とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)93 正体

 

 

 

 

 

 

 突如、クイエーテが苦しみ始める。

 

「あああああああ!」

 

「何……? 何が起こってるの……?」

 

 首を押さえながらクイエーテが苦しむ姿を見て、佐天は一体、何が起こったのかわからず困惑してしまっていた。

 

「まさか私が……」

 

「違ぇな。別の原因だぞ」

 

 佐天は自分のせいでクイエーテが苦しんでいるのではないかと不安になっていた。リボーンは佐天のせいではなく何か別の要因だということを理解する。

 

「止めろ……私の邪魔(・・・・)をするな……」

 

「邪魔?」

 

 両手で首を押さえ、苦しみながらそう言うクイエーテの発言に佐天は意味がわからず困惑してしまっていた。

 

「くっ!」

 

 クイエーテはおもいっきり唇を噛む。すると両手が首から離れて、クイエーテはおもいっきり呼吸をしなんとか息を整える。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

「そういうことか」

 

 先程までの苦しみは消えたが、クイエーテは大量の汗をかき、息を荒らげていた。リボーンは疲弊するクイエーテの姿を見て、あることに気づいた。

 

「お前。エストラーネオファミリーの生き残りだな」

 

「エストラーネオ……ファミリー……?」

 

「エストラーネオファミリー。禁弾。憑依弾を作ったファミリーだ」

 

「憑依弾って……まさか……」

 

「ああ。憑依弾は文字通り他人に憑依して他人の精神を乗っ取る特殊弾だ。といっても弾丸(たま)との相性と強靭な精神力がなけりゃあ使うことは不可能だがな」

 

「っ!?」

 

 自分の予想通り他人に憑依するとわかり、佐天はあまりの衝撃に顔を青ざめていた。

 

「憑依弾はあまりにも使用法がムゴかった上に製造法は闇に葬られたんだ。その後、エストラーネオファミリーはろくでなしのレッテルを貼られ多くのファミリーを敵に回すことになった。追い詰められたファミリー上層部はマフィア界への地位を再び獲得する為に人体実験に拍車をかけた。ファミリーの子供を犠牲にしてな」

 

「酷い……」

 

 エストラーネオファミリーのあまりの所業に佐天はそう呟いた。

 

「にしてもどうやってクイエーテの体(・・・・・・・)を乗っ取っりやがった?」

 

「乗っ取っるって……まさか!」

 

「こいつはクイエーテじゃねぇ。クイエーテを乗っ取ったエストラーネオファミリーの人間だ。さっき苦しんでたのは、おそらく弾丸(たま)との相性が悪いのにも関わらず無理やり憑依弾を使った反動。佐天が弱らせたことで肉体を乗っ取られたクイエーテが肉体の主導権を取り戻そうとしたんだ」

 

『止めろ……私の邪魔(・・・・)をするな……』

 

 リボーンは理解していた。先程、苦しみながら吐いた言葉からこの男がクイエーテではなく、クイエーテの体を乗っ取った人物であるということを。

 

「佐天に憑依せずに人質に取らないのはもう憑依できないからだ。他の体を乗っ取ろうとしてもお前の精神が持たない。それが憑依弾を無理やり使ったもう1つのリスク」

 

「流石はアルコバレーノ……まさか()の正体を見抜くとはな……」

 

「じゃあ……」

 

「そうさ……俺の本当の名はシェンツ・パッローネ。エストラーネオファミリーの上層部の一人だった」

 

 シェンツの一人称が変わり、自分がエストラーネオファミリーの人間だということを明かす。

 

「やはりか。だがエストラーネオファミリーは壊滅させられたはずだぞ」

 

「壊滅?」

 

「人体実験によって覚醒した子供の一人が、ファミリー上層部を皆殺しにしてエストラーネオファミリーを壊滅させた。だから生き残りはいないはずだぞ」

 

「俺はエストラーネオファミリーが壊滅される前に憑依弾を使ったのさ。エストラーネオファミリーの人間が外に出れば蜂の巣にされた。俺も蜂の巣にされかけたが、死ぬ間際に憑依弾を使いクイエーテの体を乗っ取った。そして私はクイエーテの体で自分を殺して、クイエーテが俺を殺したとマフィア界に思わせ俺の存在を抹消したのさ」

 

「そこまでして……」

 

「その後。俺はエストラーネオファミリーを襲撃するフリをして、ファミリーのメンバーが死んだと思わせるように隠蔽工作をする為にエストラーネオファミリーに戻った。だがすでにエストラーネオファミリーは皆殺しにされていた。六道骸によってな」

 

 シェンツの脳裏には壊滅させられたエストラーネオファミリーの姿が浮かんでいた。

 

「その時、俺は決めたのだ! 六道骸への復讐とボンゴレのボスを殺しマフィア界の頂点に立つことでマフィア界の法則をこの手で変えることをな!」

 

「法則。つまり憑依弾を合法にする訳か」

 

「そうだ! 貴様らは特殊弾を使うことを許され、俺たちは許されなかった! 何が違うというのだ! 貴様らボンゴレも権力や利益を追及する為に特殊弾を使っているというのに!」

 

「何でわからないのよ!!」

 

 憎しみのあまり表情(かお)を歪ませるシェンツに佐天は怒声を上げる。

 

「そんな戦いもしない憑依弾(ちから)に頼るからだよ!! 自業自得でしょ!!」

 

「マフィアのことを知らぬ小娘がほざくな!!」

 

「わからないよ!! 私はマフィアのことなんてわからないよ!! 正直、私には間違ってることをしてるイメージしかないよ!! でも間違っててもみんな命がけで戦っていることくらいはわかる!!」

 

 佐天はツナの記憶を見て知っていた。ツナたちも敵たちもみんな命をかけて戦っていたことを。

 

「逆に何でお前はわからないのよ!! 何の罪のない子供たちを犠牲にして!! 人の体を乗っ取って!! ツナさんを殺そうとして!! 命の重みが!! 自分たちの犯した罪が!!」

 

「黙れ小娘!! 生け贄の分際で俺に指図するな!!」

 

「犠牲になった子供たちの為にも!! 体を乗っ取られたクイエーテの為にも!! そしてツナさんの為にも!! シェンツ!! ここで私はお前を倒す!!」

 

 佐天の怒りが頂点達したことで額の炎とグローブの炎の純度がさらに上がり、激しく燃え上がる。

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

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