獄寺が倒れてしまうというハプニングはあったが歓迎会は無事、終了する。
そして時は一気に過ぎ、次の日の朝。並盛山。
「佐天? 大丈夫?」
「完璧に治るとはまでは言いませんけど、昨日よりは大丈夫です。動けます」
ツナが佐天の体の状態を尋ねると佐天は大丈夫だと答える。昨日の休養とリボーンが指示した筋肉痛を早く治す方法を実践したことによって佐天の体は良くなっていた。
「そんじゃ。始めるか」
リボーンは死ぬ気丸の入った瓶を佐天に向かって投げる。佐天は瓶をキャッチすると死ぬ気丸を1錠取り出して飲み込んだ。
「あれ?」
死ぬ気丸を飲んで死ぬ気モードとなった佐天であったが、死ぬ気モードになった瞬間あることに気づいた。
「きつくない……」
初めて死ぬ気モードになった時よりも体への負担が無くなっていたのである。勿論、全く負担が無くなった訳ではない。だが明らかに前よりも体にかかる負担が軽減されているのだ。
「修行の成果だな。前よりも体力がついたことで体への負担が軽減されたんだ」
「す、凄い……たった1日修行しただけなのに……」
「それぐらいお前が真剣に修行に取り組んだってことだ。誇っていいぞ」
「リボーン君……」
「まぁ一番、凄いのはお前とこの修行をやらせた俺だけどな」
「結局、お前の自慢かよ!」
せっかくいい雰囲気だったのにも関わらず、最後の最後で自分の自慢をしていい雰囲気を台無しにするリボーンにツナはツッコミをいれる。
(前よりも登るのが楽だ……)
佐天は崖を登りながら前よりも崖を登るのが楽になっているということを自覚する。
「前よりも登るペースが上がってんな」
「ああ」
リボーンと
(いける! この調子なら!)
佐天は崖を登りながら今の自分ならこの崖を登り切ることができると確信する。
「へっ……!?」
順調に崖を登っていく佐天。しかしここで額に灯っていた死ぬ気の炎が消え、死ぬ気モードが解けてしまう。
(力が抜けて……)
死ぬ気モードが解けたということを自覚した瞬間、力が抜けて右手で掴んでいた岩が崩れて崖から落ちてしまう。
「大丈夫か? 佐天?」
「は、はい……」
佐天が落ちたのを見た瞬間、即座にツナは炎を逆噴射させて一瞬にして移動して佐天をキャッチすると、そのままゆっくりと下まで降ろしていく。
「登り切る前に死ぬ気モードが解けたか」
「どういうこと?」
「今のお前じゃあ死ぬ気モードは5分しかもたねぇんだ」
「え!? じゃあこの崖を5分で登らないといけないの!?」
「そう焦んな。今までは死ぬ気モードが切れる前に落ちてたのが死ぬ気モードが切れるまで崖にしがみついていられるようになったんだ。それに登るペースは上がってる。死ぬ気でやりゃこの崖を登るきるまでそこまでの時間はかかんねぇはずだぞ」
「じゃあ……」
「ああ。お前は確実に成長してるぞ」
リボーンが口元を緩ませながらそう言うと、佐天は嬉しそうな顔をしていた。今まで頑張っても頑張っても能力を開花することができず、成長が止まっていたと思っていた。だが今はあの頃と違い、確実に成長にしている。佐天にとってこれ程、嬉しいことはなかった。
「そんじゃ修行の続きだぞ」
「うんっ!」
成長したとわかった佐天はここからさらにやる気を見せる。だがこの崖を登ることは容易ではなかった。それでも着実に登るペースは上がっていた。
「はぁ……はぁ……」
「次がラストだな」
時刻の夕方を回っていた。一昨日よりも体の負担と疲労は軽減されているものの、それでもかなり疲労が佐天の体に蓄積されていた。リボーンは佐天の顔色から次で今日の修行を最後にすることを決意する。
「はぁ……はぁ……」
死ぬ気モードになって崖を登る佐天。疲労が蓄積されている為、最初よりも登るペースは遅くなっていた。
「あっ!」
ここでまた死ぬ気モードが解けてしまう。死ぬ気モードが解けてしまったことで佐天の力が元の状態に戻ってしまう。
(死ぬ気モードが解けた……もうダメだ……)
佐天は死ぬ気モードが解けたことによってこれ以上は登りきれないと諦めかけてしまう。
その時だった
『死ぬ気でやりゃこの崖を登るきるまでそこまでの時間はかかんねぇはずだぞ』
(死ぬ気で……)
ここで今日、リボーンが言ったあの言葉が思い浮かんだ。
(そうだ……死ぬ気モードが切れたからって登れなくなった訳じゃない……死ぬ気でやれば私だって……)
諦めかけた佐天であったが、ここから自力で登ることを決意する。
「死ぬ気モードが切れたのに……」
「それでいいぞ佐天」
死ぬ気モードが解けてもなお諦めず崖を登る佐天にツナは驚きを隠せないでいた。リボーンは口元を緩ませていた。
佐天は死ぬ気モードが切れてからも少しずつ崖を登って行く。
「わっ!」
佐天は足を滑らせてしまい右手だけが崖に置かれている状態になってしまう。
(そうだ……ツナさんだってあそこまでの強さを手に入れるまでにすっごい修行したんだ……私だって!)
絶体絶命のピンチの佐天であったが、まず左手を置く場所を見つけ、その後に両足を置く場所を見つけて再び崖を登り始める。
死ぬ気モードが解けてから15分。
「後、ちょっと……」
佐天は崖を登るきるまで後、数メートルの地点まで辿り着いていた。
そして
「つ、着いた!」
佐天はついに崖を登り切ることに成功する。崖を登り終えると佐天は地面に大の字になって倒れる。
「あの状態から……」
死ぬ気モードが解けた状態から登り切ったことにツナは驚きを隠せないでいた。リボーンは口元を緩ませていた。
「これで修行の第2段階は終了だぞ」
次回は新キャラ出しまーす。
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