Re:ゼロから始める異世界万事屋生活   作:伊吹恋

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今回何か所か土方の台詞をスバルに変更しています。なんだかラムがお声でツッコミしてるのが違和感しかなかったためです。
ロズっちは近藤さんの役合いすぎな気がする…


「葬式って初めて行くと意外とみんな明るくてビックリする」その2

前回までのあらすじ

 

アーラム村の気の良い定食屋のオヤジさんが他界し、葬式に出席したロズワール邸のメンバーたち。式が始まる中、スバルとラムの二人は半透明なオヤジが現れ逃げようとした。

果たして、二人は無事に式を終えることができるのか?

 

「「いやああああああ!!」」

 

恐怖のあまりにその場から颯爽と離脱しようと仕えるべき主人たちを置き去りにして逃げようとするスバルとラム。しかし、長時間正座していたことにより立てないでいた。ドタバタと騒がしい二人を見てオットーは注意を促す。

 

「ちょっと!二人とも何をやってるんですか!」

 

「かかかかか、厠に!ちょっとトイレにィィィィ!!」

 

「正座で足がしびれて…!逃がさないわバルス」

 

足がしびれ立ち上がれないラムはうつぶせのまま葬式場のドアを倒してそのまま張って出ていこうとするスバルの足を掴みだした。それを手でどかそうともがき出すスバル。

 

「離せェェ!お前何やってんだよォォ!!」

 

足を引っ張り合う二人はハッと何かを感じ取ったのか、幽霊であるであろうオヤジの方を向くと、

 

『……』

 

オヤジはスバルとラムの方をジッと見ていた。

 

「オイィィィィ!!オヤジメッチャこっち見てる!メッチャガン見してるゥゥゥゥ!!」

 

「ま、不味いわ!目を合わせちゃダメよバルス!気付いてないフリをするのよ!」

 

しかし、その二人の行動が裏目に出てしまったのか、オヤジの霊は棺桶から立ち上がり、ゆっくりとこちらに向かって歩を進め出したのだった。

二人の心臓はバクバクと鼓動を早まらせ、焦りの有頂天が超えそうになっている。

 

「オイィィィィ!!こっち来てるぞ!オヤジこっち来てるぞどうすんだよオイィィィィ!!」

 

「死んだふりしなさい!死んだふりでごまかすのよ!」

 

「死んだふりってお前死んでんのアッチだからね!?あっち本職(?)だからねぇ!?」

 

ユラユラと歩を進めるオヤジ。すると何かに視線を向けるオヤジの霊。それは葬式にもかかわらずその場で読書をしている王都の人間だった。誰もがご霊前にて黙祷をささげている中、一人勤勉に読書をしているその王都の人間。誰も注意していないのをよそに黙々と読書をしているその男に、オヤジは近づき

 

「ぐはぁッ!!?」

 

思いっきり霊体なのにも関わらず殴り、その身体を吹っ飛ばしたのだった。

身体を壁に叩きつけられた男は鼻血を垂れ流し白目を向いて気絶状態。みんなが「何だなんだ」とあわただしくなっている間、オヤジの霊体は異様な変化を見せる。

 

筋肉が飛躍的にモリモリになり、腕の袖部分を破りちぎれ、サングラスに口には葉巻、葉巻に火をつけるとオヤジは握りこぶしの骨をゴリゴリと鳴らして仁王立ちしていた。

 

その一部始終を見てしまったスバルとラムはすぐさま自分の席に戻った。

 

「あれ?ラム、トイレに行くって言ってなかった?」

 

エミリアの言葉が耳に入っているのかわからない程二人の身体は恐怖でガクガクと震えている。

 

「い、いえ、引っ込みました…」

 

「引っ込んだって、二人ともガクブルですけど大丈夫なんですか?」

 

「い、いや、引っ込んでろ…」

 

オットーの心遣いにも余裕がないように辛辣に応答するスバル。オヤジの行動を鑑みるに、何をしているのか、それは自分の葬儀がちゃんと行われているか見張っているのだ。

 

「みみ、見張りに来たのね…オヤジさん、自分の葬儀がキチンと執り行われるように地獄の底から舞い戻ってきたんだわ…」

 

「マズイぞ…この葬式下手をやらかしたら…」

 

前を向くとオヤジの霊は葉巻を吸っている状態で自分の身体が入っている棺桶に足を組んだ状態で座り、寝ぼけながらお経を読んでいる坊主の頭に

 

ジュウゥゥゥウ!

 

吸っていた葉巻を当てて火を消していた。

坊主はその熱により目を覚ましながら悲鳴の様に再びお経を唱えだす。

 

「「オヤジ(さん)に、たたり殺される!!」」

 

「(いいい、今みたく寝ながらお経を読んでいたお坊さんのようにラムたちも…!!下手をこいて何されるかわかったものじゃないわ…!!)」

 

「(じょ、冗談じゃねえぞォォ!!俺は、あの気の良い定食屋のオヤジに別れを言いに来たんだ!あんなハードボイルドな定食屋に会いに来た覚えはねえぞォォォ!!!)」

 

思考を巡らせどうするか悩んでいると、ラムの前の人が声をかけてくる。

 

「あの、次焼香あなたたちの番ですよ」

 

「えぇっ!?」

 

「いやだから焼香の順番、もう遺族の方も私たちも終わらせましたので、残ってるのあなた方だけですよ」

 

ついに回りに回ってきた焼香の順番、焼香は霊前の前まで行き行われるもの、ここで何か下手なことをすればオヤジが直接天誅を下してくるであろう。心の準備も整っていないにも関わらず回ってきた焼香の順番に二人の脳内は再び焦り始める。

 

「ちょっと、いつの間にか焼香の順番が回ってきたわよ…どうするの?」

 

「ふざけんじゃねえぞ…この距離でもチビりそうなのに、あんな間近くでゆったりアロマテラピーできるわけないだろ、ケツから別の香が漂ってきそうだわ…つーか焼香ってどんな感じだったっけ?前出て粉パラパラするのは覚えてるんだが記憶がふわふわしてるんだけど」

 

「全くアホねバルスそれでもロズワール様に仕える使用人なの?三回おでこに粉持ってアレをアレするアレよ」

 

「後半『アレ』しか言ってねえじゃねえか!お前もふわふわじゃねえか!」

 

「焼香台まで行けばわかるわバルスと同じにしないでもらえる?不愉快よ」

 

「じゃあお前先に行って来いよ!」

 

「ふざけないでバルスが行きなさい…!」

 

焼香の順番を擦り付け合いが始まっている中、オットーが立ち上がった。

 

「じゃあ、ボクが先に行きますんで、エミリア様とレムさん見ててくださいね」

 

何も知らないとはいえ、命知らずなのか、オットーが立ち上がり前に出た瞬間、スバルはオットーを止める。

 

「ま、待てオットー早まるな!」

 

「えっ、早まる?レムさんとエミリア様が焼香がわからないからお手本をお見せしようと思って」

 

「できるんだな!?絶対しくじるんじゃねえぞ!?必ず帰って来いよ!?約束しろ!」

 

「バカにしてるんですか?まあいいや、二人ともよく見ててくださいね」

 

簡単な焼香の手順

 

➀遺族と坊主に一礼

 

「まず焼香台前に行き遺族とお坊さんに一礼」

 

➁遺影に合掌

 

「焼香台前に座り、遺影に合掌」

 

➂左手に数珠、右手に抹香をつまみ額におしいだき、香炉へ落とす。これを三度

 

「左手に数珠、右手に抹香をつまみ額におしいだき、香炉へ落とす。これを三回繰り返す」

 

➃もう一度遺影に合掌、遺族に一礼

 

「最後にもう一度遺影に合掌、遺族に一礼して」

 

そこまでの手順を行ったオットーは元の席に戻り正座しなおす。

 

「おしまいです。簡単でしたでしょ?」

 

スバルと約束した通り無事に戻ってきたオットーにスバルは親指を立てて労い出す。

 

「ミッションコンプリート、お前なら必ずやれると信じていたぞ、今日は祝勝パーティーだなおめかしして来いよ!」

 

「…さっきから腹立つんですけど…何なんですかナメてんですか?」

 

「ふっ、ラムから言わせればまだまだだけど、少しはマシな顔になって帰ってきたわね…」

 

「焼香一つでどれだけ褒められてんですか!?どんだけできない奴だと思われてるんですか!?」

 

問題のオヤジの機嫌はというと、

 

「見て見なさい、心なしかオヤジさんの表情が柔らかくなったみたいね、この調子なら無事葬儀を切り抜けられそうよ」

 

問題は次に誰が焼香に行くかという点だ。そして率先して焼香台に進んだのは。

 

「では僭越ながら、レムが行きますね」

 

レムだった。レムは前に進み焼香台に立つ。

 

「レム!オットーがやってた通りにやるんだぞしくじるなよ!?」

 

「スバルくん任せて下さい!バッチリ頭に叩き込んでいますから!」

 

そして焼香台に立ったレムの最初の行動は

 

「えっと、まずは…」

 

➀遺族と坊主に一礼

 

レムは坊主の頭に軽くチョップを繰り出した。流石の鬼の一族の力であろう、軽くても坊主の鼻から大量の鼻血が噴出された。

 

「意外にお坊さんに一撃、でしたよね?」

 

「端から丸々違うだろうがァァァァァァ!!」

 

➁遺影に合掌

 

次にレムはどこから出したのかマイクを手にとり

 

「い、イェーイ!」

 

と少し恥ずかしそうにマイクを両手に持ち合唱をし出す。そしてその手に持っているマイクをお坊さんに向ける。

 

「い、イェーイ…」

 

白目を向きながら律儀に答えるお坊さん。

 

「イェーイで合唱じゃねぇェェェ!!ノらなくていいからお坊さん!!」

 

➂左手に数珠、右手に抹香をつまみ額におしいだき、香炉へ落とす。これを三度

 

左手に数珠を持った状態で満身創痍なお坊さんの顔を香炉に叩きつけ始めるレム

 

「坊さァァァァんんんん!!!」

 

➃もう一度遺影に合掌、遺族に一礼

 

「い、イェーイ!」

 

再び恥ずかしそうにマイクを握るレム、そしてそれにこたえるお坊さん

 

「い、イェーイ…」

 

「坊さァァァァんんんん!!!」

 

そこまでの行為を行うとトテトテと戻ってくるレム。

 

「こんな感じでどうですかスバルくん!褒めてくれてもいいのですよ?」

 

まるで犬のようにナデナデをおねだりするように自身の頭をスバルに突き出すレムだったが、そんなことは今はどうでもよかった。

 

「お前はオットーの何を見てたんだ!?誰が坊さんの頭にバッチリ叩き込んで来いって言ったよ!!」

 

「すみませんスバルくん、正座で足がしびれてたもので…」

 

「足関係ねえだろ痺れてんのお前の頭ァ!!」

 

レムの行動によりオヤジの霊は黒いオーラが全身に漂い始めていた。

 

「まずい、オヤジさんの機嫌がみるみる…!」

 

「と、とにかく葬儀を立て直すぞ!一文多く付け足す!➀遺族と坊主に一礼!➁その後坊主を蘇生!➂そして焼香だ!」

 

「んじゃ、リアの代わりにボクが行くねん」

 

いつの間にかエミリアの精霊石から出てきたパックがその場にいた。パックはユラユラと浮いて焼香前に行こうとしていた。

 

「パック!?大丈夫なのか!?行けるんだな!?」

 

「任せてよ、ボクの台詞の後の一文通りやればいいんでしょ?」

 

➀遺族と坊主に一礼

 

「遺族を一礼で坊主」

 

➀遺族と坊主に一礼→➀遺族を一礼で坊主

 

遺族の前に立ったパックは遺族の頭に乗っているカツラをポンと取り外した。

 

「そっから間違ってるけどォォォォォ!!?何文章まで勝手にいじくってんだよ!のっけから前に進んでねえじゃねえかもういい!!もういいから、坊主を蘇生させて帰ってこいィィ!!」

 

「もうしょうがないなぁ」

 

と言いつつ手に持っていたカツラを前で倒れているお坊さんの頭に乗せて帰ってくるパック

 

「何を蘇生させてんだァァァ!!誰が坊主の毛根を蘇生させて来いっつったよ!さっきと何も変わってねえだろ!頭にカツラ乗っただけだろォォォォ!!」

 

「えっ、でも、心なしか安らかな表情になったよ?」

 

「いいことあってよかったわねお坊さん…」

 

「じゃねえだろ!?」

 

ここまでの冒涜を繰り返してきたエミリア陣営のみんなの様子を見ていたオヤジの霊は黒いオーラから金色の立ち上るオーラが体中から流れていた。

 

「オイィィィィィ!!もうオヤジご立腹だよ!伝説のスーパーサイオヤジになってるよ!とにかく坊主の救出を最優先にしよう!➀まずは坊主を蘇生!➁そして遺族と坊主に一礼に変更だ!」

 

「…!ちょっと待ちなさいバルス、遺体が増えてるわ…遺族よ!」

 

先ほどパックにカツラを取られた遺族は白目を向いて倒れていた。

 

「何でヅラ取られて死んでんだァァ!!どんだけメンタル弱いんだよっつーか何でみんなガン無視?ヅラに気付いてないフリをしてあげてるの!?それが優しさなの!?」

 

「しかたなーぁいなぁ」

 

スバルが一人でツッコミ切ったところでここで立ち上がったのはロズワールだった。

 

「じゃーぁあ、➀お坊さんと遺族の蘇生、➁そしてお坊さんと遺族に謝罪及び一礼に変更すーぅるよ。このままではオヤジさんの葬式が滅茶苦茶になーぁるからねーぇ、部下の不始末は上司である私がやるのが筋というものだーぁね」

 

「ろ、ロズワール様…」

 

「まーぁ見ててねーぇ、私も長く生きている、葬式にも行きなれているかーぁら、焼香なんてお手の物だーぁよ」

 

焼香台の前に立つロズワール。そしてクワッ!と目を見開き、行動に入る。

 

「まずはお坊さんの蘇生!」

 

目の前に倒れている遺族を座らせて数珠、木魚を叩く棒を握らせるロズワール

 

「貴方はここでお経を詠んでくださいねーぇえ」

 

「それハゲてっけど遺族!!」

 

「そして遺族の蘇生!」

 

さっきまで坊さんの頭に乗っていたカツラをさっきまで遺族が座っていた席に置いて一礼、謝罪をするロズワール。

 

「どーぅもすみませんでした」

 

「それ遺族の遺族!!」

 

そして倒れている坊さんを遺族の前に出すロズワール。

 

「そして木魚だーぁよ」

 

そして前に出された木魚(坊さん)をコンコンとたたき出す遺族の人。

 

「ロズワール様、もうお坊さんを許してあげてください…」

 

「いい加減にしろよお前ら!どんどん状況が悪化して言ってんだろうがァ!!」

 

「…というかあの遺族はなぜ言われるがままお坊さんをしているの…?」

 

「頭のショックで一時的な記憶喪失みたいだーぁよ?」

 

「消失したのは頭の『中』じゃなくて頭の『上』だろ!?」

 

ここまでのオヤジの様子は、某ジャ〇プ漫画の様に気をため出し、今にも爆発しそうな勢いだった。

 

「オイィィィィ!!オヤジもうカンカンだよ!元〇玉ぶちかましそうな勢いだよ!!」

 

ここまで来てしまうと修復を不可能、そう判断したスバルは颯爽と逃げる準備をする。

 

「もう知らねえ!人の気も知らねえで勝手にやりやがって…!」

 

「待ちなさいバルス!自分だけ逃げるなんて許されるわけないわ!」

 

スバルに続いてラムも立ち上がり逃げ出そうとする。

 

「ちょっと待って下さいナツキさん!まだ葬儀中―――――――――」

 

止めに入ろうとしたオットーの声が途絶え、後ろからバタンバタンと複数の倒れる音が聞こえる。

 

「「えっ…?」」

 

丁度階段前に来ていたスバルたちはその状態を見てしまう。

 

「お、オットー・・・?」

 

倒れたオットーに声をかけるスバル。しかし、オットーの身体はピクリとも反応しない。よく見るとその場にいたレム、エミリア、ロズワールも倒れていた。4人ともまるで抜け殻になったように倒れたまま動こうとしない。しかもパックまでいつの間にか消えていた。

嫌な予感がする。ふとオヤジの方を見てみると、そこには、四人と一匹の魂のようなものを持ったオヤジの姿があった。

 

逃がさない

 

そのような強い意志を感じ取る二人、簡単に言うとこうだ

 

 

 

「「(魂質、とられたあぁぁぁぁ!!!)」」

 

本格的に逃がそうとしなくなったオヤジの霊、果たして、二人は無事に4人と一匹の魂を取り戻し、無事に生還できるのか!?

 

 

次回に続く

 

 




レムリンは絶対神楽みたいなことはしないにしてもマイクをもってイェーイ!は恥ずかしそうにしてると思うんです(真顔)
そのあとスバルに褒めてもらおうと仔犬のように尻尾を振って褒めてアピールするはずです(真顔)

次のお話

  • スバル&エキドナ「ベア子に彼氏?」
  • レム「お前の後ろだァァァ!」怪談話
  • ラム「…眠れないわ…」
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