とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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今回はシリアスです。


標的(ターゲット)71 愛

 

 

 

 

D(デイモン)・スペード。初代ボンゴレファミリーの守護者の一人だった男だ」

 

「前に獄寺さんも言ってたけど守護者って何?」

 

「ボンゴレにはボスを護る6人の人物がいるんです。嵐の守護者、雨の守護者、雷の守護者、晴の守護者、雲の守護者、霧の守護者。そしてボスである大空という風に」

 

「それって死ぬ気の炎と同じ……」

 

「はい。死ぬ気の炎の属性はボンゴレの守護者からきているんです」

 

「そうだったんだ……」

 

 バジルはボンゴレの守護者について説明する。佐天はバジルの説明でボンゴレ守護者のことについて理解する。

 

D(デイモン)は元々、貴族だった。だがD(デイモン)は堕落した貴族を嫌っていた。たとえ地位がなくとも優秀な人物こそ社会の中心に立つべきだと考えていたんだ」

 

 リボーンはボンゴレをマフィアにした男、D(デイモン)・スペードのことについて語る。

 

「そんなD(デイモン)の考えに公爵の娘であるエレナは賛同した。そこの写真に写っている女性がエレナだぞ」

 

「この人が……」

 

 佐天は再び写真に写っていた写真を見る。そしてD(デイモン)・スペードの横にいる女性がエレナだということを理解する。

 

D(デイモン)は愛するエレナの勧めでボンゴレファミリーに入った。そしてD(デイモン)もボンゴレファミリーの一員となり民衆を護る為に戦った。そんなボンゴレの一員であることにD(デイモン)は誇りを持っていた。そんなD(デイモン)をエレナも愛していた」

 

「じゃあどうして……」

 

「初代とD(デイモン)が対立が起きたんだ。初代はボンゴレがこのまま戦いを続ければは独裁者になってしまうと考え、戦力を減らす案を提案した。D(デイモン)は初代の案に反対した。勝ち続けることがボンゴレの存在価値であるとな。最終的にボンゴレは戦力を減らすことになった。だがこの選択がボンゴレをマフィアになるきっかけを生んだんだ」

 

「どういうこと?」

 

「戦力を減らしたことで隙が生まれ敵対勢力に襲撃を受けた。この時にエレナは命を落としたんだ」

 

「え……!?」

 

 エレナが命を落としたと知って、佐天は驚きのあまり衝撃を受けていた。

 

「エレナは死ぬ前にD(デイモン)に告げた。これからも弱き者の為に、ボンゴレの為に力を振るってくれってってな。だがD(デイモン)はエレナの言葉をはき違えちまった。名を聞いただけで震え上がる程のボンゴレを創ることをな」

 

「そ、そんな……」

 

「ここからD(デイモン)の暴走が始まった。ボンゴレを強くする為にボンゴレを弱くする恐れがある者たちを次々に殺していった。さらに奴は自分から肉体を捨てて他人に憑依することによって生き続けた。ボンゴレを強くする為にな」

 

「ひょ、憑依って……!? そんなことが……!?」

 

 佐天は信じられないでいた。人間が憑依し生きることができるという事実に。

 

「そして軟弱な思想を持つツナを殺す為に幻術で家光に成り済まして炎真の家族を皆殺しにした。ツナに憎しみを向けさせる為にな」

 

「ひ、酷い……」

 

 D(デイモン)のあまりの所業と炎真の悲惨過ぎる過去に衝撃を受けてしまっていた。

 

「最終的にボンゴレはD(デイモン)の思惑通り裏社会最強の組織になった。最強になったことで無駄な争いは無くなり、無駄な血が流れること無くなった」

 

「でも……その為に多くの人を殺して……そんなの間違ってるよ……」

 

「その通りだ。ボンゴレを最強にする為に幾人もの人が犠牲になった。だが今のボンゴレが生まれたのは愛する者を想う気持ちから生まれた。それだけは紛れもない事実だ」

 

「「「……」」」

 

 リボーンの言葉にツナたちは何も言えず、黙ってしまっていた。

 

「愛があるから憎しみが存在する。そして憎しみによって戦いが生まれ、戦いが起きる度に憎しみは増え、また戦いが起きる。負の連鎖ってやつだ。これはマフィア界だけじゃねぇ。かつての日本や今の世界にも言えることだ」

 

 日本は今でこそ戦争が無くなり平和となった。だがその平和の為に多く人たちが犠牲となった。そして世界では今まだに戦争をしている国はたくさん存在する。

 

「初代はボンゴレが勢力を拡大すれば憎しみによって多くの人間が死ぬことを予見していたんだろうな。だから平和路線に切り替えることを決意した。だがその考えによって憎しみが生まれ、初代の思い描くボンゴレは無くなっちまった」

 

「あんまりだよ……初代はただ自分たちの街を護りたかっただけなのに……」

 

「誰かを護る為に人を傷つける。そこでどうしても憎しみが生まれちまう。たとえD(デイモン)が暴走しなくてもD(デイモン)のような奴が現れ、結局ボンゴレは今のようなマフィアになっていたのかもしれねぇな」

 

(未来のツナさんが殺されたって聞いた時……私は頭が真っ白になった……もし本当にツナさんが殺されたら私も……)

 

 愛する者を想う気持ちと聞いて佐天はツナがもし殺されたら、自分もD(デイモン)のようになるのではないかと思うのであった。

 

 

 

 

 




今回の話はボンゴレが自警団だったということを佐天に知って貰いたくて書きました。そしてNARUTOを見てたからこそこんな話になりました。

NARUTOは愛とは、憎しみとは、平和とは何か教えてくれた作品です。NARUTO見て愛と憎しみは表裏一体だということを知りました。長門は忍の世界は憎しみ支配されてるって言ってましたけど、それって僕たちの世界にも言えることなんじゃないかって思ったり、たとえ戦争がなくてもいじめや差別がある世界を平和と呼べるのか?など色々と考えさせてくれた作品でもあります。


NARUTOを読んだことのない人は是非、読んで欲しいです。



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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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