とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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今回の話はほぼほぼ骸戦と同じようになってます。


標的(ターゲット)91 佐天、覚醒

 レオンが光り輝き始めると上空へ飛んで行く。そして繭となったレオンの体から無数の糸が飛び出して行く。

 

「レオンが……!? 何が起きて……!?」

 

「何だこれは……!?」

 

 レオンの様子がいきなり変化したことに佐天とクイエーテは驚きを隠せないでいた。

 

「羽化したな」

 

「羽化……!? どういうこと……!?」

 

「レオンは形状記憶カメレオン。どういうわけか生徒に試練が訪れるのを予知すると、繭になる。そして俺の生徒が成長すると羽化するんだ」

 

「成長って……じゃあ……」

 

 佐天は理解する。先程、自分の気持ちを吐いたことがきっかけとなりレオンは羽化したのだということを。

 

「私の知らない法則を見せてくれたのは面白いが、ペットが羽化したからなんだと言うんだ」

 

「そ、そうだよ! レオンが羽化したからって……」

 

「慌てんな佐天。レオンを見てみろ」

 

「レオンを?」

 

 リボーンに言われて佐天はレオンのいる上空を見上げる。するとレオンは少しずつ膨らんでいた。

 

「レオンが膨らんで……」

 

(ニュー)アイテムを吐き出すぞ。俺の生徒であるお前専用のな」

 

「え!? 私の!?」

 

「ああ。ディーノの時は跳ね馬の鞭とエンツィオを吐き出したんだ」

 

「ええ!? レオンがエンツィオを吐き出したの!?」

 

 エンツィオがレオンを生んだと知って佐天は驚きの声を上げる。鳶が鷹を生むということわざがある。平凡な親から優れた子供を生むというものの例えである。しかしあくまでものの例えであり、本当に鳶から鷹が生まれる訳ではない。ましてやカメレオンから亀が生まれることなど絶対にありえはしない。

 

「そしてツナの時はX(イクス)グローブ。27って書かれた毛糸の手袋って言えばわかるか?」

 

「それって……!?」

 

 佐天の脳裏にはツナが戦う時に使っているボンゴレギアが浮かんでいた。元々、レオンが吐き出したのはボンゴレギアではなくX(イクス)グローブ。ボンゴレⅠ世(プリーモ)が使っていたものと同じものである。そしてX(イクス)グローブをパワーアップさせたものがボンゴレギアである。

 

「盛り上がっているところ悪いんだが。私も暇ではなくてね。隙だらけの敵を前にして襲撃しないという法則はどこにもないのだよ」

 

 これだけ隙だらけの敵を前にして何もしない程、クイエーテは馬鹿ではなかった。クイエーテが佐天を襲撃しようと歩き出す。

 

「るせぇぞ」

 

「っ!?」

 

「俺の生徒が成長するところだ。邪魔すんじゃねぇ」

 

(凄い……殺気だけで……)

 

 リボーンが殺気を放ち、ドスの効いた声でそう言うとクイエーテは金縛りにかかったのごとく、動けなくなってしまった。佐天は殺気だけでクイエーテを動けなくさせたことに驚きを隠せないでいた。

 

「お」

 

 そしてついにレオンは佐天に向かって(ニュー)アイテムを吐き出した。吐き出されたアイテムが佐天の前へとゆっくりと落ちて行く。

 

「こ、これって……!?」

 

「まさかな」

 

 佐天の前に落ちてきたのは赤い炎のマークが入った黄色い弾丸。そして310と書かれた白い手袋だった。

 

「佐天。そいつをつけろ」

 

「う、うん!」

 

(特殊弾……!?)

 

 リボーンに言われて佐天は手袋を装着する。リボーンは特殊弾を左手の親指と人差し指で摘まむ。クイエーテは特殊弾を見て表情(かお)を歪ませていた。何か怨みでみあるかのように。

 

「見たことねぇ弾丸(たま)だな。ぶっつけ本番で試すしかねぇな」

 

「ぶっつけ本番って……まさか!?」

 

 リボーンはレオンが吐き出した特殊弾を見るがどうやら初見だったらしく、この特殊弾の効果がわからなかった。佐天はリボーンの言葉を聞いて今から特殊弾を撃たれるということを理解し顔を青ざめる。そうこうしている内にリボーンは特殊弾を自身の愛銃に装填する。

 

「ま、待って! まだ私は……!?」

 

 ズガァン! 

 

 佐天の制止を聞かずにリボーンは佐天の額に容赦なく特殊弾をぶち込んだ。特殊弾をぶち込まれた佐天は仰向けの状態で倒れてしまう。

 

(あれ? 痛くない……?)

 

 額に弾丸を受けたのにも関わらず、佐天の意識はしっかりしており、それどころか痛みもなかった。

 

(頭に何か入ってくる?)

 

 佐天は自分の頭の中に何かが入ってくることに気づく。

 

『目の前で襲われそうになってる女の子を放っておけないんでな』

 

(これって……初めて私がツナさんと出会った時の……)

 

 佐天が見たのは銀行強盗から襲われそうになった自分をツナが助けてくれた時の出来事。ツナと初めて出会った時の話だった。そこからツナと過ごした日々が流れていく。

 

「恋慕弾の効果だな。今、見ているのはお前が最も好きなツナと過ごした日々だ」

 

(れ、恋慕弾!? こんな時にまで私はツナさんのことを!?)

 

 こんな状況化で想い人(ツナ)との思い出を見ないといけないと知って、佐天は顔を真っ赤にし動揺してしまっていた。

 

『俺が……いや俺たちが佐天を助ける方法を見つけるから! 絶対に! だから諦めないで佐天!』

 

 幻想御手(レベルアッパー)の副作用で昏睡状態になる前に、ツナが電話越しで絶対に助けると約束してくれた時の出来事。

 

『頼むから……返事を……佐天……』

 

「……」

 

 そして昏睡状態になった自分を見て、ツナがボロボロと涙を溢した時の出来事が映像で流れる。涙を流すツナの姿を見て佐天は歯を食い縛り、拳を強く握る。

 

「どうやら覚悟は決まったみてぇだな」

 

 リボーンが口元を緩ませると佐天はゆっくりと立ち上がっていく。

 

「クイエーテ……お前を倒さなければ……死んでも死にきれない!」

 

 佐天の額に晴の炎が灯り、手袋がⅢとⅩと書かれた黒いグローブへと変貌していく。

 

 佐天、覚醒! 

 

 

 

 

 

 

 




はい!という訳で佐天の武器はX(イクス)グローブです!なぜこういう形にしたかというと女性キャラの(ハイパー)死ぬ気モードをやってみたかったからです!実は僕が過去に書いた大空とスクールアイドルで穂乃果を(ハイパー)死ぬ気モードにしようと思ってたんですが、そこまでいく前に僕が燃え尽きてしまった為、断念したんです。だからその願望を今回の作品で叶えようと考えたんです。それに佐天はツナのことが好きで憧れているのでいいかなと思ったんです。それにX(イクス)グローブはまた出してみたかったというのもあります。ボンゴレギアもいいんですが、僕はX(イクス)グローブの方が好きなので。




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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