とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)77 再来

 

「ちょっ! ちょっと待て! 俺の記憶喪失を治す!?」

 

「うん」

 

「それは無理だ! 俺は今、脳細胞が焼き切れて今までの思い出が消去されてるんだ! これは絶対に治らないってお医者さんが!」

 

「勿論、絶対に治る訳じゃないよ。それでも治る可能性はあるよ」

 

「な、何でそんなことが言えるんだよ……?」

 

 自分の話を聞いてもなお、ツナが大丈夫だと言い切れる理由が当麻にはわからなかった。

 

「俺の知り合いに平行世界(パラレルワールド)の知識を共有できる奴がいるんだ」

 

「え、えっと……平行世界(パラレルワールド)って何……? 聞いたことはあるんだけどよ……」

 

「簡単に言うともしもの数だけ世界があるってことだよ。例えば今、当麻は記憶喪失になってるけど、記憶喪失にならなかった世界、そもそも記憶喪失になった事件がなかった世界とか」

 

「な、成る程……」

 

「だからそのもしもの世界の中に当麻の記憶が戻った世界だってあると思うんだ」

 

「嘘だろ……そんなことができる奴がいんのかよ……もしかしてそいつ魔術師か?」

 

「魔術師?」

 

「い、いや……気にしないでくれ……」

 

「?」

 

 魔術師という聞いたことのない単語にツナは疑問符を浮かべる。当麻は慌てて気にしないでくれと言うが、ツナはまた疑問符を浮かべる。

 

「ていっても連絡先は知らないから一旦、戻ってリボーンに……」

 

「僕ならいるよー綱吉君♪」

 

「白蘭!?」

 

「うぉっ!? 飛んでる!? ていうか翼が生えてる!?」

 

 白蘭に連絡しようとした矢先、窓の外から声が聞こえた。窓の外を見るとそこには空中で胡座を掻いて、マシュマロを食べている白蘭がいた。ツナは呼んでもいないのに白蘭いること、当麻は白蘭の存在そのものに驚きを隠せないでいた。

 

「白蘭! お前何でこっちの世界にいるんだよ!?」

 

「いやー。暇だから学園都市に来たんだよ。それで散歩してたら綱吉君の姿が見えたからさー」

 

「散歩って、完全に飛んでんじゃん!」

 

 空を飛ぶことを散歩と言い切る白蘭にツナはツッコミをいれる。白蘭はそう言うと窓の外から当麻の病室に入った。

 

「なぁ……こっちの世界って何だ……?」

 

「僕たちこの世界の人間じゃないんだ♪ 僕たちは異世界から来た人間なんだ♪」

 

「はぁ!? 異世界!?」

 

 先程と同じテンションで自分たちが異世界の人間だということをカミングアウトすふ白蘭。白蘭がさらっと、とんでもないことをカミングアウトした為、当麻は驚きの声を上げる。

 

「えっと……記憶が無くなる前の当麻には一応、話したんだけど……」

 

 ツナは当麻に自分たちが異世界から来た人間だということを一から丁寧に説明する。そして白蘭が平行世界(パラレルワールド)の知識を共有できる人物だということも説明する。

 

「マジか……というかよく記憶喪失前の俺はよく信じたな……そんな話……」

 

 当麻はツナたちが異世界の人間だということにも驚いていたが、記憶の無くなる前の自分が異世界の人物の存在を信じていたことに一番驚きを隠せないでいた。

 

「という訳でまたお前の力を借りたいんだけどいい? あんまり無闇に能力を使わせて悪いんだけどさ……」

 

 ツナは未来のユニが言っていたことを思い出す。未来の白蘭が能力が枯渇して、調べられる事象が減少していることを。

 

「それなら問題ないよ。ユニちゃんのお陰か、調子がいいんだ」

 

「そうなの?」

 

「うん。まぁ未来の僕は(トゥリニセッテ)を手に入れる為に能力を使い過ぎた部分もあるし。とにかく今は大丈夫だよ」

 

「そっか……」

 

(何、言ってるか全然わかんねぇ……)

 

 当麻はツナと白蘭が言っていることがわからずついていけていない状況になっていた。

 

「それと今回の治療の報酬として後で初春君と美琴君の連絡先、教えてね綱吉君」

 

「え? いいけど……どうして?」

 

「初春君とは一緒にスイーツ巡りしたいし、美琴君とは戦いたいからさ」

 

「黒子が言ってたこと完全に忘れてるよなお前!」

 

 前に学園都市の風紀を乱すような真似をしたら容赦はしないと言われていたのにも関わらず、美琴と戦おうとする白蘭にツナはツッコミをいれる。

 

「それじゃあとっとと終わらせる……よっと!」

 

「グフッ!」

 

「なっ!?」

 

 白蘭は当麻の腹部に拳を叩き込むと当麻を気絶させた。ツナは白蘭がいきなり当麻を気絶させたことに驚きを隠せないでいた。

 

「な、何やってんだよ白蘭!」

 

「麻酔撃つよりこっちの方が早いし、いいかなって思って♪」

 

「ここ病院だから!」

 

「大丈夫だって♪ 加減したから♪」

 

(丸くなったとはいえ……相変わらず滅茶苦茶だこいつ……)

 

 未来の白蘭と違って今の白蘭は変わったが、滅茶苦茶な部分は変わっていないことをツナは改めて自覚したのだった。

 

 ちなみに当麻の記憶は元に戻ったとさ。

 

 

 




なんか思ったよりコミカルな展開になってしまった…なんかすいません…

高評価を下さったFeYA_toneseedさん。ありがとうございます!


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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