とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)53 能力体結晶

 

 

 白蘭が取り出した赤い水晶だった。

 

「赤い……水晶?」

 

「これは能力体結晶といって、能力を暴走させる為のものだよ」

 

「暴走って……じゃあ木山さんの生徒が暴走したのってこれが原因ってこと?」

 

 白蘭はこの水晶が能力体結晶であるということを説明する。ツナはこれが木山の生徒たちを昏睡状態に追いやったものだということを理解する。

 

「そういうこと。これを木山春生に渡せばワクチンソフトが作れるはずだよ」

 

「でも木山春生は警備員(アンチスキル)に……」

 

「その辺のことも大丈夫。この町にいるカエル顔の医者にこのことを話せば保釈して貰えるから」

 

「カエル顔って……」

 

「あの医者のこと……?」

 

「なぜあのお医者様にそのようなことが……」

 

 カエル顔の医者と聞いてツナ、美琴、黒子は前に出会ったカエル顔の医者の顔が浮かぶと同時になぜカエル医者が木山を釈放できるのかわからないでいた。

 

「一応、僕はあの人の正体を知ってるけど勝手に話すのは不味いから話さないよ。とにかくあの医者にこのことを言えば全て解決するよ」

 

「ありがとう白蘭」

 

 白蘭はプライバシーの観点からカエル医者の正体は言わなかった。ツナはこれで木山の生徒が助かるとわかった為、ツナは白蘭にお礼を言った。

 

「それにしてもこの能力体結晶? って結局どこにあったんですか?」

 

「ああこれ? なんかテレスティーナっていう人の研究所にあったんだよ。でも正直に言ってもくれなかったんだけど、ちょっとお話(・・)したら譲ってくれたんだよ」

 

「お前、絶対に何かしたろ!」

 

「そうですわ! いくら沢田さんの知り合いといえど学園都市の風紀を乱すなら許しませんわよ!」

 

 佐天が能力体結晶がどこにあったのか尋ねると白蘭は能力体結晶を手に入れた経緯を話した。白蘭の話を聞いた途端、ツナと黒子は顔色を変える。

 

「早とちりはよくないな。そのテレスティーナって人、裏で色々とやばい研究をしてたりしたんだから」

 

「どういうことですの?」

 

「人を犠牲にしたりするような実験を計画してたり、能力者の能力を使えないような機械を開発してばら蒔いていたみたいだから」

 

「それは本当ですの!?」

 

「うん。本当だよ。だからさっき気絶させた後に研究室の情報を警備員(アンチスキル)に漏洩させたから」

 

「なっ!?」

 

 白蘭がさらっと笑顔でそう言うと黒子は驚きの声を上げると同時に恐怖してしまう。

 

「さっきって……じゃあお前が遅れてやって来たのって……」

 

「うん。能力体結晶を取りに行ってたんだ」

 

 さっきと聞いて白蘭が遅れてやって来た理由をツナは理解する。白蘭は笑顔で悪びれた様子もなくツナの疑問に答えた。

 

「まぁその内、君たちにも連絡が来ると思うから」

 

「ま、まぁそういうことでしたら……大目に見ますわ……ですが本当に風紀を乱すようでしたら容赦はしませんわよ」

 

「ハハッ! 無理無理。君程度の実力じゃ僕は倒せないよ。僕、黒子君より強いし」

 

「あなたって人は……」

 

 忠告しても反省しない白蘭に黒子は頭を抱えると同時に頭を抱えてしまう。

 

「嘘じゃねぇぞ。白蘭は超能力者(レベル5)クラスの実力者だぞ」

 

「へー……超能力者(レベル5)ね……」

 

「もう僕はやることも終わって暇だし。戦う?」

 

「いいわよ! やってやるわ!」

 

「さっき私が言ったこと忘れましたの!? それにお姉様も止めて下さいですの!」

 

 先程の黒子の発言を無視して美琴と戦おうとする白蘭にツッコミをいれる。

 

「そ、それにしても本当に凄いですね。平行世界(パラレルワールド)の知識を共有する力……」

 

 初春は戦う話題を反らす為に白蘭の能力について話題を移す。

 

「君だって凄い能力を持ってるじゃないか。学園都市一のハッカー。初春飾利君」

 

「ええ!? 初春が!?」

 

「わ、私のことまで……」

 

 初春の正体を知ってツナは驚きの声を上げる。初春はまさか自分のことを知っているとは思っていなかったようであった。

 

「ハッカー? こいつがか?」

 

「うん。守護神(ゴールキーパー)っていう異名で知られてるよ。まぁ都市伝説扱いされてるけどね」

 

「ハッカーか。おい初春。特別待遇してやるからボンゴレに入らねぇか」

 

「だからボンゴレに勧誘するなって!」

 

「初春をマフィアにしようとしないで欲しいですの!」

 

 リボーンは白蘭から初春が凄腕のハッカーと知って口元を緩ませる。ツナと黒子は大切な友達をマフィアにしようとするリボーンにツッコミをいれる。

 

「安心しろ。ボンゴレは週休2日制。年間休日は123日。残業もなし。産休も充実している上に敵対マフィアを壊滅させれば一年間休みが貰える超ホワイト企業だぞ」

 

「反社会的組織の時点でホワイト企業じゃないでしょうが!」

 

 リボーンはボンゴレの休日や福利厚生を発表する。美琴はリボーンにツッコミをいれる。

 

「流石にマフィアになる気は……」

 

「でもボンゴレの財力ならいちごおでんを一生飲めるぐらい稼げるよ」

 

「いちごおでん!?」

 

「食いついた!?」

 

 マフィアになるなんてさらさらなかった初春であったが白蘭の口からいちごおでんという単語を聞いた途端、目の色を変えた。

 

「い、いちごおでん……? 何その不味そうな飲み物……?」

 

「学園都市の自動販売機で売ってるジュースだよ。僕も飲んだけど意外といけるんだよ」

 

「ええ!? あれ飲めるんですか!?」

 

 いちごおでんと聞いてツナは不安そうな顔をする。だが白蘭はすでに飲んでいた。佐天はいちごおでんを飲めることが信じられないでいた。

 

「あの美味しさがわからないなんて」

 

「ですよね!」

 

 いちごおでんが好きな者同士。意気投合する白蘭と初春。

 

 

 結局初春はボンゴレに入ることはなかったのだった。

 

 

 




はい。かなりと言っていい程、強引ですが乱雑解放(ポルターガイスト)篇はやりません。僕あの人、嫌いなんです。それよりも推しである佐天の話を書きたいんです!

それと謝らないといけないことが。アニメ版だと佐天と初春ってルームメートなんですね…初春と春上さんが一緒に暮らしたので勘違いしました…ですがもうやっちゃったもんは仕方はないしこのまま行きます。原作だと一人暮らしだし…大丈夫?

キャパシティダウンはほんの少しやります。といっても黒妻さんは出しません。


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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