真・恋姫†一刀無双 ~初出会は少女仙人-混沌の外史~   作:カメル~ン

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第○➀話 一刀降臨

 

 

 

 こんな光景は、今までに見たことがなかった。

 その考えがはっきりと読み取れる顔付きで、一人の少女が口を少し小さく開き、驚きの表情をしながらそれに見入ったまま、かなり上空を見上げていた。

 

 ここは、大陸の聖地、五名山の一つである東岳泰山近くの山の中。

 東岳泰山は兗州の泰山郡にあり、この辺り一帯には未開の森が広がっている。

 木々の合間より夜空が開ける場所から、少女は空の一点を見つめていた。

 

「………」

 

 白き光の塊であった。

 それは卵を引き延ばしたような楕円状に輝いており、長さは目測で九尺(二百七センチ)と少しあるだろうか。

 今日は月が満月に近く明るいが、夜の帳の中で月光以上の光を放っていた。

 眩しく輝いている塊はゆっくりと降りてくる。

 しかし、その輝きは降りてくるほど薄くなっているようだ。

 そしてその中に、薄く影のような何かが見えてくるのに少女は気が付いた。

 

「……人?」

 

 少し離れていた場所で見ていた少女は、思わずその輝きへ向かって走り出していた。

 ほぼ見通せない暗い森の中を、まるで見えているような動きで、木々の枝や葉を掴んだり避けながら、合間にちらりと上空の輝く光を追う。

 彼女は、俊足の人外的な動きと身の熟しで、あっと言う間に降りてくる光の真下近くまで来た。

 そこは、少しだけ木々の隙間があり、開けていた場所だった。背の低い草が茂る中、地面が所々に見えている。

 光の降下はまだ止まらない。

 しかし、それはもうほとんど光を失っていた。

 光の中にあったものの姿がはっきり見える。どうやら少年のようだ。

 そして、少年の体は地上から、三尺(七十センチ)ほど地上から浮いていたが光の消滅とともに……いきなりドサりと落ちた。

 

「ぐっ……」

 

 少年は頭を押さえて少し呻いていた。どうやら頭を打った模様。

 そして少女は―――

 

 

 

 些かビビっていた。

 

 

 

 少女は仕方なく少し離れたところから、「大丈夫ー?」と声を掛けたが、帰ってきた言葉は、その返事には成っていない言葉だった。

 

「いてて……。えっ? 真っ暗……?! ……ここ、どこなんだよ?」

 

 頭を押さえながら気が付いた少年は、予想外だったのだろう。周りが暗いため、驚いた声を上げながら、その場に座り込む形で上半身を起こす。

 少年が女性と思われる声の方を向くように顔を上げると、薄暗い中、森が周りを囲み、ここは空き地なのか草が茂り点在する地面が見える場所で、自分から少し離れたところに少女が一人立っているのが見えた。

 その声を掛けてくれたであろう少女の背丈は、自分の顎の位置より高めの百五十五センチぐらいだろうか。周りは暗いため、色が黒く見える髪は、頭のつむじの部分で後ろ手に一つに大きく丸く纏められている。

 服装は、首から膝まで覆うマントのような暗い色目の分厚そうな大布で全身を隠していた。背中に剣のような長物を担いでいる。足元はブーツのようなふくらはぎまで隠すものを履いていた。

 顔は薄暗い中でも、少し切れ目だが僅かに大きめで、美人だとはっきり分かる整った顔立ちだった。自分と同じか少し年下ぐらいでまだ少し幼いようにも見えたが。

 その少女は少年を観察しながら答えた。

 

「ここは、泰山の傍の山中よ。……君は、何者?」

 

 少女はあの光に巨大な気を感じて上空に気が付いたのだ。それは発見時、少女の持つ力を大きく超えたものだった。

 今、少年からは特になにも感じられないが、そのためまだ油断することが出来なかった。

 

「俺は北郷一刀っていいます。 た、泰山? ……えっと……すみません、広い範囲でいうとどこの県ですか?」

(泰山を知らないの?! ……なんだこの人は?)

 

 驚きの表情をする少女は、とりあえず少年へ答えを返す。

 

「私は、雲華(ユンファ)よ。泰山は泰山郡にあるでしょ? 県? …泰山が泰山郡の中のどこの県にまたがっているかが聞きたいの?」

 

 一刀はそう雲華と名乗る少女に逆に聞かれる。

 

(ゆんふぁ? 中国の人かな……? それよりグンの中に県?! なにそれ?)

 

 自分の認識と違うその内容に混乱する一刀だった。

 

「えっと、グンの中に県って……あの、そのぉ……」

「……なにかな?」

 

 話が噛合わないことに、少女は少し不機嫌になりつつ言葉を返した。

 一刀は今いるこの場所について、まず基本に返ることにする。

 

「一つ聞きたいんだけど……ここって日本……ですよね?」

「……に・ほん? なにそれは?」

 

 雲華と名乗る少女は、知識にない名称が出てきて少し悩んだが、機転を利かせて少年へ聞いてみる。

 

「……もしかして、それはどこか遠くの国の名前なの?」

 

 一刀は雲華の言葉から取っ掛りを見つけて飛びついた。

 

「そうです、国の名前です! 日本です」

 

 しかし、雲華は少し考えるが、すぐ小首を傾げる。

 

「私も少し物知りな方だと自負してるけど……そんな国の名前は聞いたことないわよ。この国は……そうね、漢という名前よ?」

「かん……?」

 

 一刀は、これはアカンっ――と思わずくだらな過ぎるダジャレを考えてしまったほどショックを受けた。ここは日本じゃないらしい。

 

「……今、西暦何年ですか?」

「セイレキ……? んー、先ほどから、どうも君の言うことがよくわからないんだけど」

 

 雲華は少年の体の気の流れや様子から、本気で彼は迷っているようだと確信する。そして逆に質問してみることにした。

 

「……あのさぁ、君、ホンゴウカズト…殿だっけ? さっき光りながら空から降りてきたけど……君は天の人なの?」

 

 一刀はそのあまりの内容に一瞬絶句ののち、思考の混乱が加速する。

 

「………………。えぇっ、空から降りてきた?! 俺が……ですか?」

 

 雲華と一刀は淡々とやり取りする。

 

「うん、そうよ」

「……光りながら?」

「そうそう」

「……俺が……天の人?」

 

 そして、一刀は固まっていた。意味が分からず、固まっていた。

 ここはどこで、そして一体自分になにが起こったのかが全く分からない!

 

 表情といい動きといい、思考が固まっている彼を見て、雲華もかなり困っていた。

 だが彼の雰囲気から、とりあえず脅威は感じられないと判断した彼女は、一刀側へ歩を進め傍までやってくる。

 一応、彼とは話は通じているようだが、固有の名前にしても起こった状況も、お互いに認識外のモノのようで、最初から話のやり取りがほとんど成立していないのだ。

 分かったのは彼の名が『ホンゴウカズト』というやけに長い名だなぁと言うぐらいである。雲華は、これは字(あざな)も込みなのかもと判断して一刀へ確認する。

 

「失礼だけど、確認させてね。……君はホン・ゴウが名前で、字がカズ・トなの?」

 

 雲華はとりあえず、認識出来そうな彼の名前から踏み込むことにした。さらに細かく聞いてみる。

 

「ホンが姓、ゴウが君の名……でいいのよね?」

 

 しかし、一刀からは「違いますけど」と答えを受ける。その続きの内容でも、雲華は困惑した。

 

「俺は姓が北郷、名が一刀です。字は……俺にはありません」

 

 そう言いながら、一刀は文字の形に地面を指でなぞる。

 雲華は、その書いた形がだいたい認識出来た。

 

「なるほど……文字はそこそこ私たちの使っている形に似ているようね。では、北郷殿と呼べばいいのね? 私の事は雲華(ユンファ)と呼んでくれていいわ。……そうそう、一応、先に確認しておくわ。真名って知ってるわよね?」

 

 また、意味のよくわからない言葉を受けて一刀の頭の中に疑問符が浮かぶ。思わず雲華へ聞き返す。

 

「……真名?」

「そう、真名とは個人の持つ、真の名前よ。親密・信頼のおける間柄でしか呼び合わないものよ」

 

 説明を受けても、一刀の表情から「なに、それは?」と理解していないのを読み取った雲華は、一刀へ呆れつつも親切に警告を交えながら説明する。

 

「んー、これも知らないようね。これはとても重要なことだから言っておくわ。いい、他人の真名は絶対、不用意に呼ばないことよ。相手の許可なくその真名で読んだら、殺されても文句は言えないほどの事だから。北郷殿……声に出して反復してみて」

 

 雲華は真剣な表情をして一刀を見ていた。一刀にもその真剣さが伝わる。

 

「……分かったよ。えっと……人の真名は許可がない限り……勝手に呼ばない。これでいいのかな?」

「くれぐれも、忘れないでね。本当に殺されちゃう事もあるからね」

 

 そこではっと気が付いたように、一刀は恐る恐る彼女に聞く。

 

「ごめん!っ先に言ってから聞く。雲華って……真名じゃないよね?」

 

 ふふっと、笑顔で吹き出しながら雲華は言う。

 

「自分から雲華って呼んでって言ってるでしょ? 仮に真名だったとしても問題ないわよ。まあ……私は真名はもう忘れちゃったから関係ないけどね」

 

 そこで、一刀の腹部辺りから大きくお腹の鳴る音が聞こえた。

 雲華は、呆れたように微笑みながら一刀に聞いてみた。

 

「北郷殿、君……行く当てもなさそうね……。まあ、悪い人にも見えなそうだし。今日はもう遅いから家にいらっしゃい。あんまりいいものは無いけど、野宿よりはマシでしょ? 第一まだ何も聞いてないしね」

「俺は助かるけど……本当にいいのかな?」

 

 すかさず意地悪に聞く雲華。

 

「……何かするつもりなの?」

 

 一刀は大焦りで手を前で振る。

 

「滅相もありません! 非常にご迷惑でしょうが泊めていただけるならありがたいです! なんでも話します!」

「ふふっ、冗談よ」

 

 一刀の体に纏う気や所作から、身体能力では自分には到底届いていないと判断した雲華は、からかいに満足したようにそういう言うと、「こっちよ」と言って一刀を連れて森の中の自宅に向かった。

 

 

 

 

 雲華の家は、森の中の直径が三メートル近くあるだろうか……その巨木の上に建てられた、梯子を伝って上る小屋のような家だった。

 少し下で待つように言われ、雲華が先に中へ入ると明かりが灯されたのか少し開いた扉から明かりが見えるようになった。木で作られている小屋のようだが、壁や窓からは明かりが全く漏れていない。しっかりと作られているようだった。

 間もなく、いいわよと声があり一刀も梯子を上って入ると……二度驚いた。

 まずは、彼女の服だ。

 すでにマント状の紺色の厚めの大布は、脱いで壁に掛けられていた。

 そして……彼女が着ていたのは、蝋燭の薄明りでもはっきりと艶のある鮮やかな紅の赤で、裾が少し短めの膝ぐらいまでのもので、スリットがちょっと大胆なチャイナドレスだった。刺繍も落ち着きのある華やかなものだった。目を見張るとはこのことだろう。

 さらに、薄暗闇でもわかっていたが、改めて見ても驚くほど可愛い美人さんだった。

 一刀が目を丸くして思わず驚いてしまった顔を見て、雲華も同様に一刀を見て少し驚いていたようだが、その驚いた顔も……良かった。

 彼女は一刀のキラキラと光に反射する制服が気になったようであった。

 

 とりあえず、ちょっと待っててと、干し肉や木の実など、あとは小麦を水等で捏ねて固めて蒸した物など、火を使わないでもすぐに食せるものをお皿に並べて振る舞ってくれた。

 

「なにもないけど食べてね」

「ごちそうになります」

 

 二人は、入口から入ってすぐの食堂と思われる場所にある食卓で食事を始めた。

 食事をしながら二人とも落ち着いて来たのか、先ほど出会った前後の現象や質問を話合っていた。

 

「なるほど、では北郷殿は――」

「雲華、もう北郷……でいいよ? 俺だけ殿をつけられてもこそばゆいし」

 

 一刀の様子から気持ちを汲み取り、雲華は従うことにする。

 

「そう、分かったわ。では北郷。君は天の人ではなく、あくまで普通の人間で、この今の……君の言う中国の三国時代だっけ? この時代とは違う、ずっと明日以降の先の時代から来たと言うのね?」

「うん、そう言うこと」

「……まあとりあえず、よかったわ。始めは天の人が、おチャメな私をシバきにきたと思ってびっくりしちゃったもの。でも、う~ん」

 

 雲華は判断しかねていた。ただの人間にしては、あの状況が余りに超常現象すぎる。

 雲華自身の持つ『人外の常識』すらも上回っていた。この少年はなんなのか。結論は出ない。

 

 すると、一刀が質問した。

 

「雲華。そういえば、君はここで何をしているの? こんな山奥だと道もないし、人里を離れたようなこの小屋で」

 

 今度は雲華が、何気なくさらりと常識外の発言をした。

 

「えっ? だって私、仙人だから。人里離れるのは当然でしょ? 私たち仙人は、基本的に人の世界に関わっちゃいけないのよ」

「…………」

 

 一刀はその予想外のトンデモ内容に、食事中の動作が固まり、箸から掴んでいた木の実がポロリとお皿に落ちた。そしてもっとも気になった単語を呟いた……つもりだった。

 

「……センイン(船員)? ……近くに大きな川とかあって、船を操って人知れず魚採ってる?」

 

 凄まじくボケる一刀だった。

 

「違います! せ・ん・に・ん、仙人よ! 空も飛んじゃうわよ!」

 

 雲華は、軽く馬鹿にされたのかとちょっとカチンと来た。

 

「見てなさいよ!」

 

 気合いを入れるように長袖のチャイナドレスの袖をまくり綺麗な腕を見せると、肘を腰に付けるように曲げ、グっと拳を作って気を溜めるような所作を軽くハッと気を込めてすると、その左腕外側の柔肌に、食卓の上にあった良く切れそうに刃の光った刃渡り十四センチほどの小刀を右手で持ち、サクりと左腕外側に鋭く切り付ける。

 

「おい! ……え?」

 

 しかし、切り裂かれたはずの左腕外側の肌には全く傷が無かったのだ。まるで見えない鋼鉄の手甲でも付けているようだった。

 

 一刀は向かい合う机の反対側から、止めようと手を伸ばして必死になったが……一瞬で目を疑った。切り付けた時に刃は確実に皮膚に当たって引くように鋭くバッサリと切られたはず……だったのだ。

 しかし、切れてナイ。

 

「どう? これが硬気功よ。まあ、これの真似事ぐらいは人でも出来るやつはいるけどね」

 

 雲華は、そう言いながら逆手に握り直した小刀を、さらに左腕外側に何度もドカッドカッと鋭い刃先を突き立てるが赤くなることすらも全くなかった。これは完全に人じゃない。

 最後に同じような力で小刀を机に突き立てると、ゴッという凄い音と共に、木の机に軽く六センチほど刃先が突き刺さっていた……。抜けない……。なにげなく軽々と振っていると思ってた彼女の腕力と握力も半端なかった。

 

「あーあ、机が傷ついちゃったわ」

 

 雲華は、緊張したこの空気を解すためか、わざとらしく大きく溜息を付きながら言った。

 一刀は少し背筋が寒くなる質問をしてみた。

 

「人の世界とは関わらない、仙人の雲華が……なぜ俺と関わりを?」

 

 ふふんと鼻を鳴らしながら、にっこりとそれに雲華は即答する。

 

「それは、君が普通の人とは違うからよ。確かに見た目や考えは人かもしれないけど。あの現象は人、いえ……この世界の仙人でも起こせないことだからよ。間違いなく君には何かあの現象を起こした力がある……その理由も」

 

 一刀は自分が買い被られてるとしか思えなかった。ここで気が付く前は、学校に通ってる普通の高校生で……ただの人で。取り柄といえば、人より少し剣道がうまいぐらいだ。

 

「………」

 

 少しうつむいて、現状とその理由を真剣に考えようとしている一刀を、雲華は向かいから眺めていた。そして、少しすると一つの考えが閃き、それは小さく声に出ていた。

 

「……ふむ、試してみるかな」

 

 

 

 この後、せっかく出したものだから食べて頂戴ねと食事を再開した。話はキラキラの服のことや、この世界の話をすることで一刀は興味を持ち直したようだ。少し気分も晴れたらしい。

 食事が終わると、今日は色々あったので早々に休み事にした。一刀は入口から入ったところの食事をしたこの食堂のような部屋で机を横に退け、手すりや背もたれの無い平らな座面だけの横長椅子を二つ横に並べて、毛布を体に掛けてそこに横たわって寝ることに。雲華は上にある部屋でそれぞれ休んだ。

 

次の日、とんでもないことになるとは、この時、一刀はまだ何も知らなかった……。

 

 

 

つづく

 

 

 




2014年03月18日 投稿
2014年03月22日 文章修正
2014年03月27日 文章修正
2014年04月08日 見直しと文章修正
2014年04月19日 冒頭加筆と見直し修正
2014年05月01日 見直しと文章修正
2014年05月02日 後書きに単位の注意書きを追記
2014年11月01日 文章見直し
2015年03月01日 文章修正(時間表現含む)



 ちなみに中華人民共和国では、字の公用を廃止しているそうです。
 また、本来名を呼ばせないために、実名以外に呼ぶ名として字があるとのこと。親や主君などの特定の人物や目上の人物だけが名を呼べたみたいです。
 なので、例えば張飛将軍とは呼ばれないようで、張将軍となるようです。まあ、恋姫無双ではあまり関係ないですけど、こう見ると、名が真名に近いですねぇ。

 ろうそくは三国時代には存在したものの、唐の時代ごろになって一般でも使われるようになった模様。
 参考までに。
 
 あと、本作内では距離等について、後漢ごろの単位(一尺≒23cmなど)を使っています。



 補足)時間表現に十二時辰と一日百刻制を採用
 十二時辰は一日を十二に分ける時法です。
 一時が二時間になります。
 紀元前700年頃から約250年間の歴史が書かれている『春秋左氏伝』に表記が確認されています。

 子時からスタートして、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥と干支順に進んでいきます。
 子時は現代の24時表記で言うと23時になります。

 早見表
 子時(23-01時)
 丑時(01-03時)
 寅時(03-05時)
 卯時(05-07時)
 辰時(07-09時)
 巳時(09-11時)
 午時(11-13時)
 未時(13-15時)
 申時(15-17時)
 酉時(17-19時)
 戌時(19-21時)
 亥時(21-23時)

 各時辰の最初を初刻(しょこく)、中間を正刻(せいこく)と言い、
 0時を子の正刻、正子(しょうし)、午の正刻つまり12時を正午と言います。

 十二時辰は十二刻とも呼ぶようですが、前漢の時代に一日百刻制が確立。
 一刻は14分24秒程に相当します。
 これも使っていきます。
 例えば、
 午前5時15分は、『卯時の初刻から一刻程』となります。
 午後2時30分は、『未時の正刻から二刻強程』で表せます。
 午後8時45分は、『戌時の終わりから一刻程前』で表せます。
 なのでこれまでの『刻』での表記を修正していきます。
 具体的な表現ですが、
 『卯時(午前五時)』とかになる、
 『二刻強(三十分)』になる形です。
 カッコで現在時間の補足も付けていく予定です。

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