「正直、沢田さんが来てくれて助かりましたわ」
「そうですね白井さん」
「え? 何かあったの?」
ツナは黒子と初春の会話から今、学園都市で何かが起こっているということを察する。
「前に白蘭さんが仰っていた、テレスティーナという方を覚えていますか?」
「確か……能力体結晶を作った人だっけ?」
「ええ。白蘭さんのお陰で彼女を逮捕することができましたの。その後、
「厄介な物?」
「ええ。キャパシティダウンという物でして」
「キャパシティダウン?」
キャパシティダウンという聞いたことのない単語にツナは首を傾げ、疑問符を浮かべる。
「私たちも見たことはないのですが、能力者の演算を阻害する音波で能力者を無力化するという物なんです」
「用するに能力者が能力を使えなくなっちゃうってこと?」
「はい。どうやらテレスティーナは逮捕される前からこれを
初春は事件の概要を説明する。
「現在、
「それは厄介だね」
「そこで沢田さんの力をお借りしたいのです。沢田さんの力はこの事件を解決に大いに役立つと思いますので」
「俺の力が?」
「沢田さんの死ぬ気の炎は能力ではない為、キャパシティダウンでも無力化されることはありませんの。それに
「成る程……」
黒子はツナの力がこの事件を解決できる理由を話す。ツナは自分の力がこの事件を解決する上で重要になってなるのだということを理解する。
「わかったよ」
「本当に申し訳ありませんの沢田さん。本来であれば沢田さんには元の世界に帰る方法が見つかり次第、戻ってもらう予定だったのですが……このようなことを頼んでしまって」
「謝らなくて大丈夫だよ黒子。俺は全然、大丈夫だから。それにこうなったのは黒子のせいじゃなくてリボーンのせいだしさ。それに俺の力が必要ならいつでも言ってよ。友達なんだからさ」
「沢田さん……ありがとうございますの」
このような事態になったのにも関わらず、文句の一つも言わないツナに黒子はお礼を言った。
その時だった
「白井さん! 通報です! 路地裏で常盤台中学の生徒が襲われているそうです!」
「さっそく来ましたわね……おそらく例の事件ですわね」
初春の言葉を聞いて黒子はキャパシティダウン絡みの事件であると確信していた。常盤台中学の生徒は全員がレベル3以上の能力者である為、今回の事件と関係があると黒子は確信したのである。
「さっそくで申し訳ありませんが、お願いしますの沢田さん!」
「うんっ!」
ツナは通報を聞くとさっそく通報があった場所まで向かって行く。
ツナが通報場所に向かっているその頃。通報があった場所では。
(な、何なのこの奇妙力満載の音は……!? 演算できないっ……!?)
蜂蜜色の髪に常盤台の制服を着た少女が両膝をつき、両手で頭を抑え苦しんでいた。苦しんでいたのは学園都市最高の精神系能力者、食蜂操折である。操折の前に一人の男が立ち、辺りには奇妙な音が響いていた。
「この時をどんなに待ちわびたことか……俺は俺たちの組織を壊滅させる原因となったお前に復讐することばかり生きてきたんだ」
「まさか……まだ残党がいただなんてね……うっ!?」
「裁きの時だ。食蜂操折。前と違って俺たちを壊滅させたあの忌々しい少年もいない。じっくりといたぶってやる」
男は持っていた鉄パイプを操折に向かって振り下ろす。操折は何もできずその場で、目を瞑ることしかできなかった。
「え……!?」
だが操折に痛みはなかった。操折が恐る恐る目を開けるとそこには、鉄パイプをボンゴレギアで受け止め操折を護っているツナがいたのだから。
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