昏睡状態となってしまった佐天は病院に運ばれる。
「黒子! 佐天さんが倒れたって……」
黒子から連絡を受けた美琴が病院にやって来る。遠くから走って来たのか美琴は肩で息をしていた。
「やっぱり
「ええ。どうやらその線のようですの」
「初春さんは?」
「木山さんの所へ行きましたわ」
「そう……沢田は?」
「あそこですわ」
美琴がツナがどこにいるのか尋ねた。黒子がツナのいる場所へ視線を移動させる。
「沢田……」
美琴の視界には待合室の椅子に座り、顔を俯かせて組んだ両手を額に当てたまま黙ったまま動かないツナの姿が映る。すると奥から白衣に身を包みカエルの用な顔をした男がツナの元にやって来る。
「沢田君。でよかったかな?」
「先生! 佐天は!? 佐天はどうなんですか!?」
ツナが佐天の様子を尋ねると美琴と黒子もカエル医者の所へやって来る。ツナの問いにカエル医者は黙ったまま顔を横に振った。
「そんな……」
カエル医者からの返答を聞いてツナは再びショックを受けてしまう。美琴と黒子もツナと同じくショックを受けていた。
「彼女も他の患者と同じだ。昏睡状態になったまま目覚める様子はなさそうだね」
「そうですか……」
「ちょっ!? 沢田!? 大丈夫!?」
カエル医者から佐天が容態を聞いた途端、ツナの顔が真っ青となる。美琴はいち早くツナの容態がおかしいことに気づいた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「こ、これやばいんじゃないの!?」
「沢田さん! しっかりして下さいですの!」
「大きく息を吸うんだ沢田君!」
ツナは佐天が他の患者と同じく目覚めないと知ったのがショックだったのか過呼吸に陥っていた。美琴たちはツナに声を掛けるがツナの容態は安定しない。
『ツナさん』
(佐天……)
ツナの体がゆっくりと傾いていく。意識を完全に失う前に無邪気に笑う佐天の姿が脳裏に浮かんでいた。その後、ツナは完全に意識を失う。
「沢田!」
「沢田さん!」
「早く彼をこっちに!」
床に倒れる前に美琴と黒子がツナを支える。カエル医者はツナをベッドに運ぶように促す。
ツナは病院のベッドに運び込まれる。
「先生。沢田さんの容態は?」
「大丈夫だ。酸欠によって意識を失っているだけだよ。すぐに目を覚ますよ。だから安心したまえ」
「そうですか……」
「よかったわ……」
カエル医者の言葉を聞いて、黒子と美琴は安堵する。
「それにしても彼は一体、何者なんだい?」
「それはどういう意味ですの?」
「彼が倒れたのは酸欠が原因によるものだ。だがそれよりも酸欠になった原因の方が気になるんだよ」
「それは佐天さんが他の学生と同じく目覚めないと知ったからではないのですか?」
「それも勿論あるだろうね」
「それも? 他にも何か要因があるというのですか?」
ツナが倒れた原因が佐天だけでないと知り、黒子は詳しいことをカエル医者に尋ねる。
「うん。おそらく過去に今回と似たようなことがあって、それを思い出したせいで彼は倒れたんだと僕は思うよ」
「トラウマ……」
「ああ。それにこの子は色々と見てきたんだろう。人が傷つくところや人の死ぬところを。それも一回だけじゃない。何度も」
そう言うとカエル医者はベッドで眠っているツナの方へ顔を向ける。カエル医者の言葉を聞いて黒子も暗い顔でツナのことを見る。
「人の死……」
『そして俺自身も憎しみのあまり一人の男の命を奪ったことがある』
『憎かった。その男のせいで多くの人が犠牲になり、俺の仲間も犠牲になった』
美琴は死という単語と聞いて、連続
ツナが倒れてから20分が経過した。
『ちょっと君! 何をしているんですか!?』
『緊急オペ中ですよ!』
『とても危ない状態です! 出て行って下さい!』
複数の男たちがツナを取り押さえて、部屋から出て行かせようとしていた。ツナの視線の先には手術台にて治療を受けている少年の姿があった。
病院のベッド
「山本!」
「わっ!」
ツナは飛び起きる。よっぽどうなされていたのかツナは大量の汗をかいていた。看病していた美琴はツナが急に起きたので驚いていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
ツナは肩で息をしていた。そして今まで見ていたのは夢であり、自分は今まで眠っていたということを自覚する。
「俺、何でここに……?」
「倒れたのよ。佐天さんのこと聞いて」
「そうだった……俺……」
美琴の言葉を聞いてツナはカエル医者から佐天の容態を聞いてから、急に息苦しくなったことを思い出す。
「はい。これ」
「ありがとう」
美琴は病院の自動販売機で買った水をツナに渡す。ツナは受け取るとペットボトルの蓋を開けて水を一気に飲み干す。
「あれ? 黒子?」
「さっきのお医者さんのとこ。話があるっていうから」
「そっか。それよりごめん美琴。迷惑かけて。もう大丈夫だから」
黒子がどこにいるか知るとツナは美琴に謝る。だが美琴の表情は暗いままであった。
「ねぇ? 山本ってあんたの友達?」
「え!? 何で美琴が知ってるの!?」
「うなされながらずっとその名前を呼んでたわよ」
「そっか……俺、あの夢を見てたから……」
「あの夢?」
ツナは寝ている間に山本の名を何度も何度も連呼していたことに少し驚いていた。山本はツナの同級生にしてツナの守護者の一人であると同時に時雨蒼燕流の継承者なのである。美琴はあの夢という言葉を聞いて疑問符を浮かべる。
「中学の時にさ。山本が襲われて刺されたんだ……それも手術するぐらいの……病院の人からはどうなるかわからないって……たとえ治ったとしても山本はもう二度と立つことはできないって言われて……」
「え……!?」
ツナは先程、見ていた夢のことについて話す。あまりにも酷い話に美琴は驚くと同時にカエル医者が言っていたツナのトラウマについて理解した。
「でも俺の知り合いが山本のことを助けてくれて。なんとか山本は助かったんだ」
「そう……」
山本が助かったと聞いて、美琴は山本に会ったこともないのにも関わらず安堵していた。
その時だった
「大変ですのお姉様!」
病室の扉が強引に開かれる。そこには息を切らし慌てている黒子の姿があった。
「あっ! 沢田さん! 目覚めたのですね! って! 今はそれどころじゃありませんの!」
「どうしたの黒子?」
「何かあったの?」
「木山春生の所へ言った初春と連絡が取れなくなりましたの!」
「「っ!?」」
黒子から知らされた事実にツナと美琴は驚きを隠せないでいた。
一体、初春の身に何が!?
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