見事、第一段階をクリアした佐天。飲み物を買いに山を降りていたツナも戻って来る。
「んじゃ。修行の第二段階を始めるぞ。次の修行はツナにも協力してもらうからな」
「え? 俺?」
第二段階の修行に自分の力が必要だという意味がわからず疑問符を浮かべる。
「それで次の修行は何するの?」
「この崖を登れ」
「へ……!?」
リボーンが指を指しながらそう言う。佐天はリボーンが指を指した方向を見た瞬間、あまりの衝撃にその場で固まってしまっていた。なぜならそこには50メートルは優に越える絶壁があったのだから。
「えええええええええ!?」
そして時間差で佐天は絶叫を上げる。佐天の絶壁が並盛山に響き渡る。
「無理無理! 無理だって! こんなの登れるわけないじゃん! 滅茶苦茶過ぎるよ!」
「無茶苦茶じゃねぇぞ。これは初代が行った由緒ある修行だぞ。実際ツナもやったしな」
「え? そうなんですか?」
「ま、まぁ……」
本当にやったかどうか尋ねるとツナは修行でこの崖を登った日々を思い出しながらそう答えた。
「初代はいつでも
「この修行がちゃんとしたものっていうのはわかったけど……私の力じゃこの崖を登るのは流石に……」
「そのぐらいわかってるぞ。いい方法があるんだ」
「いい方法?」
「説明するより実際に見た方が早ぇな」
そう言うとリボーンは相棒であるレオンを銃に変形させると銃口を向ける。
「ちょっ! お前! まさか!」
「いっぺん死んでこい」
ズガァン!
リボーンはツナの意思を無視して額に弾丸を撃ち込んだ。撃たれたツナは仰向けで倒れてしまう。
「え……?」
佐天は撃たれたツナを見て放心状態にしてしまっていた。
「いやーーーーーーー!」
そして数秒後、佐天の悲鳴が並盛山へと響く。
「ツナさん! ツナさん! しっかりして下さい!」
佐天は撃たれたツナの元に駆け寄り、ツナの体が揺するがツナの意識は目覚めなかった。
「落ち着け佐天」
「落ち着けるわけないでしょ!? 何でそんなに平然としてられるの!? 自分のしたことがどういうことかわかってるの!?」
佐天は涙を流しながら、ツナが倒れたにも関わらず平然としているリボーンに向かって叫ぶ。
その時だった
「え!?」
ツナの目がカッと開き、額に大空の死ぬ気の炎が灯る。佐天は急にツナが目覚めたことに驚きを隠せないでいた。
「
「はわわわわわわ!! ///」
ツナの服が破れパンツ一丁になる。そしてツナは回転しながらおもいっきりジャンプし地面に着地する。佐天はツナのパンツ一丁の姿になったのを見て、慌てて両手で顔を隠すが、ちゃっかり指の隙間からパンツ一丁のツナを見ていた。
「死ぬ気で崖を登るーーーー!」
そう言うとツナは崖の近くまで一直線で登り、そこからもの凄い勢いで崖を登って行く。
「イッツ。死ぬ気タイム」
「な、何をしたの……?」
「死ぬ気弾。こいつをツナの額にぶち込んだ」
「し、死ぬ気弾……?」
リボーンは人差し指と親指で炎のマークの入った赤い弾丸を摘まみながら佐天に見せる。死ぬ気弾という聞いたことのない単語に佐天は疑問符を浮かべていた。
「死ぬ気弾はボンゴレに伝わる特殊弾でな。こいつを脳天に喰らった奴はいっぺん死んで死ぬ気になって甦る。死ぬ気になる内容は死ぬ前に後悔したことだぞ」
「ちょ、ちょっと待って……後悔してなかったらどうなってたの……?」
「俺は
「死んでたの!?」
後悔していなかったら死んでたかもしれない弾丸を撃っていたと知って佐天は驚きの声を上げる。
「つーわけだ。今からお前にも
ぶちこむぞ」
「ままま、待って!」
「どうかしたのか?」
「どうかしたのか? じゃないよ! 死ぬかもしれないって聞いてるのにやるわけないじゃん! 仮に死ななくてもあんな姿になるんだよ!」
「愛するツナになら見られても問題ねぇだろ」
「そ、それは……!! ///確かにツナさんになら見られても……って何、言わせるのリボーン君!! ///」
「お前が勝手に言っただけだろ」
顔を赤らめ両手の人差し指をツンツンとくっつけながら言う佐天にリボーンは冷静にツッコミをいれる。
「いずれツナに見られるんだからいいじゃねぇか。その予行演習と思えば」
「良くないよ! ツナさんに変な目で見られるよ! それにリボーン君だっているのに!」
「安心しろ。俺はお前のような
「リボーン君は赤ん坊でしょ!」
リボーンの怒涛のボケに対して佐天はツッコミを入れまくる。
「ったく。しゃぁねぇな。だったらこいつだ」
そう言うとリボーンは懐から水色の丸薬の入った瓶を取り出した。
「な、何それ?」
「死ぬ気丸。死ぬ気になる為のアイテムだ。死ぬ気弾をよりも死ぬ気度は落ちるがな。
「ちょっと待って……
「お前が絶対に面白い反応をすると思ってな」
「私で遊ばないで!」
微妙にニヤけながらそう言うリボーンに佐天はツッコミをいれる。
「ただこっちの方が体への負担がでけぇぞ。それでもやるか?」
「まぁ……死ぬ気弾よりはマシだし……こっちにするよ……」
体への負担は重いと言われたが、死んだり、恥ずかしい姿になるよりはマシだと思い、佐天は死ぬ気丸を飲むことを選んだ。
(ちょっと怖いけど……えいっ!)
佐天は勇気を出して死ぬ気丸を口の中に入れて、一気に飲み込む。
「っ!?」
佐天が死ぬ気丸を飲み込んだ瞬間、体中から力が漲り額に晴の死ぬ気の炎が灯った。
またツナの会話が…
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