第7話
草原を抜けて、人の通りがあるのがわかる、道路に出た。もちろんコンクリートとまではいかなかったけど、石やレンガみたいな素材で出来た、近代的な道だ。その道に沿って東に行くと、目的地となる王都に着くらしい。整備された道に辿り着くまで結構歩いた気もするけど、疲労感も無く息切れなども無い。この身体は案外丈夫なのかも。
その間、僕と海東さんは街に着くまで色んな事を話した。
前世の事、この体の事、西暦何年から来たのかとか、どんな転生者がいるのかとか。
この身体の持ち主の名前は、マーリン。しかもそれの別作品に登場する、プロトマーリンと呼ばれる存在らしい。あの時話しかけてきたのが、おそらくプロトマーリンなのだろう。なんだが改めて元の身体の持ち主?というのだろうか、そういった存在を知ると、勝手に弄ったりするのも申し訳なく感じる。
.....そもそも性別が違うのだし、女の子の身体を弄るというのは....いや、でも、自分の身体として付き合って行くんだし....
そんなふうに悩んで、うんうんと1人頭を抱えていたら海東さんが、
「まあまあ、その身体に君の意識が入った時点で、その身体は君の物だ。その身体をどうするのも君の勝手だし、どのみちこの先長い人生、付き合っていかなければならないのはわかってるだろう?」
「今すぐ慣れろって言っているわけでもない。そんなこと言う権利、僕にも、転生させた神にも無いしね。ようは慣れさ。慣れ。」
「君は特に特殊な例だろうね。性別が反転したのは転生者の中にも1人、2人、.....いや、案外いるようだけど。先輩転生者の彼、いや彼女らにアドバイスをもらいたまえ。紹介してあげよう。」
海東さんは案外面倒見が良いようだ。転生者という共通点しか無いのにも関わらず、こんなにもお世話を焼いてくれるなんて。
自分も転生当初お世話になった人達への恩返し、なんて言ってるけど、それを実践出来る人は案外少ない。
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自分はとりあえず、この身体の名前である、マーリン、という名前を名乗る事にした。海東さんがいうには、彼の知ってるマーリンとはかなり違うみたいなのだが。雰囲気などは似てる程度、らしい。足元に花が咲いていたり、胡散臭かったり、本来のマーリンはするらしいのだが。
.....足元に花ってなんだよ。歩き辛く無いのだろうか。まぁ、人外だったらしいし、人の理解を超えた先にいるのだろう。
海東さんは魔術とかそういうのはあんまり精通してなくて、この世界の魔術はある程度わかる程度。ほとんど仮面ライダーディエンドの能力で片付いてしまうし、転生者仲間もいるから学ぶ必要が無いらしい。魔術に詳しい仲間も紹介してあげよう。とのこと。
.......一体何処までお世話になるのだろうか、自分は。正直惚れてしま....いや自分は男なのだから男に惚れるというのは自己のアイデンティティ的にどう....
なんで事を考えていると、ふいに海東さんが止まった。
「ほら、遂に着いた。見たまえ、転生者の集う街。近代化と文明開花の進むこの世界で1番といって良い技術の最先端を行く街、大陸の西側に位置するアノール・ロンド王国の誇る王都、ヤーナムさ。」
そう言って海東さんは街の方を指差す。
....その名前はちょっと駄目なやつでは?
海東さんは前世では普通の会社員やってた仮面ライダーとソシャゲにハマってた普通の人です。Bloodborneからヤーナム、ダークソウル シリーズからアノール・ロンドが名前だけ登場です。設定としてはむかーしむかしに転生してきた転生者が作った国なのですが、そいつが名付けました。国王や王族にはその転生者の血が流れており、転生者と折り合いをつけ協力しながら、国家を運営し国の平和を維持して来ました。