木山はついにワクチンソフトを作ることに成功した。
「じゃあ……」
「これで……」
ワクチンソフトができたと知ってツナと美琴は木山の元へ駆け寄る。
「ああ。これであの子たちを助けることができるはずだ」
後はパソコンのキーボードのエンターキーを押してワクチンソフトのプログラムを生徒たちに投与するだけとなった。
「っ……!?」
エンターキーを押してワクチンソフトを投与しようとした木山であったが、生徒たちを昏睡状態にしてしまった時のことが脳裏に過ってしまいエンターキーを押せなくなってしまう。
「大丈夫ですよ。絶対に助かりますよ」
「沢田君……」
ツナは超直感で木山がどういう気持ちでいるのか感じとっており、優しい言葉を木山にかけた。ツナの言葉を聞いて木山は落ち着きを取り戻した。
「よし……」
そしてついに木山はエンターキーを押して、生徒たちにワクチンソフトを投与する。
(頼む……効いてくれ……)
木山は心の中でちゃんとワクチンソフトが効いてくれるように祈る。ワクチンソフトが投与してから10秒が経過するが生徒たちは目覚める様子はなかった。
(ダメなのか……)
誰一人として何の反応も示さない為、木山はワクチンソフトが効かなかったと苦渋に満ちた
諦めかけた
その時だった
「う、う~ん……?」
「「「っ!?」」」
その時、木山の生徒の一人が目を覚ました。ツナたちはその声を聞き逃さなかった。
「あれ……? ここどこー……?」
「何で私たちベッドで寝てるの……?」
「ああ……ああ……!?」
次々と目を覚ましていく木山の生徒たち。目覚めていく生徒たちを見て木山は感動のあまり両手を震わせていた。
「あっ! 木山センセーだ!」
「本当だ!」
「センセーだ!」
一番、最初に目覚めた女の子が木山がいることに気づくと、他の生徒たちも木山の方を向いた。木山は右手で両目を覆う。だが両目から溢れんばかりの涙が溢れていた。
「センセー?」
「何で泣いてるのー?」
「何かあったのー?」
「なに……色々あってね……本当に……」
急に木山が泣き出した為、生徒たちは疑問符を浮かべていた。木山は涙を流しながらも口元を少しだけ緩ませてそう言った。ツナたちは暖かい目でこの光景を見守っていた。
「僕たちは出て行こうか」
木山と生徒たちの感動の再会を邪魔してはいけないと思い、カエル医者はツナと美琴にそう言った。二人はカエル医者の意図に気づき、黙ったままその場を去って行った。
施設の屋上
「よかったね。木山さんの生徒が無事に目覚めて」
「そうね」
「やっぱり木山さんって凄いよね。あんな短時間でワクチンソフトを作っちゃうんだし」
(自分の手柄とは言わないのね……あんたは……)
木山がワクチンソフトを作り生徒たちを昏睡状態から目覚めさせることができたのは自分のお陰なのに、自分よりも木山のことを誉め讃えた。美琴はツナの発言に少しだけ口元を緩ませた。
(完敗ね……何もかも……)
美琴は空を見上げ、自分は色んな意味でツナには勝てないということを認めた。
「悪かったわね沢田……」
「え?」
急に美琴が自分に謝った為、ツナはキョトンとしてしまう。
「戦いたくもないのにあんたの意思を無視して勝負を挑んだことよ」
「ど、どうしたの急に?」
「別に。ただ気づいただけよ。自分のしてきたことの愚かさね。それと自分の弱さってやつをね」
美琴の脳裏には今まで自分のしてきたこと、今回の
「でも私はいつかはあんたを越えてやるわ! 絶対にあんたをギャフンと言わせてやるんだから!」
美琴は拳をツナに向けてそう言った。だが同じ言葉であっても以前とは言っている意味が全く違っていた。
「若いというのはいいものだな」
「木山さん!」
美琴がツナに宣言すると生徒たちの所にいた木山がやって来ていた。
「あの子たちの所にいなくていいの?」
「あの子たちならあの人の病院に搬送された。まだ完全に治るまでには時間がかかるからね」
「そう」
「そして改めてありがとう沢田君。君のお陰であの子たちを治すだけでなく、会えるようにしてくれて」
「そ、そんな! 俺は大したことはしてないですよ!」
木山は改めてツナに礼を言った。ツナは両手を前に出しながら謙遜した。
「これからどうするの?」
「さぁ。まだそこまでは決めていない。とりあえずしばらくはあの子たちの傍にいるつもりだ」
「そうですか」
「それともう一つ。君との約束を果たさないとな」
「約束って……リボーンの?」
「ああ。君のような生徒を育て上げた先生に興味がある。是非とも話を聞かせて欲しい」
「だったら話してやろうか」
「「「え?」」」
ツナたちが声のする方を向くといつの間にか屋上の柵の上に立っているリボーンがいた。
「ちゃおっす。お前が木山春生か。俺はリボーン。ツナの
「沢田君の記憶を見てはいたが……本当に赤ん坊なのだな……」
リボーンが自己紹介する。木山は右手を顎に当てながらリボーンのことをまじまじと見ていた。
「それで木山。お前、ボンゴレに入らねぇか?」
「だから勧誘するの止めろって言ってるだろリボーン!」
「会って早々に勧誘してんじゃないわよ!」
「ボンゴレ……? パスタのことか……?」
ツナと美琴はリボーンがいきなり木山をボンゴレに勧誘したことに対してツッコミをいれた。木山はボンゴレが何なのかわからず疑問符を浮かべていた。
「ボンゴレはマフィアだぞ」
「はい……!?」
「ツナはボンゴレファミリーっていうマフィアのボス候補でな。俺はボンゴレの現ボス、ボンゴレ
「すまない……あまりのことに情報が頭に入ってこないのだが……」
「んじゃ簡潔に言うぞ。マフィアになれ木山」
「簡潔にし過ぎだろ!」
「なんならお前の生徒も一緒に入ってもいいぞ」
「いいわけないだろ! 何、考えてんだよお前は!」
ここからいつものようにツナはリボーンに発言にツッコミをいれる。
「うぜぇ」
「ゴフッ!?」
「なっ!?」
ツナのツッコミがうざかったのかリボーンはツナを蹴り飛ばした。いきなりリボーンがツナを蹴り飛ばしたことに驚きを隠せないでいた。
「いってぇ! 何すんだよリボーン!」
「お前が勧誘を妨害するからだ」
「するに決まってんだろ! いい加減、その勧誘するのを止めろ!」
「俺に指図すんじゃねぇ」
「あいいだだだだ!」
「沢田君があんなににも強い理由がわかった気がするよ……」
「奇遇ね……私もよ……」
苛ついたリボーンはツナに関節技をかけた。リボーンのあまりの無茶苦茶な行動に木山と美琴は唖然すると同時にツナの強さの秘密を理解する。
「だが……いい教師だな。彼があんな風に育ったのもわかるよ」
「え……!? 本気で言ってんの……!?」
木山だけはリボーンがいい教師だということに気づいていた。美琴は木山の発言が信じられずもう一度、ツナたちの方を見るが木山の言っていることを理解することはできなかった。
「ああ。本当にいい教師と生徒だ」
木山はツナとリボーンを見ながら今まで見せたことのないとびっきりの笑顔でそう言ったのだった。
これにて
・
・ツナの過去を知って前へ進む佐天
・自分の弱さを認め前に進む美琴
この3つです!この3つを書けたのでもう後悔はありません!応援してくれた読者の皆様。本当にありがとうございます!
次回は前から予告していました通り佐天覚醒篇をやります!お楽しみに!
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