警備本部の某所で、プーリンと藤丸立香が顔合わせをしている頃。
同じく警備本部の別の場所、所謂尋問室といったところで。机を挟み向かい合って座っている、
2人の男が邂逅を果たしていた。
「気分はどうだ?海東。」
「....とても、良いとは言えないね。」
1人は拘束を外され、それでも尚少し表情に暗い影を落としている、海東大樹。
そしてもう1人は、黒いスーツとそれに不釣り合いな派手なマゼンタ色のインナーシャツを着た男。首からはこれまた同じくマゼンタ色のチェキを掛けている。
「お前らしくもない。力を振りかざして暴れるとはな。今更、ロールプレイとやらでもする気にでもなったのか?」
そう言ってマゼンタ男はするりと椅子に腰掛け、チェキを弄り出す。
パシャリ、と一枚海東に向けて写真を撮った。
現像された写真は、全体的に輪郭がボヤけ、何も写さない。
人によってはヘタクソと暴言を吐くであろう程酷い写真だった。
「....一言、せめて何か言ってから撮ってくれたまえよ。」
「いや何、急にコイツを触りたくなっただけだ。他意はない。」
和やかに思える会話を2人が行っていると、マジックミラーを通して此方を見ているであろう人物からマイク越しに声が聞こえた。
『門矢士くん。我々は君を彼と世間話をさせに呼んだわけでは無いんだ。』
「分かった分かった。煩い奴め。俺に任せておけ。」
そうマゼンタの男が言うと、マイクの向こうで歯軋りのような苛ついているような雰囲気が伝わってきたが、それきり声は聴こえなくなった。
「海東、本題に入ろう。事件については照井達から話を聞いてだいたい分かった。だが、一つ気になる点があった。」
マゼンタの男は行儀悪く脚を組み、海東に向き合う。そして重々しい語り口で話す
「性格が、いや、人格そのものが変わったように見えた、と。まるでーーーーーー原作の海東大樹のように。」
「原作の....?」
海東は逡巡する。原作の海東といえばーーーーーーー自身が望んでその特典を貰ったにしろーーーーーーーあまり褒められたキャラクターではない。
自身の(嫉妬)欲の為に敵の親玉のロボットに乗り込んで操ったり、喧嘩をふっかけて物を盗んだりなど。(※個人の意見です)
正義の仮面ライダーとして活動する事もあるにしても、裏表の激しい人物だった。
「お前の人格が変わった事には、何か理由があるはずだ。それも決定的なナニかが。直前までお前、ーーーーーーー何してた?」
海東は記憶を思い出す、確か新しい転生者の案内をしていたはずだ。
「....プーリン君。新しい転生者の、性転換してしまった彼の、案内をしていた。異世界のね。」
「噂に聞く、神が新しく送り出したという転生者か。掲示板も賑わっていたぞ、お前が女を引っ掛けようとしてるってな。」
「僕は善意でだな『ともかく、そいつに自覚があるにしろ無いにしろ、何かしら関係があるのには間違いない。』」
「行くぞ。ーーーーそいつの所へ、な」
そう言って2人は立ち上がった。
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一方他所
プーリンは
「へぇ〜、ついさっきこっちに来たんだ。何処となくマーリンに似てるね。知り合いにいるんだ、そういう奴がさ。白くてふわふわしてるんだけど、悪い奴じゃないんだ。あっそうだ、Fateって知ってるかな。俺が呼ばれたってことはそう.....」
「そ、そうですかね....へへぇ....」
コミュ強の化け物に苦しめられていた