とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)85 2度目の衝撃

 

 

 9代目との話を終えて佐天はロビーで待っていたディーノとロマーリオの元へ向かう。

 

「お。戻ったか」

 

「お待たせしてすいません」

 

「気にすんな。それよりどうだった?」

 

「なんか思ってた印象と違いました。マフィアのボスだからすっごい怖い人かと思ってたんですけど。凄く優しい人って感じでした」

 

 ディーノが佐天に9代目に会ってみた感想を尋ねると、佐天は正直な感想を述べた。

 

「9代目はボンゴレの歴代のボスの中でも初代を除く穏健派の人間だからな」

 

「俺たちのシマで揉め事が起きた時も応援を出してくれるって言ってくれたしな。まぁ先代は断っちまったがな」

 

(9代目って本当に優しいんだ……)

 

 ディーノとロマーリオから9代目のことを聞いて、佐天は9代目が優しい人物だということを理解する。

 

「それより涙子。リボーンはどうした? お前と一緒だったろ」

 

「あー……実は……」

 

 ディーノは一緒に行ったはずのリボーンがいないことに気づきリボーンの居場所を尋ねる。佐天は答えにくそうな表情(かお)になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は遡り。佐天がロビーにやって来る前に戻る。

 

「今日はありがとう涙子君。私の我儘に付き合ってくれって」

 

 話を終えると9代目は笑顔でお礼を言った。するとソファーから立ち上がる。

 

「さて。これから綱吉君の元へ行くとするか」

 

「え!?」

 

 9代目がツナの元へ行くと聞いて驚きの声を上げる。ツナは今、学園都市にいる。つまりこれから9代目は異世界転送装置を使って学園都市に行くということを佐天は理解する。

 

「だ、大丈夫なんですか!?」

 

「9代目の正体を知る者は学園都市にはいねぇからな。それに俺が着いて行くからな」

 

「た、確かにリボーン君がいるなら安心だけど……でもそんなことして大丈夫なの……?」

 

 いくら9代目が学園都市に行って狙われる可能性が低いとはいえ、ボンゴレの人たちに知れれば問題になるのではないかと佐天は心配する。

 

「心配ないよ。私の守護者にはちゃんと許可は取ってあるからね」

 

「つーわけだ。お前は戻ってディーノとスパーリングしててくれ」

 

「う、うん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして場面は戻ってホテルのロビー。

 

「という訳でして……」

 

「マジか……」

 

「9代目は多忙だしな……」

 

 佐天はロビーに来る前の出来事について全て話した。佐天の話を聞いてディーノは驚きを隠せないでいた。ロマーリオは驚きつつも9代目の気持ちを理解していた。

 

「まぁボスに比べればマシか……」

 

「え? どういうことですか?」

 

「ボスは日本で面白そうなことがあるとすぐに飛行機に乗っちまうからよ。こればっかりは言うことを聞いてくれなくてな……もう胃が痛くて痛くて……」

 

「い、言わなくていいだろ!」

 

(ロマーリオさんも大変なんだな……)

 

 佐天(妹分)の分の前で自分の欠点をバラされたのが恥ずかしかったのかディーノは動揺してしまっていた。ロマーリオの話を聞いて佐天はロマーリオの苦労を知る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、その頃。リボーンと9代目は。

 

「凄いものだな。学園都市というのは」

 

 2人は学園都市に来ていた。自分が思っていた以上にハイテクな街であった為、9代目は感心していた。

 

「しかし何やら凄く見られているね」

 

「学園都市の人口の8割は学生だからな」

 

 9代目は通るたちが自分のことを物珍しそうな顔で見ていることに気づく。リボーンは9代目が見られている原因を答える。学園都市の人口の8割は学生であり、老人が一人もいない訳ではないが学園都市において老人を見ることは珍しいのである。

 

「こうして気を張らずに外に出れるのはいつ以来だろうか……」

 

 9代目は世界最強のマフィア(ボンゴレファミリー)のボス。外に出るとなればいつ敵対ファミリー襲撃して来るかわからず常に気を張らねばならない。しかしこの世界では9代目に敵対する者はいない。なので安心して歩くことができる。9代目はそれが何よりも嬉しいのである。

 

「あら。リボーンじゃない」

 

「ちゃおっす。久しぶりだな美琴」

 

 ツナのいる177支部へ向かう途中でバッタリと美琴と遭遇する。

 

「それで……そっちの人はもしかしてあんたの世界の人?」

 

「そうだぞ」

 

「初めまして。御坂美琴君でよかったかな?」

 

「え!? 何で私の苗字を!?」

 

 会ったこともない9代目が自分の苗字を知っていることに驚きを隠せないでいた。

 その時だった

 

「ひったくり! 誰か捕まえて!」

 

「ったく……」

 

 美琴たちの後ろの方から女学生が叫ぶ。女学生が叫んだ先には覆面を被った男がバッグを持って走り去っていた。美琴は呆れながらひったくり犯を捕らえようとする。

 

「へっ!?」

 

 美琴がひったくり犯を捕らえようとした矢先、9代目がひったくり犯の前に立ち塞がる。まさか9代目がこんな行動を取るとは思ってもみなかった為、美琴は驚きの声を上げる。

 

「どけぇえええ! じじぃ!」

 

「能力者!? まずい!」

 

 ひったくり犯は右手の掌に氷柱を錬成し、9代目に向かって攻撃する。相手が能力者だと知って、美琴は慌てて助けようとする。

 

「がっ……!?」

 

「え!?」

 

 9代目はひったくり犯の攻撃を紙一重で躱すと足をかけて、体勢を崩す。そして地面に倒れる前に首元に手刀を喰らわせて気絶させた。9代目があっさりとひったくり犯を気絶させたことに美琴は驚いていた。周囲の人間はあまりにもひったくり犯をあざやかに捕らえた光景を見て拍手を送った。

 

「はい」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

(あの身のこなしただ者じゃない……やっぱりマフィア関係者なの?)

 

 9代目は持ち主の女学生の所に向かいバッグを返す。女学生は9代目に頭を下げてお礼を言った。美琴は9代目の身のこなしを見て、マフィア関係者なのではないかということを推測する。

 

「そうだ! 風紀委員(ジャッジメント)に連絡しないと!」

 

「もう俺がしたぞ」

 

「ひったくり犯を捕らえたと聞きましたの!」

 

「お。噂をすればだな」

 

 美琴が風紀委員(ジャッジメント)に連絡しようとしたがリボーンがすでに通報していた。その直後、黒子がテレポートでやって来る。

 

「あっ! お姉様! もしかしてお姉様がひったくり犯を?」

 

「私じゃないわ」

 

「え? じゃああなたが?」

 

「俺でもねぇぞ」

 

「え……? じゃあ誰が……?」

 

 ひったくり犯を捕らえのが美琴でもリボーンでもないと知って黒子は困惑してしまう。

 

「私だよ」

 

(ご老人?)

 

 9代目が自分がひったくり犯を捕らえたことを自供する。黒子は9代目を見て怪訝な表情(かお)する。

 

「少しお待ち下さい。今から犯人を捕らえますので」

 

 9代目のことが気になった黒子であったが、先にひったくり犯を手錠で捕らえ、警備員(アンチスキル)に連絡した。

 

「お待たせいたしましたの」

 

「大丈夫だよ。えっと……白井黒子君でよかったかな?」

 

「な、なぜ私の名前を!?」

 

「リボーンから君のことは聞いていてね」

 

「え……!? あなたは沢田さんの世界の……!?」

 

 リボーンのことを知っているということから9代目がこの世界の人間であるということを黒子は確信する。

 

「綱吉君に会いにね。それと君たちにもね」

 

「私たちに?」

 

「ああ。君たちは綱吉君と友達と聞いていてね。1度話したいと思っていてね。もし君たちがいいなら少し話がしたいんだが……」

 

「そうでしたか」

 

「私は別に構いませんわ」

 

「私もいいわ」

 

「ありがとう」

 

 9代目の要望を黒子と美琴は承諾する。9代目は自分の我儘を了承してくれた2人にお礼にを言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 4人は177支部へと向かう。

 

「ただいま戻りましたの」

 

「お帰りなさい白井さん。あ。御坂さんとリボーン君」

 

「リボーン? 何でここに? 佐天の修行は?」

 

 ツナは元にいるはずのリボーンがここに来たことに疑問を感じる。

 

「お前に会いたい奴を連れて来たんだぞ」

 

「俺に?」

 

「入ってきていいぞ」

 

 リボーンがそう言うと扉の向こうに待機していた9代目が中へ入って来る。

 

「やぁ綱吉君。久しぶりだね」

 

「ええ!?」

 

 まさか自分に会いたい人物がまさか9代目とは思ってもみなかった為、ツナは驚きの声を上げる。

 

「あ。もしかして沢田さんの世界の方ですか?」

 

「9代目……ボンゴレファミリーの現ボス……」

 

「「「へっ……!?」」」

 

 ツナの反応から初春は9代目がツナの世界の人なのかということを確認する。初春の問いにツナが体を震わせながら答えると初春、黒子、美琴は驚きのあまりその場で固まってしまう。

 

「「「ええええええ!?」」」

 

 そして時間差で3人は絶叫を上げたのだった。

 

 

 

 

 




前に番外編でツナとアックアが戦う話がやりたいと書きましたが、最近他にもやりたい話ができました。

ツナvsヴェント 幻想殺し(イマジンブレイカー)を持ってる訳でもないのに天罰術式が効かないことに動揺するみたいな話。

ツナvsアックア ツナがアックアと互角に戦っているのを見て天草式十字凄教と神裂が驚くみたいな話。

ツナvsキャーリサ ツナがキャーリサを倒して。その後、キャーリサがツナに惚れる

ツナvsフィアンマ 炎を司る男と死ぬ気の炎を持つ男の戦い。正直、聖なる右がチート過ぎるので勝つのは無理だと思う…ただ一つだけ倒す方法を思いついてはいるますが、それが通じるかどうか…

まぁこの話をやりたいなら禁書目録とリボーンのクロスオーバーを書けって思う人も多いでしょうが、めんどくさいんですよねー…


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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