帝国軍人ドルフロ世界に転生す   作:岡村優

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第11話

スプリングフィールドから報告を受けた徳永は、頭を抱えた。

 

「そこの指揮官が私の曾孫で、妻が伏見家のご息女で、挙げ句の果には子供がいるだと…悪い冗談だ…」

 

G36は、呆れていた。

 

「指揮官、現実を見ましょう」

 

「分かった」

 

凄く切り替えが早かった。

 

 

「で?どのぐらいで着くの?」

 

「30分程ですね。」

 

「じゃあ、自衛隊の方々を集めたら呼んでくれ…整理してくるから。」

 

「分かりました。」

 

40分後、集めたとのことで演習場に向った。

全員の前に立つと一番前にいた。青年が号令を掛けた。

 

「総員着剣!」

 

チャキン

 

「捧げ〜筒!」

 

ザッ

 

 

「直れ!」

 

よく訓練されていると素直に思った。

 

「諸君、私は、大日本帝国陸軍第一近衛師団長岡村徳永大佐である。訳あってここで指揮官をしている。この世界には日本は無い無論わが祖国もだ。そこで二つの選択肢を用意した。一つは武装を解除し、一般人になること。2つ目は、私の元で戦争に参加することだ。一般人になりたいものは挙手せよ!」

 

実は、ここにいる自衛隊員は、全員が戦争に参加する事にしたので当然ながら手を挙げるものは居なかった。

 

「本当に良いのか?…私の聞いた話とは、違うのだが?…そこの号令をかけた君…日本国の人間は戦争が大嫌いだと聞いたのだが違うのかね?」

 

号令を掛けた青年が答えた。

 

「確かに、私の国の人々は、戦争が大嫌いです。しかし我々は大日本帝国が世界に一太刀入れ、欧米列強から植民地を開放した事を知っています。…平和を求めて戦ったことも知っています。

今貴方が戦っている戦場は、国では無く人類の為だと聞きました。戦う力が有るのにそれを使わないのは軍人ではあり得ません。それが人類の為なら尚更。それに、大東亜戦争で戦った我らの先祖に顔向けできません!故に!戦列に加えていただきたい!人類の荒廃はこの一戦にありです。」

 

まさか子孫に尊敬されていたとは思わなかったようで気づけば涙が溢れていた。

 

「相分かった…カリーナ!戦車やらなんやらをすべて地下格納庫に、G36、宿舎を全ての人形に案内させろ。」

 

「了解」

 

「自衛隊の指揮官は誰か?」

 

青年が一歩前にでた。

 

「小官であります。」

 

「では貴公が…では私に付いてきてくれ。…妻もだ。」

 

「分かりました。」

 

「以上解散!」

 

総員敬礼して分かれた。

 

司令部に付くと切り出した。

 

「官姓名を聞こうか?」

 

「日本国陸上自衛隊、中央即応集団所属岡村優弥ニ佐で有ります。貴方の曾孫で有ります。」

 

「そうか…お嬢さんは?」

 

「始めまして、伏見宮家長女でいまは。優弥さんの妻で知恵と申します。よろしくお願いしますわ。ひいお祖父様。…そしてこの子が息子の優ですわ。」

 

か弱そうな腕には。赤子がすやすやと寝ていた。

 

「フッ…可愛いな?いい子だ」

 

「抱かれてみますか?」

 

「良いのか?」

 

「ええ、だって貴方の子孫ですよ?」

 

「では遠慮なく。」

 

抱いてみると案外重かった。

 

「重いな、骨がしっかりしてる証拠だ…ありがとう。」

 

赤子を返した。

 

「済まないな。まさか全員が志願するとは思わなんだ」

 

「はっきり言うと私もですが」

 

「そうか…では。貴公には、引き続き指揮を執ってもらう。いいな?」

 

「分かりました」

 

「所で右目が赤いのは十塚家の血を引いてるからか?」

 

「はい異能も健在です。」

 

「そうか…よろしく頼む」

 

「はい」

 

「所でひいお祖父様?私は、どうしましょう?」

 

「そこなのだ…頭を抱えているのは…」

 

「何故です?」

 

「国が作ると思われる可能性があるのだ…」

 

「お断りします。」

 

「そう言うと思ったよ。だから命が…な?」

 

「でしたら命を断ちます!」

 

これには流石に戦慄した。

 

「いや!何も…そこまでせんでも!この基地からで無ければ良いから!」

 

「分かりました」

 

「ハァ…嫁さん頑固だな…心臓に悪いよ…」

 

「慣れてください」

 

「精進するよ…」

 

その後、基地総出で宴会になったのはゆうまでもない。


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