とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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 佐天の目の前に現れた謎の男。

 

「待っていたよ。お前が一人になるこの時をな」

 

(この人……ヤバい……!?)

 

 不気味な笑みを浮かべる男を見て佐天は顔を真っ青にし、恐怖していた。

 

「一人? 本当にそう思ってんのか?」

 

「っ!?」

 

「リボーン君!」

 

 突如、佐天の後ろからリボーンの声がする。男はリボーンを睨み、佐天は後ろを振り向いた。リボーンの背中には繭となったレオンが背負われていた。

 

「俺がいなくなれば姿を現すと思っていたぞ」

 

「貴様……!? なぜ私がここに来るとわかった……!?」

 

「アルコバレーノ……?」

 

 男はなぜ自分がここに来るということをリボーンが知っていたのかわからないでいた。

 

「9代目が日本にお前が来たという情報を掴んでいたからな」

 

(あの手紙って……!?)

 

 佐天はリボーンの言葉から先程、リボーンに届いた手紙の内容がこの男が日本に来たということを伝えるものだったということを推測する。そして中元の話とエスプレッソの嘘であるということを理解する。

 

「赤い髪にその頬の蠍の刺青。お前クイエーテ・アッタートだな」

 

「クイエーテ……?」

 

「クイエーテ・アッタート。南イタリアを活動拠点とするフリーの殺し屋(ヒットマン)だ。金さえ払えばどんな任務でもこなす男で、頬にある刺青を見て生き残った者はいないと言われている」

 

「私の行動の法則まで知っているとは流石は呪われた赤ん坊、アルコバレーノ」

 

「呪われた赤ん坊……? アルコバレーノ……?」

 

 クイエーテがリボーンのことをそう言ったが、佐天は何のことかわからず疑問符を浮かべる。

 

「にしてもどうやって俺に察知されず佐天に近づいた?」

 

「貴様を監視すれば返り撃ちにされるのは誰もが知っている法則だ。どんな方法で気配を消そうと貴様に我々の法則など通用せん。だったら気配のない超小型の監視カメラで監視すればいい」

 

「成る程な。この辺り一帯に超小型の監視カメラを放っていたってことか」

 

「まぁ意味を成さなかったがな」

 

「にしても南イタリアを拠点にするお前がわざわざ日本に来るなんて解せねぇな」

 

「それは他人が勝手に思っている法則だ。南イタリアを拠点にしていたのは金集めに過ぎん」

 

「佐天を狙ったのはツナを捕える為の人質か」

 

「察しがいいな。流石はアルコバレーノ」

 

「え……!?」

 

 クイエーテの狙いが自分とツナであると知って、佐天は驚きの声を上げる。

 

「沢田綱吉を殺しマフィア界の転覆を謀り、この私がマフィア界の法則を変える」

 

「ツナさんを……殺す……!?」

 

 クイエーテの目的を知って佐天は驚きのあまり頭が真っ白になってしまっていた。

 

「そしてあの男(・・・)もな」

 

「あの男?」

 

「そのことについて話すつもりはない。これで話は終わりだ」

 

 そう言うとクイエーテは懐からリングと赤い正方形の匣を取り出した。

 

(ボックス)兵器か」

 

 リボーンはクイエーテの持っているものが(ボックス)兵器だということを確信する。(ボックス)兵器。未来の技術の一つで、物や(ボックス)アニマルを匣に収めることができるアイテムである。未来の戦いで記憶を受け取った元最強の赤ん坊(アルコバレーノ)の一人、ヴェルデが記憶を元に作ることに成功し、そこから(ボックス)が普及したのである。

 

「その通りだ」

 

 クイエーテはリングを右手の中指に装着すると、リングに嵐属性の炎が灯る。そしてクイエーテは(ボックス)に炎を注入すると、中から錫杖が出てくる。

 

嵐の錫杖(パストラーレ・ディ・テンペスタ)

 

「箱の中から杖が……これって……!?」

 

 小さなの箱から収まるはずのない錫杖が出てきたのを見て、佐天はツナのリングからナッツが出てきたのと同じ技術だということを理解する。

 

「私に勝ち目がないのはわかっている。仮にここから離脱することができたとしても私の存在が知られた時点で計画を達成するのは不可能。次の好機(チャンス)はない。だから私の野望を達成するには貴様を葬り、その女を捕える以外の道などない」

 

「俺が手を下すまでもねぇ。お前は佐天がぶっ飛ばすからな」

 

「な、何言ってるのリボーン君!?」

 

 まさかここで自分が戦うことになるとは思ってもみなかったのか、佐天は驚きの声を上げる。

 

「その女が私を? 馬鹿にしているのかアルコバレーノ。その女が修行しているのは知っている。だが私には到底、及ばない。その女はマフィア界(この世界)の法則すら理解できていないような未熟な女だ」

 

「超一流の家庭教師(かてきょー)の俺が鍛えてんだ。お前ごときが勝てる訳ねぇだろ」

 

「ちょっ!? リボーン君! いくら何でも無理だって!」

 

 佐天がクイエーテに負けるとは微塵も思っていないリボーンは自信満々の表情(かお)でそう宣言した。佐天はリボーンに無理だと言うが、リボーンは自信満々の表情(かお)を崩さなかった。

 

「狙われてんのはお前だ。俺は出さねぇからな。自分でなんとかしやがれ」

 

 そう言うとリボーンは死ぬ気丸を取り出すと、佐天の口に向かって投げた。佐天はそのまま死ぬ気丸を飲み込んでしまい、そのまま死ぬ気モードとなる。

 

「それと死ぬ気丸は今ので最後だからな。死ぬ気モードが解けたらもう死ぬ気モードにはなれないからな」

 

「え!?」

 

 死ぬ気丸は今のが最後だけという最悪の状況。佐天の運命はいかに!? 

 

 

 

 

 




法則って台詞の中にいれるの難しい…自分でやっといてアレなんですが…改めて漫画家や小説家の人がスゴイと思いました。


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
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