夏休み期間中、ツナの家に泊まることになった佐天。修行で汚れていたので先にお風呂に入る。お風呂から上がるとツナの部屋に戻って、晩御飯ができるまでゆっくりとくつろぐ。
「明日は9時から修行を始めるからな。ゆっくり休んどけよ佐天」
「うん。わかった」
リボーンは髪をドライヤーで乾かしている佐天に明日の修行の日程を伝える。
「本当に帰ってきたのねツナ」
「ビアンキ」
(あっ! この人もツナさんの記憶に出てきた人だ!)
ツナの部屋の赤色の髪にロングヘアーの外人の女性が入って来る。佐天はこの女性がツナの記憶に出てきたことを思い出す。
「あら。知らない子ね。もしかして異世界の……?」
「は、はい! 佐天涙子といいます! 夏休みの間、ツナさんの家にお世話になります!」
「ビアンキよ。よろしく」
緊張しながら自己紹介する佐天に対して、ビアンキは冷静に簡潔に自己紹介した。
「とりあえず私からの歓迎の料理よ」
「ええええええ!? な、何これーーー!?」
ビアンキはどこからか皿を取り出すとツナの部屋の中心にある折り畳み式の机に皿を置いた。佐天は皿の上に乗っている料理を見て絶叫を上げる。なぜなら皿の上には食材の原型を留めておらず、さらに紫色の煙を上げている料理があったからである。
「ビアンキ! いきなりポイズンクッキングを出すのは止めろって!」
「ポイズン……クッキング……?」
ポイズンクッキングと聞いたことのない単語に佐天は疑問符を浮かべる。
「ビアンキはフリーの
「何その才能!? というか
ポイズンクッキングのこと、ビアンキが
「ちなみにビアンキは俺の女だぞ」
「もうっ! リボーンったら!」
「意味わかって言ってるの!?」
リボーンは親指以外の指を立てながらそう言う。ビアンキは顔をほんのりと赤らめていた。佐天はリボーンが親指以外の指を立てていることから、ビアンキが4番目の愛人だということを即座に理解しツッコミをいれた。
「ま。これからよろしく」
そう言うとビアンキはツナの部屋を出て、下へと降りて行った。
「な、なんか……変わってますね……ツナさんの居候って……」
「こんなのまだ序の口だよ……」
佐天はビアンキのポイズンクッキングに衝撃を受けていた。だがツナはこれは序の口に過ぎないということをわかっていた。
「ガハハハー! ランボさん登場!」
「ランボ」
今度は牛柄の服に天然パーマの子供がツナの部屋に入ってきた。
「遊びに来たと見せかけて……
「いきなりかよ!」
「手榴弾!?」
部屋に来て早々にランボは髪の毛の中から手榴弾を取り出してリボーンに投げつけた。まさか子供が手榴弾を持っているとは思ってもみなかったのか佐天は驚きを隠せないでいた。
「ん」
「ぐぴゃあ!」
ドオオオオンン!
「ええええええええ!?」
だがリボーンは手の甲で手榴弾をランボの方へ跳ね返した。跳ね返した手榴弾はランボの顔面に直撃した後、派手に爆発する。佐天はさらっととんでもないことが起こった為、驚きを隠せないでいた。
「ちょっ! 本当に爆発した!? というか何で子供が手榴弾を!? というか何やってるのリボーン君!?」
「気にすんな。いつものことだ」
「いつものことなの!?」
このやり取りがいつものことだということを知って佐天は驚きの声を上げる。
「うわぁああああん!」
「ええ!? 今度はバズーカ!? というかどうなってるのその中!?」
ランボは泣きながら今度は髪の毛の中から紫色のバズーカを取り出した。そしてバズーカを自分に向かって撃つと部屋にピンク色の煙が充満する。
「ええ!? 自分に撃った!? 何で!?」
佐天はランボがバズーカを自分に向かって撃ったことに驚くと同時に意味がわからないでいた。そして部屋に充満していた煙が晴れる。
「やれやれ。せっかく食事中だったのに」
「えええ!? 誰、この人!? あの子は!?」
煙が晴れると牛柄のシャツを着た青年が現れた。佐天は急に知らない青年が現れたことに驚きを隠せないでいた。
「久しぶりですね。若きボンゴレ。おや? そちらは初めて見る女性ですね」
「うん。佐天って言って今日からしばらく家に泊まることになったんだ」
「成る程。初めまして。10年前の自分が世話になってます。ランボです」
「10年前……!? というかランボって……あの子と同じ名前……どういうこと……!?」
10年前という単語、急に現れた青年がさっきまでいたランボと同じ名前を名乗ったことがわからず佐天は混乱していた。
「えっと……こいつはさっきのランボの10年後の姿なんだよ佐天……」
「10年後!? どういうことですか!?」
「10年バズーカだぞ」
「10年……バズーカ……?」
「ボヴィーノファミリーが作った兵器でな。このバズーカに撃たれた奴は10年後の自分と5分間だけ入れ替わるんだ」
「えええ!? それってタイムスリップってこと!? 何でマフィアがそんな凄い物を作れるの!?」
5分間だけとはいえタイムスリップできる兵器をマフィアが作れることに驚きを隠せないでいた。
(というかあの子がこんなになるの……)
10年バズーカも驚きであったが、あのランボが10年経つとこんなにも変わるということの方が驚きであった。
「それにしてもお美しい方だ。ボンゴレの彼女ですか?」
「か、彼女!? ///」
大人ランボは佐天がツナの彼女なのではないかと推測した。大人ランボの言葉を聞いて佐天は顔を赤くする。
「違うよ。佐天は友達だよ」
「そうですか? そうは見えないんですが……」
「彼女///私がツナさんの彼女///えへへ///」
(こいつチョロいな)
大人ランボの視線の先には彼女と言われて表情が緩みまくっている佐天の姿があった。リボーンはそんな佐天を見ながら心の中で呟いた。
「ツナ、リボーン、涙子。ママンがご飯ができた……ロメオ!」
「ひぃいいい!」
再びビアンキがやって来る。だが大人ランボを見た瞬間、ビアンキの顔つきが変わる。一方で大人ランボも顔を真っ青にしてしまっていた。
「ポイズンクッキング!」
「ぐぴゃぁ!?」
「ええええええ!?」
「大人ランボ!」
ビアンキは折り畳み式の机に置いていた料理を大人ランボの顔にぶちこんだ。大人ランボは顔を真っ青にしながら仰向けの状態で倒れる。ビアンキの行動に佐天は再び驚きの声を上げる。
「な、何してるんですか!?」
「大人ランボはビアンキの元彼にそっくりでさ……なんか別れるまで険悪だったみたいで……」
「ちなみにロメオは食中毒で死んでるぞ」
「悲惨過ぎるよ! 元彼もこの人も!」
ビアンキのことを聞いて、佐天はロメオと大人ランボに同情してしまった。その後、10年バズーカの効果が切れて大人ランボは元の時代に戻った。
(ていうか修行より疲れた……ツナさんって毎日、こんな生活を送ってるの……?)
ツッコミをいれたり驚きの連続だった為、佐天のさらに疲労していた。そしてツナの苦労を知ったのだった。
ランボの扱いが酷くてすいません…
高評価を下さった鉄血のブリュンヒルデさん。ありがとうございます!
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