プロトマーリン(以下、プーリン)は、異世界に来て初めて愕然とした。転生して以来(といっても一日も経っていないが)、一定の安心感と心地よさ、一種の抱擁力を感じていた海東に、突如として銃を向けられたからである。
さながら、頭を硬いもので殴られたかのような衝撃であった。
プーリンは海東の凶行に対し、動揺と不安感、そして何故、という疑問をない混ぜにした気持ちを思いながら、海東に理由を問う事にした
「か、海東さん?辞めてくださいよ、そんな、冗談なんて」
「冗談だって?面白い事を言うね。僕は世界をまたにかける怪盗だぜ?当然の行動だろう?」
プーリンは、今さっきまで会話していた優しい海東と、目の前にいる怪盗を自称する海東が、同一人物だとは到底考えられなかった。
さっきまでの海東は転生者として先輩で、転生したばかりの自分に配慮してくれたり、他の転生者と引き合わせてくれたり、お節介な優しい人であった。
だが、この今自分に銃を向け、冷酷に自身の欲を満たそうとする人物は誰だ?
それとも、本性を現しただけ?また自分は騙されるのか?また、自分は———
そこまで考えたところで何人かの走る足音が近づいてきた。それとともに、海東が呆れた様子で話す
「どうやら、邪魔者が現れたみたいだ。運が良いみたいだね?マーリン君」
「———えっ?」
「私達は王都警備隊だ!強盗の通報を.....待て!海東、何をしている!」
動揺と不安が広がる場に、鋭い声が介入する。
赤いレジャージャケットを見に纏い、炎を連想させる柄と、全身赤で揃えた服装、鋭い眼光。
異世界に不釣り合いで、時代錯誤のUSBメモリのような物を持った男が飛び出した後、それに続いて男女数名が現れた。
男の問い掛けに海東は肩をすくめた
「何をしているのか、だって?
僕は通りすがりの怪盗さ。欲しいものは、手に入れる。どんな手を使ってもね」
その海東の言葉に、男は愕然としながら、けれど鋭い眼光は消えず
「ッ!お前はそんなやつじゃなかっただろう!」
男は大きな剣のような物を構えながら、以前との印象から豹変した海東を警戒する
海東はどこか飄々としながら
「欲しいものは手に入れる。これが僕の矜持でね」
海東は腰のカードホルダーからカードを抜き出し
「なら、こいつらの出番かな」
クルクルと器用に回転させたディエンドライバーに、カードを挿入した
<<カメンライド>>
<<クローズ!>>
<<マッハ!>>
「行ってらっしゃい」
海東によって召喚された、本来なら邂逅しえない2人の仮面の戦士が、彼らの前に立ちはだかった
ネイバーより不死身の男