とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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今回の話は佐天と9代目が出会った時と同じようになります。一応、美琴たちにもボンゴレのことを知ってもらいたいと思ったので。



標的(ターゲット)86 美琴たちの選択

 

 

 目の前にいる老人がボンゴレファミリーの9代目だと知って衝撃を受ける美琴たち。

 

「ど、どどっどどうぞ……」

 

「ありがとう」

 

 初春は緊張しながら9代目にお茶を用意する。9代目は笑顔で初春にお礼を言った。リボーンは念の為に外に出て、9代目の安全を確保する為に見張りについた。

 

(この方がボンゴレファミリーの現ボス……)

 

(私の想像と全然違う……)

 

(この人が沢田とリボーンを……)

 

 お茶を飲んでいる9代目の姿を見ながら、黒子、初春、美琴はそんなことを思っていた。

 

「君が行方不明になった時はどうなるかと思ったが、元気そうで何よりだ」

 

「9代目も相変わらず元気そうで何よりです」

 

「ありがとう。それと先程、涙子君とも話してね」

 

「え!? 佐天と!?」

 

「ああ。リボーンから聞いていた通り、優しい女の子だったよ。何より純粋でとてもいい目をしていた。あの子は強くなるだろう」

 

 そう言う9代目の脳裏には先程、佐天と話したいた時のことが浮かんでいた。

 

「あっ! すいません! パトロールの時間なんで一旦、失礼します!」

 

「構わないよ」

 

 9代目が来たタイミングとツナのパトロールの時間が運悪く被ってしまった為、ツナは一旦席を外す。

 

「今日はありがとう。私の我儘に付き合ってくれて。涙子君から君たちのことも聞いたが、君たちの口からも聞きたくてね」

 

「い、いえ! お気になさらないで下さいの!」

 

「何かあれば仕事を優先してもらって構わないからね」

 

「は、はい!」

 

 流石の黒子も緊張しており声が裏返っていた。初春と美琴は黙っていたもののめちゃくちゃ緊張していた。ここから先程、佐天と話した時と同じくツナと過ごした日々を話していく。

 

「沢田さんは怪我をした私の代わりに仕事を請け負ってくれましたの」

 

「佐天さんを……私の大切な親友を助けてくれました」

 

「私は自分の弱さを気づかせてくれて……」

 

 黒子と初春は幻想御手(レベルアッパー)の事件の時の出来事について語る。話していく内に3人の緊張も解けていた。

 

「そうか。やはり誰よりもボンゴレの意思を受け継いでいるだけあって、綱吉君に風紀委員(ジャッジメント)の仕事はぴったりのようだね」

 

「ボンゴレの意思って……マフィアと風紀委員(ジャッジメント)は全く別物じゃ……」

 

 ボンゴレ(マフィア)風紀委員(ジャッジメント)という相反する組織を一緒だと言う9代目の言葉に美琴は意味がわからずにいた。

 

「ところがそうでもないんだよ。今でこそボンゴレは世界最強のマフィアだが元々、ボンゴレは自警団だったんだ」

 

「「「え!?」」」

 

 世界最強のマフィア(ボンゴレファミリー)が元々、自警団だったという事実に3人は驚きを隠せないでいた。

 

「ボンゴレファミリーの初代ボス、ボンゴレⅠ世(プリーモ)の住んでいた街は警察も機能しない無法地帯だった。そこでⅠ世(プリーモ)は幼馴染みのGと後のシモンファミリーのボス、シモン=コザァードと共に街を護る為に自警団を立ち上げた。それがボンゴレの起源だ」

 

「じゃあ……」

 

「そう。ボンゴレは大切な者を護る為に結成された組織。本質は風紀委員(ジャッジメント)と同じと言っていい」

 

「で、でも……じゃあ何でボンゴレはマフィアに?」

 

「原因はボンゴレの2代目のボス、ボンゴレⅡ世(セコンード)。彼は戦いに明け暮れ、今のボンゴレの基礎を作った。それ以降、ボンゴレは権力と利益を追及するだけの組織へと変貌し、ボンゴレの崇高な精神は忘れられてしまった」

 

 美琴が自警団だったボンゴレがなぜマフィアになったのかを尋ねると、9代目は美琴の問いに答える。

 

「だが綱吉君は違う。私利私欲の為に戦わず、大切な人を護る為に戦う」

 

「だから……」

 

 9代目の言葉を聞いて初春は理解する。先程、9代目がツナがボンゴレの意思を最も受け継いでいると言った理由を。

 

「いつも眉間に皺を寄せ、祈るように拳を振るう。だからこそ私は綱吉君をボンゴレ10代目に選んだ」

 

(……)

 

 9代目の言葉を聞いて美琴の脳裏にはツナの過去を見た時の光景が浮かんでいた。9代目の言う通り、ツナは一度として喜んで戦っていなかったことを。

 

「綱吉君なら肥大化した今のボンゴレを在るべき姿へと戻してくれる。私はそう信じているんだよ」

 

「そうでしたか……」

 

「それと君たちには話しておかないといけないことがある。涙子君のことについてだ」

 

「佐天さん? 佐天さんに何かあったんですか?」

 

 9代目が佐天のことを話した為、初春は佐天に何かあったのではないかと心配する。

 

「何かあった訳じゃない。まだどうなるかもわからない。可能性の話だ」

 

「「「可能性の話?」」」

 

「君たちは涙子君が綱吉君のことをどう思ってるか知っているんじゃないかな?」

 

「それは……」

 

「まぁ……」

 

「一応は……」

 

 9代目の問いかけに黒子、美琴、初春は曖昧な返事で佐天がツナのことを好きだということを知っているということを遠回しに答えた。

 

「涙子君は綱吉君のことをとても大切に想っている。それは友情ではなく愛情。綱吉君のことを心の底から愛し、綱吉君と一緒にいたいと心の底から願っている。仮にたとえこの世界を離れることになったとしても。そうなった場合、涙子君は命を落とす可能性もある」

 

「ど、どういう意味ですか!?」

 

 佐天(親友)が命を落とす可能性があると知って初春は顔色を変える。黒子と美琴も初春と同じく顔色を変えていた。

 

「私はボンゴレファミリーを継ぐか継がないかに関しては綱吉君の意思を尊重するつもりだ。仮に綱吉君がボンゴレを継ぎボンゴレをどういう形にするにしろボンゴレの敵は多い。争いは必ず起きる。それでも涙子君は綱吉君の傍にいたいと選択する可能性は充分に考えられる。涙子君がそう選択した場合、涙子君は命を狙われる立場になる。逆に綱吉君がボンゴレを継がなくともボンゴレ10代目という肩書きが消える訳じゃない。敵対ファミリーに命を狙われることだってあるだろう」

 

 9代目は美琴たちにこれから佐天の身に起こるであろう可能性を示唆した。

 

「涙子君が綱吉君と一緒にいることを選択した場合、君たちはおそらく涙子君の選択を止めることはできないだろう。だがそうなった場合、涙子君と今生の別れを告げなければならなくなるかもしれない」

 

「「「……」」」

 

 9代目の言葉に美琴たちはどうすればいいのかわからないでいた。9代目の言う通り佐天がツナと一緒にいたいと選択した場合、その選択を止めることは自分たちにはできない。だが佐天がその選択をすれば2度と佐天に会えなくなるかもしれない。

 

「最初に言ったがこれはあくまで可能性の話だ。だがこの話が本当になった場合、君たちは覚悟しなければならない。大切な友達を失うかもしれない覚悟を」

 

(((失う覚悟……)))

 

 

 

 

 




なんかシリアスになったなー…こんな感じにするつもりじゃなかったのに…


それはそうと最近、とある魔術の禁書目録(インデックス)の3期を見たんですが、(原作は見てたんですがアニメ版は見てなかったんです)キャーリサがすっごい可愛い!だから普段ツンなキャーリサがツナに惚れてデレデレになる姿を想像したらすっごい面白くなると思っちゃったんですよねー。いつか番外編か何かでやりたい!




それと革命未明(サイレントパーティー)篇はやりたいと思っています。しかし革命未明(サイレントパーティー)篇やると日常の話ができなくなるので今の内に日常の話をやりたいと思ってはいるんですが、そうすると佐天の覚醒がまだまだ先に…もう佐天の力は考えてるのに!じれったい!



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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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