研究施設の地下。一般的には会議室と呼ばれるである場所に男女数名が集まり、暗い部屋で表示されている大画面を瞳に映していた。
「ーーーーーーって事で、コレが彼女の身体とか、持っていた物の正体ってことで満足して頂けたかな?」
「.....大体わかった」
話は3日前に遡るーーーーーーーーーーー
門矢士達は飲食スペースでダヴィンチに会った後、プーリンに対し検査を行わせて欲しいと打診された。
本人の同意も無しに行うというのは転移者としての人権に関わるとしてその日その場では保留され、プーリン本人が起きて同意が取れ次第行う、という方向性で話は纏った。
の、だが。
2日が経過した時点で、プーリンは目覚めなかった。身体に異常は無く、原因は不明。
多くの魔力を急激に失った時になるマインドダウン、単に緊張から解き放たれたことによる過眠。などと様々な意見が出た。
これを聞いたダヴィンチや、その他の研究者らが検査の前倒しを提案した。士達は致し方無し、ただし危険が伴うものはナシで。という条件の元、精密検査が実施された。
すると、驚くべき事実が発覚した。
彼女の所持していた杖から、強力な神性と、それを元とする怪電波のようなものがが発せられていたことがわかったのである。
杖はプーリンの身体の魔力と強く繋がっており、彼女の魔力を強制的に引き出すことで強力な電波を発していた。
つまるところプーリンは、異世界に怪電波を垂れ流すルーター、もしくは中継器の役割を担っていたのである。
そして問題となったのがこの怪電波だった。
現地の人々には何の害もない、無害なものであるのだが、転生者にのみ効果があるようなものだった。
その効果とは、思考が曲解される、もしくは人格が植え付けられ他人にされてしまうというものだった。
もっと詳しく解説すると、より原作に近い人格にされてしまう、という恐ろしい代物だったのだ。
海東が突然暴れ出したのは、その影響を受けてのものであり。
杖を欲しがったのは、怪電波を垂れ流していたことと深く繋がりがあるのかもしれない。
ダヴィンチ達が検査を急いだのには理由が有った。
プーリンが検査を行った日のちょうど前日。
ーーーーーーーーーーーーー警備本部が何者かによって襲撃を受けたのである。
巨大な火の玉が建物を包み込んだかと思うと、淡い青色の怪物が発生させたという斬撃によって警備隊は吹き飛んだという。
何処からか、いつの間にか侵入した青い怪物によって建物は被害が甚大になった。
幸いにも転生者らの奮戦と必死の救助により、死者は出なかったものの。一時王都警備隊のおおよそはは活動不能となってしまった。
コレを重く見た国王は、王都中央部を守護する国王直属の近衛隊を派遣し、王都警備隊と連携して王都を警備させることを決定。即座に動いた。
警備隊の活動不能を知り、犯罪の活発化を憂慮した、というのが公式発表だった。
犯行の男は現在も逃走中であるらしい。
目撃者達の証言、そしてその場に居合わせた転生者達の証言を合わせると、怪しげな紅い目をしたニンジャのような男だった、とのこと。原作はどこか、何処の誰なのか、能力は何なのかは鋭利捜査中である、とのこと。
事件現場には怪しげな連中が何人も散見されたことから、個人の犯行では無く計画的な犯行であることが分かった。
そして彼らの襲撃の後、牢屋で遺体が発見された。
死亡時刻はちょうど表で怪物が暴れていた時間帯。胸を何か太いもので貫かれたのが死因とされるのが、海東達に襲い掛かり撃退された貴族派の強盗だった。
神「だって転生者が悪いって言うから....原作に寄らせれば良かれと思って...」