「ここです。入って下さい」
「お、お邪魔しまーす……」
佐天が扉を開けて、先にツナが入るように促す。ツナはおそるおそるアパートの中に入る。
「本当に一人暮らししてるんだね」
「学園都市の人口の8割が学生ですから。ほとんどの人が一人暮らしかルームシェアしてるんですよ」
「そうなんだ」
ツナは家の中に誰もいないことから本当に佐天が一人暮らしをしているということを知る。
「適当に座ってて下さい。今、お茶用意してきます」
「あ。ありがとう」
佐天はそう言うとお茶を用意する為に台所へと向かう。
(ど、どうしよう!! ///勢いで言っちゃったけど、これから男の人とルームシェア!! ///それも初恋の人と!? ///)
台所に向かった佐天。今まで平然な態度を装っていたがツナが近くにいなくなった途端、緊張の糸が切れる。ツナを家に招いたまではよかったものの、いきなり初恋の相手とルームシェアとすると考えた瞬間、佐天は顔を真っ赤にし、心臓の鼓動が速くなっていることに気づいていた。佐天は再び、息を整えるとコップにお茶を注ぐと、
「どうぞ」
「ありがとう」
佐天は机の上にお茶の入ったコップを置く。ツナはお茶を淹れてくれたことにお礼を言う。
「それにしても本当にありがとう佐天。見ず知らずの俺の為にここまでしてくれて」
「い、いえ! さっきも言った通り、助けてくれたお礼ですから! それに……」
「それに?」
「急に全く知らない世界に来て、誰も知ってる人がいないから寂しいんじゃないかと思って……」
「佐天……」
佐天が自分のことをここまで考えてくれたとは思ってもみなかったので、ツナは感動していた。
「ありがとう佐天。でも大丈夫だよ。俺は一人じゃないよ。コイツもいるから」
「わっ!」
そう言うとツナはボンゴレギアに炎を灯すとボンゴレギアが輝き始める。佐天はあまりの眩しさに目を瞑ってしまう。
「ガウ♪」
「え!?」
手に装着していたリングが光ったと思ったら、急に可愛いらしい動物が出てきたことに佐天は驚きの声を上げる。
「俺の相棒のナッツだよ」
「ガウ!」
「い、一体どこから……!?」
「このリングからだよ」
「ええ!? いくら何でもそんなところに入るわけ……!?」
「俺も詳しい原理はわからないんだよねー。未来の技術だしね」
「み、未来って……じゃあ本当に……!?」
「ガウ~♪」
「わっ!」
佐天がナッツがリングから出て来たことに驚きを隠せないでいると、ナッツは正座している佐天の太ももの上に乗る。
「佐天のこと気に入ったみたいだね」
「あ、あの……どうしたら……?」
「時間が経ったらリングに戻るから。それとナッツは頭を撫でたら喜ぶよ」
「い、いいんですか?」
「うん」
そう言うと佐天はおそるおそるナッツの頭を撫でる。
「ガウ♪」
「か、可愛い……」
撫でられて幸せそうな
「そういえば佐天ってどんな能力が使えるの?」
「え?」
「いや。なんか気になってさ。美琴は電気使ってたし、黒子は急に現れたりしてからさ。佐天はどんな能力が使えるのかなって思ってさ」
「使えないんです……」
「え?」
「私は能力が使えないんです……」
「ご、ごめん……そんなつもりじゃ……」
「き、気にしないで下さい! もう割り切ってるんです! 私にはツナさんたちと違って才能がないんだって!」
佐天の表情が暗くなったのを見て、ツナは後悔してしまう。ツナに悪気があって聞いたわけではないのに、雰囲気を悪くしてしまった為、佐天は気にしないでいいと告げる。
「それは違うよ佐天」
「え!?」
「俺は佐天が思っているような凄い人間じゃないよ」
ツナは佐天の言葉を否定する。ツナの言っていることがわからず佐天はキョトンとしていた。
「俺は勉強も運動も何もできなくて、みんなからダメツナって言われててさ。中学に入るまで友達なんて誰もいなかったんだ」
「え!?」
「でもリボーンと出会って変わったんだ」
「リボーンって……沢田さんの家庭教師の……?」
「うん。あいつは色々と大切なことを俺に教えてくれたんだ。今の俺があるのはあいつのお陰。あいつがいなかったら今も友達はいなかったよ」
ツナの脳裏にはリボーンと出会ったからあった出来事が浮かんでいた。
「だから大丈夫だよ。佐天は一人じゃない。能力が使えるようになりたいなら俺も協力するからさ」
「沢田さん……」
協力してくれると言ってくれたことに佐天は感動する。
「でも沢田さんの力って能力じゃないですよね? どうやって協力するんですか?」
「あ……」
佐天の言葉でツナは気づいてしまう。ツナの死ぬ気の炎は能力ではない為、協力すると言っても何もできないことをは明らかであった。
「そもそも能力の知識がないのにどうやって協力するっていうんですか?」
「い、いや……それは……」
佐天に論破されて嫌な汗をかくツナ。ツナは何か言おうとするが口をパクパクさせるだけで何も言うことができなかった。
「でもありがとうございます
「え……!? 名前……!?」
「ツナさんの方が呼びやすいんで。ダメですか?」
「い、いや……別にいいけど……」
「とりあえず晩御飯の準備しますね!」
そう言うと佐天はナッツを机の上にさせると、台所に移動させた。
(協力するか……そんなこと言ってくれる人、初めてだな。やっぱりツナさんって優しいな)
これで増々、ツナのことが好きになる佐天だった。
次こそ黒子とツナが戦う話をやります。
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