佐天がツナたちの世界に来て1日が経過した。
「か、体中が……痛い……」
「だ、大丈夫!? 佐天!?」
佐天は朝御飯を食べ終えて着替え終えた佐天であったが、昨日の修行が相当、効いたのか佐天は全身、筋肉痛になってしまっていた。ツナはそんな佐天を心配していた。
「あれだけ崖を登った上に死ぬ気丸を使ったんだ。無理もねぇ。今日は修行を中止した方がいいな」
「だ、大丈夫だよ! 痛っ……!?」
リボーンは佐天の体の状態を見てそう判断した。佐天は大丈夫だと言ったが、再び体中に痛みが走る。
「昨日も言ったが焦んな。休むのも修行の内だぞ。休み方によって修行の効率は何倍も変わってくるからな」
「わ、わかったよ……」
(俺の時とは全然、違う……)
リボーンの言葉を聞いて佐天は納得した。一方でツナは複雑な気持ちになっていた。佐天を無理させないというリボーンの判断は正しいと思っている。しかし自分が全身筋肉痛になってもここまで長くは休ませてはくれなかった。そこの部分がどうしても引っ掛かってしまうのである。
「お前って女の子に本当に甘いよな……」
「しゃあねぇだろ。あの時とは状況が違うんだ。あの時は10日でヴァリアーを迎え撃たなきゃならなかったんだからな」
ヴァリアーとの戦いでは時間がなく無理をしなければならなかった。だが今回は30日以上の猶予がある。だからこそリボーンは休むという選択肢を選んだのである。
「こうなることは想定の内だ。何の問題もねぇ」
リボーンは佐天がこうなってしまうのも予想の範疇だったのか、全く動じていなかった。
「それにこれで存分にお前の修行をできるしな」
(もの凄く、嬉しいそうな顔してるよ!)
リボーンは凄く嬉しそうな顔をしながらそう言った。そんなリボーンの笑みを見てツナは恐怖する。
「佐天。今日は俺とツナのスパーリングを見ろ。それが今日の修行だ」
「ツナさんとリボーン君の?」
「お前もその内、死ぬ気の炎を使って戦うようになるからな。見といて損はないと思うぞ」
ツナたちは昨日と同じく並盛山へと向かう。
「ツナ。準備はいいか?」
「ああ」
(ツナさんとツナさんを強くした
「ナッツ。
ツナはナッツを
「行くぞ」
ツナが炎を逆噴射させて高速移動をするとリボーンの頭上を取るとリボーンに向かって拳を叩き込んだ。だがツナの拳はリボーンには当たらず、地面にめり込む。一方でリボーンはジャンプしてツナの攻撃を躱していた。
「
ツナは空中にいるリボーンに向かって即座に炎の弾丸を発射しようとするが空中にリボーンの姿はなかった。
「こっちだ」
「がはっ!」
リボーンはツナの背中に蹴りを喰らわせると同時にツナを蹴り飛ばした。
(あの一瞬で……凄い……)
佐天は見ていた。リボーンがジャンプして避けると同時に少し大きめの石を拾い、その石を空中で落として足場の代わりにしてツナが振り返る前に背後を取ったのを。
「くっ!」
「ぼけっとしてんじゃねぇ」
「ぐはぁ!」
ツナは炎を逆噴射させて空中で体勢を整える。だが体勢を整えると同時にすでにツナの前にリボーンがいた。リボーンはツナの腹部に拳を叩き込んだ。
「まだだぞ」
「ごはっ!」
リボーンのアッパーがツナの顎に直撃する。アッパーを喰らわせられたツナは空中に放り出される。リボーンは追撃を喰らわせる為にツナの上を取る。
「くっ!」
ツナは追撃される前に右足でリボーンに向かって蹴りを放つ。リボーンは体を捻ってツナの蹴りを躱す。
「はぁ!」
「悪くねぇな」
蹴りを躱した瞬間にツナはリボーンに向かって拳を放った。だがリボーンは口元を緩ませていた。流石のリボーンでもツナの拳を躱すことはできず、腕をクロスさせてツナの拳を防御していた。そしてツナの攻撃の余波でリボーンは吹き飛ぶ。
「まだだ!」
ツナは再び炎を逆噴射させてリボーンに突っ込んでいく。だが正面から突っ込まずあらゆる方向から何度も高速移動を繰り出しながらリボーンに攻撃を放って行く。
が、
「くっ!」
ツナは焦りの表情を見せていた。なぜならリボーンは落下しながらツナの攻撃を全て躱していたのだから。
(嘘……ツナさんの動きが見えてるの……!?)
佐天はリボーンがツナの攻撃を躱していることに驚きを隠せないでいた。
「はぁ!」
「焦りで攻撃に隙が生まれてるぞ」
ツナがリボーンに拳を繰り出す。リボーンは空中で上半身を反らして躱す。そしてツナの服の袖を右手で掴み、ツナの腕に乗る。リボーンはツナの腕を橋の代わりにしてツナの顔面に向かう。
「がはっ!?」
リボーンはツナの頬に拳を叩き込む。そしてさらにツナの頭の上に乗り、かかと落としを喰らわせた。ツナは地面に叩きつけられる。
「ゲッホ! ゲッホ!」
(あのツナさんがここまでやられるなんて……)
ツナは片膝をついて咳き込みながらもなんとか立ち上がる。一方で佐天は信じられないでいた。
「学園都市に行ってから修行してねぇから腕が落ちたと思ってたがまた強くなったようだな。だが、俺にまともに一撃与えることができるまでには、まだまだかかりそうだな」
(まだまだって……じゃあツナさんは今までリボーン君にダメージを与えたことがないってこと……!?)
そして佐天は理解する。自分はとんでもない逸材の生徒になったということを。
「んじゃ。スパーリングの続き……ぞよ……」
「ぞよ?」
リボーンの語尾が変なことに気づき、佐天は違和感を覚える。
「zzz……」
「寝てる!?」
リボーンは目を開けたまま、鼻ちょうちんを作りながら眠ってしまっていた。
(本当にリボーン君って凄いのかな……?)
さっきまで凄いと思っていたが、眠ってしまっているリボーンの姿を見て、本当に自分は強くなれるのだろうか不安になってしまっていた。
佐天が修行すると思ってた方。申し訳ありません。正直、佐天の修行が順調に行き過ぎると話が早く終わってしまいそうなんです。それに佐天にはリボーンの強さを知ってもらいたかったにで。これから紆余曲折していくと思いますがよろしくお願いいたします。
高評価を下さったゴードンさん。ありがとうございます!
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