「私に何の用だい? 沢田君?」
「はい。お願いがあるんです」
ツナは白蘭に言われた通りカエル医者のいる病院へと訪れていた。ツナはカエル医者に来客用の部屋に呼ばれていた。
「何だね?」
「木山さん……木山春生を釈放させることってできますか?」
「っ!?」
ツナの頼みを聞いた途端、カエル医者は顔色を変えた。
「一体、なぜそのことを私に言うんだい? 私はただの医者だよ?」
「詳しいことは俺にもわかりません……ただある奴からあなたが木山さんを釈放することができるって聞いて……」
「……」
ツナの言葉を聞いて、カエル医者は何も言わず何か考え込んでいた。
「確かに僕なら彼女を釈放させることはできる。僕はこの街では顔が利く。それに彼女とは古い知り合いだしね」
「え? そうなんですか?」
「ああ。だが今、彼女は牢獄に身を置いている身。何の理由もなく簡単に釈放はできない。だがわざわざその様子だと何かあるんだろう?」
「はい。実は……」
ツナは自分が見た木山の過去について全てカエル医者に話した。カエル医者はツナ話を真剣な話で聞いていた。
「成る程ね……そんなことが……」
「それとこれを木山さんに解析して貰えばワクチンソフトを作れるって……」
カエル医者はツナの話を聞いて、右手の親指と人差し指を顎に当てる。ツナはポケットから能力体結晶を取り出した。
「これは?」
「能力体結晶です」
「なっ……!?」
能力体結晶と聞いてカエル医者は再び顔色を変える。
「な、なぜ君がそのような物を……!? 一体、どこで手に入れたんだい……!?」
「えっと……それは……」
カエル医者の問いにツナはどう答えたらいいかわからず困惑してしまう。
「嫌なら答えなくていい。とにかく木山君の釈放の件。私に任せてくれたまえ」
「引き受けてくれるんですか!?」
「ああ。君の言っていることは本当のようだしね。それに僕は医者だ。患者を救う為ならそれくらい御安い御用さ」
「ありがとうございます!」
カエル医者は木山を釈放することを了承するとツナはぱぁっと
「
「お願いします!」
そしてツナは部屋を出る前に扉の前でカエル医者に向かって頭を下げるとその場を去って行く。
(ああは言ったが一体、どうやって私のことや能力体結晶を……まさか
数日後。
「まさか君たちが私の身元引受人とはな」
カエル医者は木山の釈放手続きをしてくれた為、木山は釈放された。木山の視界にはツナと美琴の姿が映っていた。
「何よ? 何か問題でもあるわけ?」
「別に。ただ私の身元引受人が君たちになるとは思ってもみなかったから驚いただけさ」
美琴は木山の発言に引っ掛かりを覚えた。木山は自分の思っていたことを素直に話し誤解を解く。
「にしても私を釈放させるとはね」
「俺も釈放させることができるなんて思ってませんでしたよ。でもあのお医者さんができるっていうことを知ったからお願いしただけですよ」
「それが前に言っていた
「はい。それと木山さんの生徒と、ワクチンソフトを開発する為の施設もあのお医者さんが用意してくれていますよ」
「そうか。君には感謝してもしきれないな」
釈放させるだけでなく自分の生徒たちを助ける為にそこまでの準備までしてくれていたと知って木山はツナに感謝する。
「こんな所で長話するのもアレだしとりあえず行きましょうか」
木山はツナと美琴に案内されて生徒たちのいる施設へと向かって行く。
「待っていたよ」
施設の中に入るとすぐにカエル医者がいた。だが施設内には他には気配が感じられず誰もいなかった。
「この度はご協力感謝します」
「これくらい御安い御用さ。さぁ着いてきたまえ。君の教え子たちが待っている」
木山はカエル医者に頭を下げ感謝の言葉を述べる。カエル医者はツナたちに着いて来るように促す。カエル医者に着いていくとエレベーターに乗って施設の最下層へと向かって行く。エレベーターが最下層に着き、扉が開く。
「この子たちが……」
エレベーターが開いた途端、美琴が呟いた。ツナたちの視界にはガラス越しにベッドの上で眠っている木山の生徒の姿が映る。
「こっちに機材を用意してある。好きに使ってくれ」
「ありがとうございます」
カエル医者が指を指した先にはワクチンソフトを作る為の機材と椅子と机が用意されていた。木山はカエル医者に礼を言うと椅子に座って作業を開始する。
「これは?」
作業を開始しようと思った矢先、木山の視界に能力体結晶が映る。木山はツナたちの方を振り返り、これが何なのか尋ねる。
「能力体結晶ですよ」
「の、能力体結晶!?」
「は、はい……この子たちを目覚めさせる為に必要なもので……木山さんに解析させれば生徒たちが助かるって……」
「い、いやそれよりも! これをどこで手に入れたんだい!?」
「い、いや……それは……」
(言えるわけないわよね……悪党とはいえ、カチコミに行って奪って来たなんて……やったのは私たちじゃないにしても……)
能力体結晶と聞いて木山は驚きの声を上げる。ツナと美琴は能力体結晶の入手方法についてどう言えばいいのかわからず困惑していた。なんとか能力体結晶のことについて誤魔化すことに成功した。そこから木山は黙々と作業を続ける。ツナたちもその間、作業する木山を見守っていた。
「できた……」
作業開始から30分。木山はついにワクチンソフトを完成させることに成功した。
ここまでやっといてアレなんですけど、実は言うとこの辺の話はあんまり深く考えてなかったので結構、フワフワしちゃってます。
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