キャパシティダウンによって無力化され、絶対絶命のピンチに陥っていた操折を救ったツナ。
「
「き、貴様……!? なぜ……!?」
キャパシティダウンを使っているのにも関わらず、能力が無力化されていないことに男は動揺を隠せないでいた。ツナの死ぬ気の炎は能力ではない為、キャパシティダウンで無力化されない。仮に能力だったとしてもツナの大空の炎の特徴、調和によって無力化される為、どのみちキャパシティダウンは効かない。
(この男は明らかに
男はその場から飛び引いてツナから距離を取った。だがここからどうすればいいのかわからないでいた。
「大丈夫……お前は……!?」
「あ、あなたは……!?」
ツナは操折の方を向き、しゃがみ込む。ツナは襲われているのが操折だと知って驚きを隠せないでいた。一方で操折も助けに来たのがツナだと知って驚きを隠せないでいた。
「大丈夫か操折?」
「この奇妙力満載の音のせいで……演算が……」
「やっぱりか……」
さっきから発生している奇妙な音のせいで操折が能力を使えないということをツナは確信する。ツナが操折を向いている間にツナの背後から男がツナに向かっておもいっきり鉄パイプを振り下ろす。
「っ!?」
ツナは振り返ることなく左手の鉄パイプを受け止めるとそのまま鉄パイプを曲げる。男は動揺を隠せず鉄パイプから手を離して再び距離を取った。
「じっとしてろ」
「へっ……!? な、何を……!?」
ツナは右手の人差し指に炎を灯すと操折の額に人差し指を近付けて行く。操折はいきなりツナが炎を近付けて来た為、動揺を隠せないでいた。避けようとしたくともキャパシティダウンの影響で動けない為、操折は目を瞑ってしまう。
「え……!?」
だが操折は熱さを全く感じることはなかった。それどころかとても温かく心が落ち着いていた。
さらに
「演算が……できる……!?」
「何!?」
演算ができるようになっていた。演算ができるようになったことに操折と男は驚きを隠せないでいた。
「ば、馬鹿な……なぜ……!?」
「俺の炎は調和。調和とは綻びのない状態。つまり俺の炎でキャパシティダウンの効果を無力化しただけだ」
「調和による……無力化だと……!?」
(無力化って……まるであの人と同じ……)
ツナは男の方を振り返りそう言った。ツナの炎の特徴を聞いて、男は衝撃を受けていた。操折は驚くと同時に脳裏にある人物の姿が浮かんでいた。
(そうか……だから私の操作力が……)
同時に操折は理解する。前に自分の能力を操ろうとした際にツナを操ることができなかった原因を。
「おのれ……!! これでは前と同じではないか……!!」
「前と同じ?」
「こいつは私を前に襲ってきたデッドロックっていう組織の残党よぉ」
「デッドロック?」
「何かしらの理由で能力開発で頭打ちにされた学生たちの中で
「?」
操折はこの男の詳細について語る。だが操折は少しだけ浮かない
「俺はずっとお前に復讐することだけを考えて来た……だが
男は操折に復讐する経緯を拳を強く握り、怒りに満ちた
「なのに……なのに……一度ならずも二度までも邪魔が……!!」
「ただの逆恨みだろ」
「黙れ! 貴様に何がわかる! その女は……」
「学園都市第5位の能力者にして学園都市最高の精神能力者。だろ?」
「え……!?」
操折は前にツナを操ろうとしたことはあったが、能力の詳細まではしていない。にも関わらずツナが自分の能力のことを知っていることに驚きを隠せないでいた。
「そうだ! たとえそこでそいつを助けたとしてもお前も操られ利用されるだけだ! お前だけじゃない! お前の大切な者までもな!」
「さっきも言ったはずだ。俺の炎は調和。操折の能力は俺には効かないし、俺の力で解除できる」
「ぐっ!」
ツナの言葉に男は何も反論できなくなってしまう。余程、頭に血が登っていたのかツナが先程、言っていたことすら忘れていた。
「俺は操折のことよく知ってる訳じゃない。もしかしたら操折が酷い人間なのかもしれない」
「そうだ! だったらその女を見捨て俺と一緒に……」
「だったとしてもだ。俺は今にも襲われそうな女の子を護る側に立てればこっちはそれで本望だ」
「え……!?」
『今にも泣き出しそうな女の子を護る側に立てりゃあ、こっちはそれで本望なんだよ』
ツナの言葉を聞いた瞬間、操折は目を見開いて驚いていた。なぜなら目の前の男が所属していた組織に襲われた時に、自分を助けてくれた青年と同じような言葉をツナが言ったからである。そして操折の中でツナの姿と助けてくれ青年の面影が重なる。
「大人しく降伏しろ。そうすれば手荒な真似はしない」
「黙れぇえええ! そこをどけぇえええええ!」
男は走ってツナに向かい、ツナに向かって拳を繰り出す。だがツナは攻撃を躱し、首元に手刀を叩き込み男を気絶させる。男は地面にうつ伏せになって倒れた。
「後は……」
「
「そうか」
「大丈夫、操折? 怪我とかしてない?」
「大丈夫よぉ。あなたの助っ人力のお陰でねぇ」
「よかった……」
(それにしてもさっきと全然、雰囲気力が違うのはどういうわけぇ……? もしかして多重人格……?)
操折が無事だと知ってツナは安堵する。操折はノーマル状態のツナと
(それに能力といい、髪型といい、さっきの発言といい。あの人と似すぎじゃないのぉ……)
操折はツナが前に助けてくれた青年とそっくりだということにも驚いていた。
「もしあの時、助けてくれたのがあの人じゃなくてあなただったら私はあなたに恋してたのかしらぁ?」
「え? 何か言った?」
「何でもないわぁ」
操折はボソッと呟いた。ツナは操折の言葉が聞き取れず聞き返したが、操折は何でもないと言って誤魔化した。
「それにしてもどうして私の能力を知ってるわけぇ?」
「え? 美琴から聞いたんだけど」
「成る程ねぇ」
美琴から自分の能力の詳細を聞いたと知って、操折は納得する。
「私の能力を知ってるってことはあの時、あなたに何しようとしたかわかってるんでしょぉ?」
「うん。知ってるよ。俺を操ろうとしたんでしょ」
「そうよぉ。御坂さんを悔しがる顔が見たくてねぇ」
「どういうこと?」
「御坂さん。あなたに全然、歯が立たなかったじゃなーい。だから私があなたを一発で操ったって御坂さんが知ったら悔しがると思ってぇー」
「そんな理由で俺を操ろうとしてたの!?」
自分を操ろうとした理由がそんな理由だとは思ってもみなかった為、ツナは驚きの声を上げる。
「まぁいいか……」
「責めないのぉ?」
「俺を操って誰かを傷つけるようなことをしようとしたわけじゃないし。それに操折は悪い感じがしないし」
「あなた相当、変わってるんだゾ☆」
「え? そうかな?」
自分の目的の為に他者を操ってきた骸は人を操り、その人がどうなろうと何も思わない骸と比べて操折は安全な人物だということをツナは超直感で感じとっていた。
「まぁいいわぁ。あなたは特別に
「見る? 何を?」
「気にしなくていいんだゾ☆」
「?」
ツナは操折が言っていることがわからず疑問符を浮かべる。
「あ。最後に一つ聞きたいんだけどぉ。いいかしらぁ?」
「いいけど……何?」
「あなたって歳いくつ?」
「え? 15……高1だけど……」
(まさか年齢まで一緒なんてぇ……どんだけ似てるのよぉ……)
またまた共通点を見つけたことで操折は驚きを隠せないでいた。
「わかったわぁ。それじゃあ私はこの辺で失礼するわぁ」
「え!?」
年齢を聞いた後に突然、帰ってしまった為、ツナは驚きを隠せないでいた。
「相変わらず変わった人だな……」
ぶっちゃけますが僕は新約の4巻までしか読んでません。にも関わらず新約の11巻は読んでるんです。当初は操折がキャパシティダウンで能力が使えない所をツナが助けてという展開にして操折をツナのヒロインに入れようと思っていました。それで操折のことをネットで調べるとインデックスと出会う前に当麻にフラグが建っていることを知ったんです。だから先に新約の11巻を読んで何があったか知りたくて読んだんです。これじゃどう足掻いても操折にフラグを立てることはできないと知ったので、今回のような形にしました。
次回はとあるキャラから新キャラを出そうと思いまーす。
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