リボーンが手を出さない、死ぬ気丸が今、飲み込んだのが最後という最悪の状況でクイエーテと戦うこととなってしまった佐天。
(ど、どうしよう……リボーン君は戦う気がないみたいだし……)
初めての命をかけた戦闘。いくら修行したとはいえ、普通の女子中学生の佐天が不安にならない訳がなかった。
(でも私が捕まったらツナさんが……)
だがここで自分が捕まってしまえばツナが殺される。リボーンが戦う気がない以上、自分が戦う以外の選択肢はなかった。
「隙だらけだな」
「っ……!?」
クイエーテは一気に佐天の間合いに移動し、佐天の斜め右の下から、片手で錫杖をおもいっきり薙ぎ払う。佐天は飛び引いて躱した。
「ほう。流石はアルコバレーノの修行を受けただけあって、戦闘の法則を全く理解してはい訳ではないということか」
佐天の躱し方を見て、簡単にはいかないとクイエーテは判断し、口元を少しだけ緩ませると両足の裏から炎を噴出して空を飛ぶ。
「空に……!?」
「狂嵐殺人術。
「きゃぁ!」
クイエーテは急降下して佐天に向かって錫杖を突き刺す。佐天は再び飛び引いてなんとか躱すが、攻撃の余波で吹っ飛んでしまう。
「いくら加減したとはいえ私の狂嵐殺人術を躱すか」
「狂嵐……殺人術……?」
「狂嵐殺人術。クイエーテが独自に編み出した独自の殺人術のことだ」
「その通りだ。私の頭脳と嵐属性の特徴である分解が掛け合わせることで生まれた新たな法則にして、最強の殺人術だ。これで私は数多の人間を葬ってきた。私を葬ろうとした連中もあらゆる手段を持って私を葬ろうとしたが、私の法則を破れるものはいなかった」
リボーンはクイエーテの狂嵐殺人術について説明する。クイエーテは狂嵐殺人術の戦歴についての自慢する。
「しかしどうしたのやら……捕まえなければならないから加減してしまうな。しかし加減していては捕えることはできない」
クイエーテは左手の親指と人差し指を顎に起きながら、どうやって佐天を捕えようか考える。
「仕方がない。半殺しにするか」
「っ!?」
クイエーテは無表情で冷徹な言葉を放つと、錫杖を佐天に向かって向ける。するとクイエーテの錫杖の先端がドリルのように高速回転し始める。佐天は錫杖の先端が高速回転するとは思ってもいなかったのか、驚きの表情を浮かべていた。
「狂嵐殺人術。
(近づいたらヤバイ!)
クイエーテは回転した錫杖で連続で突きを繰り出しながら突っ込んでいく。佐天は近づいたらまずいと思ったのその場から離れていく。
「いい判断だがこの程度の
そう言ってクイエーテが何度か突きを繰り出した後、錫杖の先端が持ち手の部分から分離し、勢いよく佐天に向かって行く。
「え……!?」
「狂嵐殺人術。
「グハッ!」
錫杖の先端が佐天の腹部に直撃する。佐天は腹部を押さえながら両膝をつく。切り離した先端にワイヤーがついており、先端部分が持ち手の部分へと戻っていく。戻っていくと同時にクイエーテは再び佐天に突っ込んでいく。
「やぁ!」
「狂嵐殺人術。
「グハッ!」
佐天は痛みに耐えながらクイエーテに向かって炎を纏った拳を放つがクイエーテは余裕で躱し、左手で佐天の腹部に掌底を叩き込んだ。掌底を叩き込まれた佐天は吹き飛ばされてしまう。
「狂嵐殺人術。
回転された錫杖の先端部分に炎を灯すと、クイエーテはそのまま錫杖を薙ぎ払う。回転した錫杖の先端と炎によって竜巻が発生する。
「きゃぁ!」
竜巻によって佐天は宙に吹き飛ばされ、同時に嵐の属性の炎によってダメージを受けてしまう。
「狂嵐殺人術。
「グホッ……!?」
クイエーテは両足から炎を噴出して再び空を飛ぶと、宙に舞う佐天の腹部に錫杖の先端を叩き込む。そして佐天はそのまま地面に落下してしまう。
(い、息が……!?)
腹部にダメージを受け過ぎたせいか佐天は呼吸困難に陥っていた。それでもなんとか呼吸をしてなんとか呼吸困難から佐天はなんとか脱却し立ち上がるも、膝が震えており立っているのもやっとの状態だった。
「
「嘘じゃねぇぞ。お前は佐天がぶっ飛ばすからな」
「まだ言うか」
「っ!?」
そう言うとクイエーテは佐天に向かって殺気を放つ。殺気を受けた佐天はあまりの恐怖に腰を抜かし、動揺で死ぬ気モードが解けてしまっていた。
「この程度の殺気を受けて戦えないような奴がどうやったら私に勝てるというのだ?」
(怖い……怖い……無理だ! 私じゃ勝てない! でもこのままじゃツナさんが! どうしよう! どうしよう! どうしよう!)
クイエーテの殺気を受けて佐天は恐怖で体が震えて、思考回路はめちゃくちゃになっていた。
「何してやがる佐天。さっさとなんとかしやがれ」
「無茶言わないでよ!」
「無茶じゃねぇぞ。ディーノやツナも越えてきた道だぞ」
「ディーノさんとツナさんが……って! 私は2人とは違うよ! 私には無理だよ! だから助けてよ!」
「いつまで甘えてるつもりだてめぇは」
「え……!?」
リボーンは佐天に近づくと、佐天の胸ぐらを掴んだ。
「てめぇ言ったよな。ツナの過去を見てそれで強くなりたいって」
「で、でも……今の私じゃ……」
「後悔したくないんじゃねぇのか?」
「そ、それは……」
『もう後悔したくないの。私にだって護りたい人がいるから』
リボーンが第1段階の修行の時に佐天が言った言葉を言う。リボーンの発言で佐天は自分の言った言葉を思い出す。
「てめぇの弱さのせいでお前の惚れた男は殺されるんだぞ。それでまた後悔することになるんだぞ。それでもいいのかって聞いてんだ」
「で、でも……どうしたら……」
リボーンの問いかけに佐天はどうしたらいいかわからずにた。
「お前の気持ちを吐き出せ。お前自身の……お前だけの答えを」
「私の……気持ち……?」
自分の気持ちと言われて佐天は顔を俯かせて黙ってしまう。
「何だあの男に惚れてたのか。だったら私が沢田綱吉を殺した後にいくらでも会わせてやる。あの世でな」
「たい……」
クイエーテが不気味な笑みを浮かべながらそう言うと、佐天はボソッと何かを呟いた。
「ツナさんを……護りたい……」
佐天の脳裏には笑っているツナの姿が浮かんでいた。
「私の大好きな人に酷いことをしようとするお前だけには……絶対に……絶対に負けたくない!」
佐天が自分の気持ちを吐き出すと、リボーンは少しだけ口元を緩ませていた。
その時だった
「え……!?」
「な、何だ!?」
突如、リボーンの背中で繭となっていたレオンが光り輝き始める。
突如、輝き始めたレオン。一体、何が!?
やっぱり天野先生は師弟の絆を書くのが上手いですよねー。僕にはあの師弟の絆を再現するのは難しい…
次回。ついに佐天が覚醒します。お楽しみに!
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