「....ということなんだけど、理解出来たかな。」
「...まぁ、大体は、ですけど」
まぁ座ってよ、と言われたので、置いてあった椅子に座って。
この空間に来てから、謎の人物に今の僕の現状について色々と教えてもらった。
僕はどうやら、女の子を助けた代わりに命を落としたらしい。どうしてあんなことをしたのかは僕にも分からないけど、助かった命があったのなら、まぁ、良いんじゃ無いかと思う。
「それで君の扱いなんだけど、異世界、興味無い?」
「...異世界ですか?」
「そう、異世界。ライトノベルとかに出てくる、エルフとか、魔法とかがある世界。」
謎の人物が書類みたいな紙束をペラペラと見ながら、問いかけてくる。
異世界、これは、異世界転生という奴なのでは?中学の友達から借りて読んだ小説に出てきた設定だ。何かを庇ってトラックに轢かれた主人公が、実は死ぬ筈じゃなくて、お詫びとして特典とか貰って異世界でチートハーレムを築くっていう...。
「その、特典とか貰えるんですか?」
「特典?貰えるよ。でも、こちらが選んだ、その人に合った能力とかだけどね。以前までは転生者側に選んでもらってたんだけど、身の丈に合わない能力を選んじゃって、向こう側で暴走して迷惑かけちゃったんだ。」
自分では選べないというのは、結構ギャンブル性が高いように感じるけど。
「まあでも、その人の本質とかに合ったモノをプレゼントするから、悪いようにはならないぜ?」
僕の本質、か。死ぬ前は退屈で退屈で、このまま何もせずに死んでいくのかな、なんて思ってたけど...
「で?どうする?転生する?」
「...一つ、聞きたいんですけど。」
「なんだい?」
「異世界って、楽しいですか?」
きっと心躍る冒険や、運命的な出会いと別れもあるんだろう。
「...ああ、きっと満足すると思うよ。」
次の世界では、出来なかった事をやっていこう。
.....
謎の人物は、じゃあ色々と処理あるから、椅子に座ってゆっくりしてて。と言って突然出現したドアを通って何処かへ行ってしまった。
...あの人って一体何者なんだ?神?存在X的な...?
僕が本来死んでいる筈で、でもここにいるってことは、それを為したあの人はきっと理外の存在なんだろう。ということで考えるのをやめた。...もうちょっと恭しい態度だった方が良かったかもしれない、と少し反省した。
少しして、あの人が帰ってきた。
「はい、じゃあ処理も終わったので、能力とか付与して向こうに送りたいと思います。送られるまではまだ時間あるから、それまでに身体慣らしといてね?」
身体を慣らすっていうのは、能力を使いこなせって意味なのだろうか?でもこんな所で水噴射とか、火遊びとかして良いんだろうか?
「あっ、付与される能力って、何も火を出したりするだけじゃ無いんだぜ?個人の適正とかによっては女の子になったりもするんだから。」
え?ちょっと待ってそんなの聞いてないんですけど
「まさか...」
ニタリと、嫌な笑顔を浮かべる謎の人
「そう、そのまさかだ。君には女の子になってもらう!向こうでは女の子として冒険出会い挑戦そして恋愛諸々!頑張ってくれたまえ!」
ちょっと待っ————-