とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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多重能力者(木山春生)ってしたかったけど、無理だった…


標的(ターゲット)39 大空(ツナ)&超電磁砲(御坂美琴)vs木山春生

 木山の能力がツナと美琴を襲う。

 

「どうやら本当に能力が使えるようだな」

 

「みたいね」

 

 何度も爆発が発生するもツナと美琴は全て躱し切り、木山の力を分析するだけの余裕があった。

 

「はぁ!」

 

 美琴は木山に向かって雷撃を放つ。だが木山の前にバリアのようなものができ電流が下へ流されていく。

 

「なっ!?」

 

「複数の能力によって作った避雷針か……」

 

「ほう。一発で見抜くとは。やるね沢田君」

 

 雷撃が流されたことに美琴は動揺する一方でツナは木山が何をしたのか分析する。木山はツナの分析力に感心していた。

 

「これはどうかな」

 

 木山が右手を前に出すと大量の瓦礫が超スピードで二人に向かっていく。ツナは咄嗟に右手を前に出して炎の壁を展開する。炎に当たった瓦礫は次々と塵と化していく。

 

(何だあの炎は? 燃えたのならともかく粉々になった……?)

 

 木山は炎の壁で瓦礫が粉々になったことに違和感を覚える。ツナが使っている炎ははただの炎ではなく死ぬ気の炎である。死ぬ気の炎は炎自体が破壊力を持った超圧縮エネルギーである為、瓦礫を粉砕することができたのである。

 

(それに額に灯っている炎……いくら自分の能力とはいえ普通であれば自分自身を焦がすはず……一体どうなっている……?)

 

 木山はツナの額に灯っている炎を見ながら、ツナの炎について分析するが理解することはできなかった。

 

「ただの発火能力者(パイロキネシスト)かと思っていたがどうやら普通とは違うようだね」

 

 そう言うと木山の回りの地面にヒビが入っていく。ヒビは二人の元まで拡散すると地面が崩れていく。

 

「美琴!」

 

「私は大丈夫! それより木山を!」

 

「わかった!」

 

 ツナは手を伸ばすが美琴は自分だと大丈夫だと伝える。美琴の目を見て大丈夫だと判断したツナは飛んで、落下している木山の元へ向かって行く。

 

「飛べるのか……」

 

 木山がツナがこっちに飛んで来たことに驚きを隠せなかった。木山は咄嗟に宙に浮いてる瓦礫を能力で集めて盾の代わりにする。

 

「何!?」

 

 木山の後ろからツナがパンチを繰り出す。だが木山は念を入れていた。複数の能力で作った薄いバリアを展開しておりツナの攻撃は防がれた。だが今のツナの一撃でバリアは破壊された。ツナは瓦礫の盾を展開したことにより前から攻撃して来るだろうと思っていた木山の心理を逆手に取り、瓦礫の盾を攻撃すると見せかけて炎を逆噴射させて後ろに移動し攻撃したのである。

 

(どういうことだ!? なぜ後ろに!? まさか空間移動(テレポート)!?)

 

 なぜ前方にいたはずのツナが後方から攻撃して来たのか木山にはわからなかった。

 

「くっ!」

 

 このままでは不味いと思ったのか木山はツナから離れる為に、飛んで一気に地面へと降りた。

 

「私のことを忘れてんじゃないわよ!」

 

 ツナが戦っている間に宙に浮いた瓦礫を足場の代わりにして先に地面に到着していた美琴が木山が地面に着地した瞬間、複数の砂鉄の槍で木山を攻撃する。

 

「忘れてなどいないさ」

 

 木山は再び能力で瓦礫を展開して砂鉄の槍を防いだ。

 

「勿論、君のこともね」

 

 そう言うと木山はその場から飛び引いた。その直後、木山のいた場所にツナが縦方向に回転しながらかかと落としを決めた。ツナの蹴りによって小さなクレーターができる。

 

「お前も空を飛べるとはな。それも能力の一つか」

 

軽量変化(ラァイトゥニィスチェンジ)。人や物体を軽くする能力さ」

 

 木山は空中で移動したことについてツナが指摘した為、その理由を説明した。

 

「こっちこそ驚いたよ。発火能力に空中移動に空間移動(テレポート)多重能力者(デュアルスキル)は理論上不可能なはずなんだが」

 

 木山はツナが多重能力者(デュアルスキル)だと勘違いしていた。というよりもそもそもツナは能力者ではない。ツナが異世界から来たということを知らない木山が勘違いするのは無理もないのだが。

 

「それに君のあの炎。私が最初に放った瓦礫を粉々にした。一体、どうなっているんだい?」

 

「答えると思うのか?」

 

「私だって能力をバラしたんだ。教えてくれてもいいじゃないか」

 

「1万の能力の中のたった1個だろ。それに敵の能力が何なのかを分析するのも戦いだろ」

 

「君は色んな意味で面白いね。得体の知れない炎を使い、能力を解放した途端、人格も変わる。今まで研究者として生きてきたが君のような人は初めてだよ。私としては実に興味深い」

 

 ツナとの会話で木山はツナに興味が沸いており、不敵な笑みを浮かべる。

 

「だが私は忙しくね。悪いが君たちの相手をしている場合ではないんだよ」

 

「あんたになくてもこっちにはあるのよ!」

 

「君たちの目的は私を捕えて昏睡状態となった学生たちを助ける方法を私から吐かせることだろう? 安心してくれたまえ。私の用が終われば学生たちを解放するつもりだ。誰も犠牲にはなることはない。だから退いてくれないか?」

 

「ふざけんじゃないわよ! 誰も犠牲にしない? あんたの身勝手な目的にあれだけの人間を巻き込んでおいて……人の心を弄んで……こんなことしないと成り立たない研究なんてろくなもんじゃない! そんなの見過ごせるわけないでしょうが!」

 

「……」

 

 木山の言葉に美琴は怒りを露にする。だがツナはそんな木山のことを黙って見ていた。

 

「どうして……?」

 

「どうして? それを君たちに言ったところで何も変わらないだろう」

 

「違う。そういう意味じゃない」

 

「?」

 

 ツナの言いたいことが意味がわからず木山は疑問符を浮かべる。

 

「どうしてそんなに悲しい顔をしてるんだお前は?」

 

「っ!?」

 

「え……!?」

 

 ツナの言葉を聞いた途端、木山はわずかだが動揺する。美琴もツナの言葉の意味がわからず動揺してしまう。

 

 ツナの言葉を聞いた途端、動揺した木山。一体どういうことなのか!? 

 

 

 

 

 




オリジナルの能力を考えたけど、いかがだったでしょうか?もう少しだけオリジナルの能力を出す予定です。


高評価を下さったユンケさん。ありがとうございます!


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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