気づく。佐天は何でもないと答え、音楽プレイヤーをポケットに戻す。ツナも佐天の様子がおかしいことに気づく。

 

 この時、ツナたちは知らなかった。佐天が隠した物が重要な物であるということに。

 

 

 

 




美琴が全然、喋らなかったのには訳があります。それは次回に。


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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