とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)9 大空(ツナ)vs大能力者(白井黒子)

 

 

 黒子と手合わせすることとなったツナ。

 

「ここですわ」

 

「ここって……体育館?」

 

風紀委員(ジャッジメント)の訓練場ですわ。沢田さんと戦う為に許可させていただきましたの。流石に風紀委員(ジャッジメント)が場所を選ばず戦うわけにはいきませんもの」

 

 ツナは黒子に連れられて、やって来たのは風紀委員(ジャッジメント)の訓練場だった。

 

「それで……何で佐天さんが着いてきますの……?」

 

「ツナさんの監視です。ツナさんが白井さんに変なことしないか心配なので」

 

「しないよ!? 何、言ってるの佐天!?」

 

 佐天がジト目でそう言うとツナは驚きながら否定する。しかし佐天は納得がしていない様子であった。

 

「沢田さん。たとえあなたといえど佐天さんに手を出したら、私は遠慮なく捕らえますので覚えておいて下さい」

 

「だからしないって!」

 

「殿方は狼ですからね。女性の衣類を嗅いだり、使ったコップに間接キスするに決まっていますの!」

 

「するわけないじゃんそんなこと! 最低だよ! 人として終わってるよ!」

 

「なっ!? それは言い過ぎではないですの!? 確かに私がお姉様の衣服を嗅いだり、間接キスして興奮しましたけど! そこまで言わなくてもいいのでは!?」

 

「そんなことしてたの黒子!? いくら女の子同士でもアウトだよ! それでも風紀委員(ジャッジメント)なの!?」

 

「これは愛ですの! 犯罪ではありませんの! お姉様なら黒子の愛を受け止めてくれますの!」

 

「絶対に受け入れてないよ!」

 

「なんかどうでもよくなってきた……」

 

 ボケツッコミ合戦をするツナと黒子を見ていた佐天は、当初の目的がどうでもよくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 口論が終わると3人はグラウンドに移動する。佐天は離れた場所に移動し、観戦する。

 

「さて。始めますわよ」

 

「うん」

 

 黒子がそう言うと、ポケットから27と書かれた手袋を取り出し両手に装着すると目を閉じて深呼吸する。

 

「手袋……? 手の血行を良くしてどうする……なっ!?」

 

 今から戦おうというのに手袋を装着するのかわからないでいたが、すぐにその考えは変わった。なぜなら手袋が輝き、赤いグローブに変化したのだから。

 

「始めるぞ」

 

「ど、どうなってますの……? その手袋……?」

 

 ツナは準備が整ったことを告げるが、黒子は手袋が変化した理由が全くわからず戸惑いを隠せないでいた。

 

「手は出さなくてもいいんだよな?」

 

「ええ。この手合わせはあくまで私が沢田さんの能力を、沢田さんが私の能力を理解するのが目的ですの。手は出さなくても結構ですの。私は出させていただきますけど」

 

「わかった」

 

 ツナは腰を少し落とし、腕をクロスさせて戦闘態勢に入る。黒子も右足を少し前に出し、両膝を曲げ、戦闘態勢に入る。

 

(対峙しただけでわかりますの……一部の隙がなく、数多の死線を乗り越えたというのが……)

 

 なんとか隙を突こうとする黒子であったが、ツナに全く隙がない為に攻撃に転じることができないでいた。そしてここから膠着状態が続いていく。

 

(いつまでも隙を伺っていては埒が明きませんわね……だったらこちらから仕掛けて隙を作るしかありませんの!)

 

「っ!?」

 

 黒子の姿が一瞬にして消え、ツナの後ろに現れた。ツナはいきなり消えたことに驚きを隠せないでいた。黒子は背後からツナの首元に蹴りを喰らわせる。

 

「なっ!?」

 

 だがツナは一切、後ろを振り返ることはなく、黒子の蹴りを右手で防いだ。黒子は初手で防がれたことに驚くと、再び消えてすぐにツナの前に移動した。

 

「成る程。瞬間移動……いや空間を移動したといった方が正しいのか」

 

「ええ。その通りですわ。ですがそれがわかっただけで私を攻略はできませんわよ」

 

「お前が転移してから次に転移に使うにはわずかだがインターバルがある。そこを狙えばいいだけの話だ」

 

「っ!?」

 

「どうやら当たっているようだな」

 

(初手で私の攻撃を防いだだけでなく、たった一度、攻撃を受けただけで私の能力の弱点を見抜いたというのですの……!?)

 

 たった一度の攻防で自分の能力の弱点に気づかれたことに黒子は驚きを隠せないでいた。

 

「よくわかりましたわね……」

 

「お前は俺の実力を少しではあるが知っている。だったら俺の隙を作る為に何度も転移して隙を伺うはず。だがそれをしなかった。何度も転移をすれば弱点を俺に見抜かれるからな」

 

「流石ですわね。ですが……私の能力の全てを攻略したわけではありませんわよ!」

 

 そう言うと黒子は再び転移する。転移した先はツナから大分、離れた場所だった。

 

(これならどうですの!?)

 

 太ももにホルスターを巻いて忍ばせた金属矢を離れた場所からツナの数メートル前に転移させる。そして今度は自分自身をツナの顔の少し上に転移する。

 

(同時攻撃……これなら!)

 

 ツナの顔面に向かう黒子の蹴り、上半身に広範囲に向かって行く複数の金属矢がツナを襲う。

 

「遅い」

 

(消えた!? これは昨日の!?)

 

 だが同時攻撃が当たる前にツナはその場から一瞬で消えた。

 

「自分だけでなく物も転移できるとは。流石だな」

 

「お誉めに預かり光栄ですの。ですが私の攻撃は当たってませんの……一体、何をしましたの……?」

 

「大したことじゃない。死ぬ気の炎を逆噴射させて移動した。それだけのことだ」

 

「炎の逆噴射による高速移動ですか……それはまた厄介ですわね!」

 

 そう言い終わると同時に黒子は再び転移し、ツナに攻撃する。

 

「なっ!?」

 

 だが転移した先にツナの姿はなかった。それどころか背後を取られ、首元に手刀を向けられていた。そして黒子は転移して距離を置く。

 

「なっ!?」

 

 だがすでに転移した先にすでにツナが移動しており、再び黒子は首元に手刀を向けられる。黒子は何度も何度も転移を繰り返すも、結果は同じだった。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 能力を多用したせいで肩で息をし始める黒子に対して、ツナは息一つ乱していなかった。

 

(な、なぜ転移先がわかりますの……!?)

 

「悪いな。お前の攻撃はもう見切ってる」

 

(な、なぜ私の考えていることを!? まさか読心能力(サイコメトリー)!?)

 

 ボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)。ツナは自身の力の一つである、全てを見透かす力、超直感で黒子の考えていることに対してツナはそう答えた。自分の考えていることを言い当てられ為、黒子は動揺すると同時にツナが読心能力(サイコメトリー)を使えるのではないかと疑った。ツナは黒子の表情から、黒子が考えていることを直感しただけである。

 

「心を読むことまでできますとはね……」

 

「違う。俺はお前の表情から、お前が考えていることを直感しただけだ」

 

「直感……!?」

 

 直感だけで心の内を見透かされたことに、黒子は驚きを隠せないでいた。

 

「じゃあ初手で私の攻撃を防いだのも、私の転移先を先読みしたのも直感だと言うんですの……!?」

 

「ああ。だがそれだけじゃない」

 

「それだけじゃない? 一体、他に何があるというのですの……!?」

 

「経験だ」

 

「経験?」

 

「俺は過去にお前と同じような能力を使う奴と戦ったことがある。そいつの強さはお前よりも遥かに上だ。転移するスピードもお前と桁外れな上にインターバルなんてものすらなかったからな。だから対処法も知っている」

 

 ツナの脳裏にはマフィア界の掟の番人、復讐者(ヴィンディチェ)のリーダーである男、バミューダ・フォン・ヴェッケンシュタインの姿が浮かんでいた。

 

「成る程……私にすでに勝ち目はないというわけですね……まぁお姉様の超電磁砲(レールガン)を止めた時点でわかっていたはいましたけれでも……」

 

「どうする? まだ続けるか?」

 

「いえ。もういいですの。全てではないですが、あなたの戦い方は理解できましたの」

 

「わかった」

 

 黒子が手合わせを止めることを宣言すると、ツナも(ハイパー)死ぬ気モードの状態を解除、

 

「見つけたわよー!」

 

「お姉様!?」

 

「美琴?」

 

「御坂さん!?」

 

 しようとした矢先、なんとここで美琴が現れる。美琴が現れたことに黒子、ツナ、佐天は驚いた。

 

「お姉様……? どうしてここに……?」

 

「初春さんに聞いたのよ! あんたたちがここで戦ってるってね!」

 

「こうならない為に、訓練場(ここ)まで来たというのに……後で説教ですわね……」

 

 美琴がここに来た理由を聞いて、黒子は額に右手を当てて頭を悩ませていた。

 

「さぁ! 勝負よ沢田! かかってきなさい!」

 

「俺は戦う気はない。帰ってくれ」

 

「帰れって何よ! あんたと戦う為に訓練場(ここ)まで来たのよ私は! 黒子とは戦ったクセに何で私と戦わないのよ!」

 

「お前が勝手に来ただけだろ。それにこれは互いの力を知る為の手合わせだ。本気で戦ったわけじゃない」

 

「お言葉ですがお姉様。お姉様が沢田さんに勝てる可能性は万に一つもありませんわ。諦めて下さいの」

 

「何ですってー!?」

 

 ツナと黒子の言葉を聞いて、美琴の怒りのボルテージは上がって行く。

 

「黒子。この後、俺は何かやらないといけないことはあるか?」

 

「いえ。今日は手合わせだけですの。本格的な仕事は明日から教えていきますわ」

 

「じゃあもう帰ってもいいんだな」

 

「え? ええ……」

 

「わかった」

 

 そう言うとツナは炎を逆噴射させ、その場から消える。

 

「きゃっ!」

 

 ツナは右足を薙ぎ払って佐天の態勢を崩した。急に態勢が崩れた為、佐天は悲鳴を上げるが地面に叩きつけられる前に、ツナが両手で佐天を抱える。

 

「ええええええ!?」

 

「「なっ!?」」

 

 急にツナにお姫様抱っこされると佐天は顔を真っ赤にする。美琴と黒子は衝撃のあまり固まってしまっていた。

 

「ここから逃げる。しっかり捕まってろ佐天」

 

「え……!? は、はい……!!」

 

 ツナが逃げることを告げると、動揺しつつも佐天はツナの首に自分の両手を首に回す。ツナは佐天の膝下に支えていた右手を離して、腰の辺りに移動させると炎を逆噴射させると空中へと飛ぶ。

 

「と、飛んでる!?」

 

「う、嘘でしょ……」

 

「成る程……先程見せた高速移動の応用というわけですか……まさかそこまでできるとは……」

 

 ツナが空中で飛んでることに佐天、美琴、黒子は驚きを隠せないでいた。

 

「って! 逃げるつもり!?」

 

「当たり前だ。風紀委員(ジャッジメント)の訓練場で戦うわけにいかないだろ」

 

「だったら別の場所に移動して勝負するだけよ! 降りてきなさいよ!」

 

「いい加減にしろ。戦う気はないと言ったはずだ。何度言わせるつもりだ」

 

「あんたが戦わないから何度も言うハメになるんでしょ! いいから降りてきなさい!」

 

「ったく……わかった。そのうち戦ってやる。じゃあな」

 

「あっ! ちょっと待ちなさいよ!」

 

 あまりにしつこいのでツナは適当に誤魔化すと、そのまま飛んで帰って行ってしまう。

 

「黒子! 追うわよ!」

 

「私はまだ仕事があるのでこれで失礼しますわ」

 

「あ! ちょっ!」

 

 黒子も面倒事に巻き込まれたくない為、転移して逃げる。

 

「あーもう! 私の労力返しなさいよーー!」

 

 誰もいなくなった訓練場で美琴はおもいっきり叫ぶのだった。

 

 ちなみにお姫様抱っこされた佐天は幸せな気分を味わっていたという。

 

 

 

 




次回はアニオリの学舎の園の話をやりたいと思います。


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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