とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)95 終わりとこれから

 シェンツの脅威が去ってから2時間後

 

「うーん……?」

 

 佐天はベッドの上にいた。目が覚めるそこは見覚えがある天井が佐天の視界に映っていた。

 

「目が覚めたか」

 

「リボーン君……? 私……」

 

復讐者(ヴィンディチェ)が帰った後、ぶっ倒れたんだぞ。修行と(ハイパー)死ぬ気モードの反動でな」

 

「そっか……まだまだなんだね……私……」

 

 強い力を手に入れたのにも関わらず、倒れてしまったことに佐天は自分がまだまだ未熟なんだということを知り、シュンとしてしまっていた。

 

「そう卑下すんな。ツナの時よりはマシだ」

 

「え?」

 

「あいつが初めて(ハイパー)死ぬ気モードになった時は体中に気絶する程の痛みが走って、目が覚めてから2週間は全身筋肉痛で動けなかったからな」

 

「え!? そうなの!?」

 

 佐天は(ハイパー)死ぬ気モードがまさかそんなにもリスキーな力だとは思ってもみなかった為、佐天は驚きの声を上げる。

 

「つってもツナを本格的に鍛える前の話だがな。だがお前は違ぇ。ちゃんと鍛えたからこそ、その程度で済んだんだぞ」

 

「そっか……」

 

「にしてもお前までその力に目覚めるとはな。結果的に初代の修行が役に立ったな」

 

「え? どういうこと?」

 

「第2段階の時に言っただろ。初代はいつでも(ハイパー)死ぬ気モードになれるようになる為に絶壁を登ったって」

 

「あっ……」

 

 佐天はリボーンの言葉を聞いて思い出すと同時にあることに気づく。

 

X(イクス)グローブで戦ったのはツナだけじゃねぇ。歴代最強と唱われた初代と同じ力でもあるんだぞ」

 

「私が……初代と同じ……」

 

 ボンゴレの歴代の中で歴代最強と唱われた初代と同じ力を手にしたと知って、X(イクス)グローブの凄さを改めて理解する。

 

「でもツナさんの記憶を見た時、最初は私と同じだったのに今は変わってるよね」

 

「ボンゴレギアはX(イクス)グローブをパワーアップさせたもんだからな」

 

「そうなんだ」

 

「にしてもボンゴレのボス以外でX(イクス)グローブを手に入れたのはマフィア界の歴史を紐解いてもお前だけだろうな。良かったな佐天。マフィア界の歴史に名を残せるぞ」

 

「嬉しいような……嬉しくないような……」

 

 リボーンにマフィア界の歴史の残せると言われたが、佐天は心の底から喜ぶことができなかった。

 

「でも私なんかがこんな凄い力を手に入れるなんて……私に使いこなせるかな……?」

 

「レオンはお前にあった武器を吐いたんだ。ちゃんと修行すりゃ使いこなせるようになるはずだぞ」

 

 佐天は憧れのツナと同じ力であり、歴代最強と唱われた初代と同じ力であるX(イクス)グローブを手に入れたことで佐天は不安になってしてしまっていた。そんな佐天に対してリボーンは大丈夫だということを伝えた。

 

「どんな力だって創意工夫次第で強くなれる。7代目だってそうだったからな」

 

「7代目?」

 

「ボンゴレのボスは個性が強くて色んな戦闘スタイルのボスばかりだったんだ。ナイフ、ジュル、ブーメラン。フォークが武器だった奴もいる」

 

「フォーク!? それで戦えるの!?」

 

 フォークを武器にして戦ったボスがいると知って佐天は驚きの声を上げる。

 

「フォークをメイン武器(ウェポン)にしたのは4代目だ。ボンゴレの歴史の中でも特に世間に名を轟かせた3人のボスの内の一人だぞ」

 

「フォークで……」

 

 フォークが武器であるのにも関わらず、名を轟かせたと知って佐天は驚きを隠せないでいた。

 

「そして7代目はボンゴレの歴史の中で唯一、銃をメイン武器(ウェポン)にしたんだ。射撃の腕と炎の性質からな」

 

「炎の性質?」

 

「7代目の炎は歴代のボンゴレのボスの中でも一際弱かったんだ。だから銃と死ぬ気弾を使うことでそれを補ったんだ」

 

「どういうこと?」

 

 炎の性質と銃と死ぬ気弾がどう繋がるのかがわからず佐天は疑問符を浮かべる。

 

「死ぬ気弾には死ぬ気の炎を圧縮して吸収する性質がある。7代目はそこに注目したんだ。たとえ微弱な炎でも一点に集中すればその威力は計りしれない。現に7代目はその銃でどんな敵も仕留め、攻撃力といえば必ず7代目の名が上がるようにまでなったんだ」

 

「凄い……」

 

 炎が弱かったのにも関わらず、創意工夫することで歴代に名を残した7代目の話を聞いて佐天は驚きを隠せないでいた。

 

「ツナと初代と同じ力を持ってるからって、それを真似する必要はねぇ。お前はお前のやり方で強くなりゃいい」

 

「うん……」

 

「今日はもう修行しなくていい。怪我は治しておいたから後はゆっくり休め」

 

「あれ? 痛くない……」

 

 倒れる前はシェンツにやられた傷のせいで体中が痛かったのにも関わらず、今は痛みがあまりないことに佐天は気づいた。

 

「前に言っただろ。晴の炎の特徴は活性。怪我の治る速度を活性させて怪我を治すこともできるってな。受けたダメージまでは治らねぇけどな」

 

「そっかリボーン君も晴の炎を持ってたんだよね」

 

 リボーンの言葉を聞いてリボーンが晴の属性だったということを佐天は思い出す。

 

「晩飯になったら起こしに来る。それまでゆっくり寝てろ」

 

「ねぇ。リボーン君」

 

「ん?」

 

「聞きたいことがあるんだけどいい?」

 

「何だ?」

 

「リボーン君って何者なの?」

 

「今さら何言ってんだ。俺は超一流の家庭教師(かてきょー)にして世界最強の殺し屋(ヒットマン)だぞ」

 

「それは知ってるよ。でもシェンツがリボーン君のことを呪われた赤ん坊とかアルコバレーノとか言ってたのが気になってさ。それにあのバミューダっていう赤ん坊とリボーン君が似てるし。第一、赤ん坊が話すなんておかしいし……今さらだけどさ……」

 

「……」

 

 佐天はシェンツの言っていたこと、リボーンとバミューダが似ていることがずっと気になっていた。リボーンは佐天の言葉を聞いて黙ったまま考え込む。

 

「ま。いいか。もう終わったことだしな。それに話したいと思ってた夜の炎とも関わってくるしな」

 

 今、語られる。リボーンの秘密。

 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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