佐天から
「ど、どういうこと!? 何で佐天が
『
(佐天の様子がおかしかったのって……)
最近、佐天の様子がおかしかったのは
『それでアケミたち、能力の補習があるって言ってて……でも本当は一人で使うのが怖くて……私がみんなを……』
「落ち着いて佐天! 今どこにいるの!? 今、行くから!」
ツナは佐天に落ち着くよう促すと同時に、どこにいるのかを尋ねた。
『私ももう眠っちゃうんですかね……? そしたらもう二度と起きれないんですかね……?』
「そんなことない! きっと治す方法があるはずだから!」
『私、何の力もない自分が嫌で……でも憧れは捨てられなくて……』
佐天は今までずっと心の内で思っていたことをツナに伝える。
『ツナさん……
「そんなことない! 佐天は明るくて、誰にでも優しくできる素敵な女の子で俺の大事な友達だよ! だから欠陥品なんかじゃない!」
『ツナさん……』
ツナの言葉を聞いた途端、佐天はボロボロと涙を溢す。
『ツナさん……私と初めて会った時のこと覚えてますか?』
「佐天……?」
佐天が急に初めて会った日のことを聞いてきた為、ツナは戸惑ってしまう。
さらに佐天は続ける。
『銀行強盗から私のことを護ってくれた。あの時のツナさんがとってもかっこ良くて。あの日から私、ずっとツナさんに憧れてたんですよ。私もツナさんみたいになりたいなって』
佐天の脳裏には銀行強盗から自分のことを護ってくれたツナの姿が浮かんでいた。
『そしてツナさんと一緒に暮らすことになって。私、ツナさんと一緒に過ごせて幸せだったんですよ』
『佐天……』
『一緒に過ごしていく内に思いました。この時間がいつまでも続けばいいのにって……このままツナさんとずっと一緒にいられたらいいのにって……』
佐天の脳裏にはツナと一緒に過ごした日々が浮かんでいた。
『なのに私は
佐天は後悔していた。憧れであると同時に想い人であるツナと過ごせる日々を自分自身で壊してしまったことに。
『ごめんなさいツナさん……こんな時に変なこと言い出しちゃって……でも最後だから言っておきたくて……』
「最後になんて絶対にさせないよ!」
『え……!?』
「俺が……いや俺たちが佐天を助ける方法を見つけるから! 絶対に! だから諦めないで佐天!」
『ツナさん……ありがとうございます……』
こんな状況であっても優しい言葉をかけてくれるツナに佐天は少しだけ微笑んだ。そしてこんな状況であっても佐天は自分の心臓の鼓動が早くなっていくことに気づいていた。
『それとツナさん……私……ずっと……ツナさんのことが……』
「佐天……?」
電話越しにバタッという音が聞こえ、佐天の声が聞こえなくなる。
「佐天! 佐天! 佐天! 佐天!」
ツナは携帯に向かって何度も何度も佐天の名前を叫び続ける。電話は切れてはいないものの佐天から返事が返ってくる気配は一向になかった。
「くっ!」
ツナはポケットから27と書かれた手袋を取り出すと、すぐに
逆噴射させて空へと飛ぶと、全速力で佐天の家へと向かう。
佐天の家
「佐天!」
ツナは家の扉を強引に開けると、土足のまま家の中へ上がる。そして佐天の部屋の扉を強引に開ける。
「佐天……」
部屋の扉を開けると、ツナの視界にうつ伏せの状態で倒れている佐天の姿が映る。
「佐天!」
倒れている佐天の姿を見てショックを受けるツナであったが、すぐに佐天の側に駆け寄る。そして佐天の体を何度も揺する。だが佐天が目覚める様子はなかった。
「佐天! しっかりして! 佐天!」
昏睡状態に陥った佐天の姿を見たショックによってツナの
「頼むから……返事を……佐天……」
そしてツナの瞳から溢れんばかりの涙が佐天の頬へと落下していく。
まさかの3話、投稿…自分でも驚きです…
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