先に言っておきます。ラムちーファンの皆さんごめんなさい
命とは儚いものだ。寿命という物は人に等しく与えられるものだ。
それはこのアーラム村の住人も同じこと。
現在、アーラム村の一人の定食屋の男性の命が消えた。
寿命とは人に定められし覆せない運命。それは『死に戻り』という恩恵を受けているスバルにもどうにもならない定められた運命なのだ。
本日はあーらむ村にて葬儀が執り行われており、スバルたちも出席をしていた。
「本日は、ご冥福お祈り申し上げます」
定食屋の男性の奥さんに挨拶をしていた。
「ああ、スバル様、それに皆様も…今日はありがとうございます」
「水臭いこと言わないでくれ、恩人の葬式に来ない恥知らずはいないぜ」
スバルの言葉に同意するように後ろのオットーが口を開いた。
「そうですよ。ロズワール邸が炎上した後に食料の提供してくれた人ですもん」
「美味かったなぁ…オヤジのマヨネーズ蕎麦…あれが食えなくなると思うと寂しくなるよ…」
ロズワール邸のメンバーがそれぞれ感謝の言葉を口にしていると、定食屋のおばちゃんは涙をうっすらと浮かべながら口を開く。
「よしてください、あの人が湿っぽいの嫌いなの知ってるでしょ?今日は、祭り好きだったあの人の為に笑って送ってあげてくださいそれが何よりだから…」
「……そうだな…すまねえ…」
一通りの挨拶を済ませたスバル、レム、オットーは階段を上り葬儀が行われる上の階に向かう。そこにはアーラム村の半分以上の住人と王都からも数人の住人がいた。
「結構人多いですね」
「そうだな、これもオヤジの人徳ってやつだよ、客一人一人に好みの定食を提供するなんてそう居ねえからな。儲けなんかなかったかもしれないけど、こうして金で買えないものを得たわけだ」
奥に進んでいくと、そこに見知った顔があった。ロズワール邸のレムの双子の姉であるラムとロズワール邸の領主ロズワールと王選候補の一人エミリアだ。
そんな三人の中で一人、珍しく激情に駆られている人がいた。それはラムだ。
「オヤジさん…!」
珍しく他人に対し涙を流しているラム。新鮮と言えば新鮮だが、彼女にも親しい人間はいるはずであろう。スバルは全く動揺せずにいた。
「何で、何でこんなに早く…!」
「ラム、ご霊前だぁーよ、落ち着いて」
いつも通りの服装で場違い感が半端ないロズワールだが、そんなことは今はどうでもいいだろう。
「そういえば、あいつらは早めに出るとか言ってたな…」
スバルたちはすぐに三人に合流するために歩を進めるとラムたち三人は後ろから近付いてくるスバルたちに気が付いて立ち上がり、ラムとスバルは珍しく小さく礼をした。
「…惜しい人を亡くしたわね…」
「ああ、またこの世界の宝を失ったな…」
親しい人を失うというのは二人は痛いほどわかっている。だからなのか、二人がこれほど悲しそうな顔をするというのは…
「な、何ですか…やけにおとなしいですね二人とも…」
「姉さまもスバルくんも相当こたえてるみたいですね…」
「そうだぁーねぇ、今日は大人しく、葬儀を行おうじゃぁーないか」
一番後ろの席に座るロズワール邸のメンバー。そして葬儀は始まった。何やらハートの柄がびっしりとプリントされた服を着たお坊さんがやってきて、霊前に座りお経を唱え始める。
「ナーンマーイダーナーンマーイダーナン…ナーニマーイダーゲーンマーイダーシーンマーイダー…」
誰もが聞いたらふざけたお経だということはわかるだろう。しかし、誰も突っ込まずにじっとその場で正座をしている。だが、少し経つとオットーがツッコミの言葉を口にする。
「…なんだかふざけたお経ですね…バチ当たらなければいいんですけど…」
「確かに」と思ったのだろう、スバルは目を開いて前を見てみる。すると、この世に起きてはいけないであろうことが目の前で起こるのだった。スバルがオヤジが入っている棺桶をジィーっと見ていると、
『オヤジの姿をした何かが棺桶から半透明の姿で出てきたのだ』
当然平然とできないであろう。スバルは表情を崩さないでいたのだが、その半透明のオヤジの何かはこちらに顔を向けたのだ。
なんだかお坊さんが「ナーンマーイダーダーイジョーブダー」とかなんとか言ってるがスバルの内心では大丈夫ではなかった。
スバルは横にいるオットーの肩を余計に力が入った状態で叩く。
「痛ッ痛い!何なんですかナツキさん!」
ガクガクと震えた状態で目の前の半透明のオヤジを指さす。
「オイ、アレ、アレ…」
オットーはスバルが指さしているところを見るが、オットーは何かに驚くような素振りを見せない。そしてそんなオットーの口から発せられた言葉は
「なんですか?」
見えてないような言葉を発せられた。
「いいいやあああアレェェェ!オイ、アレェェェェ!!」
そんな状態でついに動揺を隠しきれなくなったスバルは必死に半透明なオヤジを指さす。だが、見えていないオットーからはスバルが何もない所を指さして騒いでるようにしか聞こえず、スバルに注意する。
「ちょっと落ち着いてくださいよ何を騒いでるんですか!?」
「いぃぃぃぃやいやいや!あれだよあれ!オイ、アレェェェェ!!」
「どうしましたかスバルくん、もしかしてあのお坊さんのお経がおかしいので怒っているのですか?ならレムが!」
そう言い出したレムの手には護身用の鉄球をどこからか出してきたが、それをオットーが止めに入る。
スバル以外は見えていないのだ。この事実に若干絶望しているスバルだったが、
「どうしたんだぁーいラム」
隣の席から声がした。それはラムだった。ラムはスバルのようではないものの、同じように半透明のオヤジに指をさしていた。
「ろ、ロズワール様、アレですアレ!」
だが、肝心のロズワールとエミリアは半透明のオヤジが見えていないらしく
「もう、ラムったら、そんなにはしゃいじゃめっなんだから」
エミリアからも注意を受けてしまい若干慌て出すラム。そんなラムの様子を見ていたスバルは慌て出したラムに声をかけることにした。
「ひょっとして、ラム見えてる?」
「えっ?」
ラムが指を再び半透明なオヤジを指すとスバルはゆっくりと頷いた。
「なな、な、何なのアレ…ひょっとしてアレら、ラムたちにしか見えるとか、そういうアレなの…?」
「いいいいいやああああ……そそ、そういうアレじゃないと思うよアレは多分ああいうアレだろ大丈夫だろォォォ」
「だ、大丈夫じゃないでしょ、ああいうアレじゃないでしょそういうアレでしょ?だってあれおお、お、お、オヤジさんじゃあ…!」
「バカ言ってんじゃねえよ!オヤジは死んだんだよオヤジの葬式だよこれは!大体オヤジはあんな半透明じゃななかったしさあ!もっとはっきりとハキハキした男だったろ!?別人だよ!」
「……そうね…確かにはっきりしてたわ…半透明じゃなかった…もっとハキハキしてたわ………………というか、半透明の時点でおかしいと思うのだけれど… オヤジさんであるかどうかの前に半透明って何?おかしいわよ」
「じゃあオヤジでいいだろ!そういやあここぞというときは優柔不断ではっきりしないところあったろ!?半透明だったろ!?」
「……そういえばそうね…はっきりしてなかったわ…半透明な時もあったわ……………というか、オヤジさんなら尚更おかしいわよね?何で死んだオヤジさんが、半透明でここにいるのよ」
「そりゃあ、お前…あれだろ?『オバケ』だからだろ」
「…ああ、なるほど、理解したわ…『オバケ』…ね…」
徐々に冷静に分析をし出した二人は目の前の半透明のオヤジがオバケであることを分析し、その場から脱兎のごとく逃げようとした
「「いやあああああ!!!!」」
果たして、二人は逃げることができるのか!?
次回に続く。
アニメで見せる笑顔とか、驚いた表情とか、ラムちー可愛い。スバルくんは銀さんの役意外と似合ってて草
次のお話
-
スバル&エキドナ「ベア子に彼氏?」
-
レム「お前の後ろだァァァ!」怪談話
-
ラム「…眠れないわ…」