とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)78 白蘭vs超電磁砲(御坂美琴)

 

 白蘭の治療によって記憶喪失を回復した当麻。

 

「痛ぇ……」

 

「ごめんね当麻……滅茶苦茶な奴で……」

 

「沢田が謝んなくたっていいよ。それにあいつのことを恨んじゃいねぇよ。記憶喪失を治してくれたんだからよ」

 

 腹部を両手で抑えている当麻を見ながらツナは謝る。当麻は平気だと答える。

 

「それと白蘭の話だと当麻は記憶喪失になる以前から脳の構造が変わってたらしいよ」

 

「脳の構造?」

 

「うん。何でそうなってるのかはわからないって言ってたけど、それも治しておいたって白蘭は言ってたよ」

 

「そうか……でも何で脳の構造が……?」

 

 記憶喪失になる前から脳の構造が変わっていると言われて、当麻はなぜ自分の脳がそんなことになっているのかわからないでいた。

 

「ま。考えても仕方ねぇ。それよりあいつはどこ行ったんだよ?」

 

「白蘭ならもう出て行ったよ。多分、美琴と戦いに行ってる……」

 

「ビリビリの所に!? 正気かよ!?」

 

 当麻は白蘭が美琴の所に戦いに行ったと知って、当麻は驚きの声を上げると同時に心配する。あの後、ツナは白蘭に初春と美琴の連絡先を教えた。白蘭は今まで滅茶苦茶な部分はあるが、よっぽどのことがない限り無害な人物である為、ツナは連絡先を教えたのである。

 

「ビリビリは超能力者(レベル5)! しかも学園都市第3位の能力者だぞ!」

 

「まぁ……白蘭は美琴より強いしそこは心配してないんだけど……」

 

「あいつ……そんなに強いの……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、その頃。

 

「暇だわ……」

 

 美琴はファミレスで天井を見据えながらそう呟いていた。黒子と初春は風紀委員(ジャッジメント)の仕事がある為、暇をもて余していた。

 その時だった

 

「非通知? 誰かしら?」

 

 美琴の携帯に電話がかかる。かかってきた相手は非通知であることに気づいたが、美琴は電話に出る。

 

「もしもし?」

 

『やっほー♪ 美琴君♪』

 

「あんたは……確か白蘭でいいんだっけ……?」

 

 美琴は電話の声からかけてきた相手が白蘭だということを理解する。

 

「というか何で私の連絡先知ってるわけ? まさか能力で……?」

 

『いやいや。綱吉君から美琴君の連絡先聞いて電話したんだよ』

 

「そう……それで? 私に何の用?」

 

『今、暇しててさ。戦わない?』

 

「唐突ね……まぁいいわ。私も暇してたし」

 

 初めての電話がバトルの誘いだということに若干、複雑な気持ちになってしまっていたが、実際暇だったので引き受けることにする。

 

「んじゃ第七学区の河原でいい……って場所がわかんないか……」

 

『大丈夫だよ。今、美琴君の目の前にいるし』

 

「へっ……!?」

 

 そう言われて美琴は窓の外を見た。そこには電話を片手に、笑顔で手を振っている白蘭がいた。

 

「近くにいるんなら電話せず直接、かけなさいよ! ていうか電話の意味!」

 

 電話を片手に白蘭に向かって美琴はツッコミをいれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第七学区の河原

 

「それじゃ始めよっか♪」

 

(ヘラヘラしてるけど全然、隙がない……流石は沢田の世界の仲間……)

 

 ニコニコしながらそう言う白蘭に対し、美琴は白蘭に全く隙がないことを理解していた。

 

(まずは……)

 

 美琴は磁力で周囲の砂鉄を操作して、自分の周囲に集めていく。

 

「へー。磁力で砂鉄を操ってるんだ。流石だね」

 

「お誉めに預かり光栄だわ。それより意外ね。私の能力の詳細はあんたの能力で全てわかってると思ってたんだけど」

 

「最初から攻略法を見てやるゲーム程、面白くないじゃないか。ゲームっていうのは何がどうなるかわからないから面白いんだよ」

 

「それに感しては私も同感……よっ!」

 

 美琴は砂鉄を操作して白蘭に向かって放つ。白蘭は掌から炎を放出して砂鉄を防ぐと砂鉄が全て消滅していく。白蘭もツナと同じく大空属性の炎を持っている。大空属性の調和によって砂鉄を消滅させたのである。

 

「喰らいなさい!」

 

 美琴は砂鉄で白蘭の視界を奪っている隙に上空から電撃を纏った足で踵落としを白蘭に喰らわせる。白蘭は右腕で美琴の蹴りを防ぐ。

 

「やるね♪」

 

「まだよ!」

 

「おっと♪」

 

 美琴は踵落としを喰らわせた体勢で、右手の掌から零距離で電撃を喰らわせる。白蘭はとっさにその場から引いて雷撃を回避する。

 

「このっ!」

 

 白蘭が飛び引いたと同時に美琴は全身から雷撃を放つ。電撃が地面を通って白蘭に向かっていく。白蘭はジャンプして美琴の雷撃を躱す。

 

(着地を狙う!)

 

 美琴は着地を狙って白蘭の着地地点に向かって走って行く。そして雷を纏った渾身の拳を白蘭に叩き込んだ。

 が、

 

「なっ……!?」

 

「♪」

 

 美琴は衝撃を隠せないでいた。なぜなら白蘭は美琴の込めるを右手の人差し指だけで止めていたのだから。一方で白蘭は相変わらずニコニコしながら美琴の拳を受け止めていた。

 

(う、動かない……!?)

 

 美琴は力は込めるが美琴の拳はこれ以上、先へ進むことはなかった。

 

「白指」

 

 白蘭がそう呟くと右手の人差し指から炎が放出され、美琴が吹っ飛ばされていく。美琴は2回程、地面をバウンドしながら吹っ飛ばされたが、なんとか体勢を整えた。

 

「ゲッホ! ゲッホ!」

 

 なんとか体勢を建て直したとはいえダメージは受けていた為、美琴は咳き込んでしまっていた。

 

「いくら手加減したっていっても思ったより威力が出なかったなー」

 

(う、嘘でしょ……これで手加減って……)

 

 白蘭は不満そうな表情(かお)をしながらそう呟いた。美琴は白蘭の今の攻撃が手加減されたものだということを知って衝撃を隠せないでいた。

 

「やっぱりGHOSTがいないとダメかー……」

 

(GHOSTって……まさか幽霊を召喚できるとか言うんじゃないんでしょうね……)

 

 美琴のGHOSTという単語を聞いて文字通り幽霊が出て来るのではないかと警戒する。普通の美琴あれば幽霊など非科学的なものを美琴は信じない。しかしツナたちの世界の技術は学園都市の技術すら越えてる部分がある為、その可能性が頭に残っているのである。ちなみに白蘭の言うGHOSTとは未来の白蘭が他の平行世界(パラレルワールド)から連れてきたもう一人の白蘭(自分)のことである。なぜGHOSTと呼ばれるのかというとGHOSTは死ぬ気の炎の塊であり、どんな攻撃をもすり抜けてしまう。故にGHOSTと呼ばれる。GHOSTは死ぬ気の炎を吸収し、吸収した死ぬ気の炎を白蘭(自分)と共有するこができる。未来の白蘭はGHOSTの死ぬ気の炎を吸収する力と共有する力を利用してとてつもない力を手に入れたのである。先程放った白指も未来の白蘭と今の白蘭ものとでも天と地程の差がある。

 

(何が超能力者(レベル5)と同等よ……明らかにそれ以上でしょ……こんなのが沢田以外にもいるってどうなってんのよ沢田の世界は……)

 

 リボーンは前に白蘭の実力が超能力者(レベル5)クラスだと言った。しかし明らかにそれ以上だということを美琴は先程の攻撃で理解する。リボーンは学園都市に超能力者(レベル5)以上のランクがない為、あえてそう言っただけであり、白蘭が超能力者(レベル5)以上の実力者だということは理解している。

 

「せっかくだし美琴君の本気がみたいなー。超電磁砲(レールガン)だっけ? 撃ってみてよ」

 

(撃ってみてですって……!?)

 

 自身の最高の技である超電磁砲(レールガン)を撃ってみろと言われて美琴は衝撃を受けると同時に前にツナが白蘭と同じことを言ってきたことを思い出す。

 

(いや……おそらく私の攻撃は通じない……だったら連射して……)

 

 だが以前とは違い自分の弱さを認めた美琴は冷静でいられていた。そして1発では通じないと予見して、連射することを決める。

 

「いいわ……望み通り撃ってあげるわ!」

 

 美琴はポケットの中からコインを1枚取り出すと、デコピンでコインを上に弾き飛ばす。

 

(まずは様子見……)

 

 闇雲にただ撃っても仕方がない為、白蘭がどう超電磁砲(レールガン)を対処するかどうかを美琴はこの一発で見極めることにする。そして美琴はコインを再びデコピンで弾く。能力の付与によってコインは音速の3倍以上のスピードで白蘭に向かっていく。

 

「白拍手」

 

「は……?」

 

 白蘭は拍手で美琴の放ったコインを粉砕する。正確に言うと掌に集中させた炎の圧力でコインを粉砕したのである。美琴はまさか拍手で超電磁砲(レールガン)を防がれるとは思ってもみなかった為、その場で固まってしまい、連射することを忘れてしまっていた。

 

「凄い威力だね。少し手が痺れちゃった♪」

 

(少し痺れたですって……!?)

 

 美琴の超電磁砲(レールガン)は車や高層ビルをも容易に破壊するだけの能力を持つ。それだけの威力の攻撃を受けて少し痺れた程度で済んでいることに美琴は驚きを隠せないでいた。

 

(いや! それよりもこいつはあれだけ速さのコインを粉砕した……つまり私の超電磁砲(レールガン)が見えていたってこと……!?)

 

 白蘭が超電磁砲(レールガン)を粉砕したことから美琴は白蘭には超電磁砲(レールガン)が見えていた……つまりツナと同様、躱すこともできたということを理解する。

 

「うん。これくらいなら全然問題ないね♪ 流石に今の僕じゃ綱吉君の全力は無理だろうけど」

 

(これくらいって……じゃあ沢田ってどれだけ強いのよ……!?)

 

 超電磁砲(レールガン)を拍手で余裕で粉砕するような奴ですら、ツナの全力を粉砕できないと言った。その言葉を聞いて美琴はツナの戦闘力の上限が全くわからないでいた。

 

「じゃあ準備運動も終わったし。そろそろ……」

 

「そろそろ……なんですの?」

 

「げっ! 黒子!」

 

「やっほー♪ 黒子君」

 

 タイミングのいいのか悪いのかここで黒子が現れる。黒子を見て美琴は嫌な顔をするのに対し、白蘭はニコニコしながら手を振っていた。

 

「やっほー♪ じゃありませんの! 何をやっているのですかあなた方は!」

 

「何って見ての通り、ちょっと準備運動してただけだよ♪」

 

「どう準備運動すればこんな有り様になりますの!」

 

 黒子が地面を指を指しながらそう叫んだ。美琴の放った超電磁砲(レールガン)の余波によって地面は抉れてしまっていた。

 

「学園都市の風紀を乱すような真似をしたら容赦しないと言いましたわよね」

 

「えー。それじゃ僕が悪者みたいじゃないかー。酷いなー黒子君」

 

「元々、マフィア(犯罪者)でしょうが! あなたは!」

 

「それ言ったら黒子君だって犯罪者じゃないか。寮の天井裏に美琴君の私物をコレクションしてるし」

 

「な、なぜそれを……はっ!」

 

「黒子……?」

 

 白蘭は前に平行世界(パラレルワールド)で得た知識で黒子のことを暴露する。まさかこんな反撃があるとは思ってもみなかった為、黒子は焦ってしまう。だが時すでに遅く、黒子が振り返るとそこには鬼の形相をしていた美琴がいた。

 

「お、お待ち下さいお姉様! これは私を陥れようとする罠……ぎゃーーーーーーー!」

 

 言い訳をする黒子であったが、美琴の鉄槌()が黒子を襲い、学園都市中に黒子の絶叫が響き渡るのであった。

 

 

 ちなみに天井裏のコレクションは撤去されたそうな

 

 

 

 




思ったより長くなった…次はバジルと美琴との戦いにしようか…佐天と美琴も戦わせたいしなー…

最近、思うのがリボーンキャラってとあるキャラとどこまで戦えるのかって思ってるんですよねー。初期のアクセラレータに勝てる奴がいるのはわかりますけど、黒い翼や白い翼を生やしたアクセラレータとか、アックアとかに勝てるのかとか…逆にリボーンキャラはアクセラレータよりも垣根提督の能力とかの方が苦戦しそうな気がするんですよねー。


高評価を下さった大二郎智治さん。ありがとうございます!

それと投票者数が100人になりました。初めての快挙です!これから「とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)をよろしくお願いします!





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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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