真・恋姫†一刀無双 ~初出会は少女仙人-混沌の外史~ 作:カメル~ン
一刀は、左肩辺りの違和感で目を覚ます。
窓が閉まっているため薄暗い部屋の布団の中で、まだ意識がぼんやりな状態のまま、ゆっくりと顔をそちらに向けると……体を一刀へ向けて横になっている雲華が目を閉じた顔を一刀の左肩に当ててゆっくりとスリスリしていた……。
(べ、別にいいんじゃないかな?)
一刀は、少し驚くが人の事は言えない。全く言える立場にない普段の行いがある。だがそのハートフルな光景に、目がはっきりと覚めた。彼女の可愛いスリスリの様子をそのまま静かに見守り、堪能することにした。
しかしまもなく、一刀の顔を伺う様に彼女の目が開く。当然、一刀と目が合うのだが。
ちょっとびっくりした風に彼女の目が僅かに大きく見開らかれ、スリスリが一瞬止まる。しかし、一刀を見ながら雲華は、再びスリスリを再開する。
「あの、雲華さん? おはようございます」
「おはよう、一刀」
彼女は、すぐにスリスリを止め笑顔で返事を返してくれた。そして返事が終わると、一刀を見ながらスリスリを再開する。
そして相変わらず今日も、一刀の左手はまだしっかりと雲華に組み握られている。そしてそれは、雲華の胸近くに彼女の左手も添えられて大事そうに引き寄せられており、彼女の胸の下着や寝間着越しとはいえ、一刀の腕へ二つの膨らみの柔らかさが……やや挟まれている?感じも加えて伝わって来ていた。
ヤルことは何ひとつ済んでいないのだが、これは――もはや『新婚さん』となにが違うのだろうか?
幸せである。一緒の布団も暖かい。雲華も暖かい。彼女の栄光の部位も暖かい!
朝から、幸せな『無限の気力』に満ち溢れる一刀であった。
雲華はスリスリを十分楽しむと、漸くスリスリの理由らしき事を口にする。
「寝る前と起きた時は、甘える時間なの」
「……そうだな」
幸せ『バカ』たちに理屈はいらなかった。
一刀も右手を伸ばして、雲華の頬や鼻先、眉毛、前髪を指先で軽く突っついたり撫でたりして暫し、布団の中で二人戯れていた。
一刀が目を覚ましてから十五分ぐらいは経っただろうか、頬を撫でられていた雲華が髪梳きを要望してきた。二人はぼちぼちと布団から起き上がる。しかしまだ組んだ手は離さない。名残おしそうに二人の間で前後に揺らす。それを一分ぐらいしてやっと手を離す。
ダメダメである……。
しかし、彼らは気にしない。なぜ? それは、誰も見ていないからだ! そう、二人以外に誰もいない。誰も見てませんから!
さて、一刀は昨日と同じようにベッドを降りて、靴を履いて窓辺に向かい窓を開ける。今日も快晴なようで、雲の少ない明るい光が部屋に入ってくる。
空を確認してベッドへ戻ってくる一刀を、雲華は桃尻の下着を――いや、背中を彼の方へ向けてベッドの上で待っていた。
雲華の薄い水色のスケ透けの寝間着の裾は本当に短い。おヘソの五センチほど下にしかなく引っ張ってもパンツにほとんど掛ることはない。つまり、背中向きの下着の桃尻は丸見えなのだ。
そのことが少し気になるのか、一刀へ振り返りながら裾を少し下へひっぱって僅かでも隠そうとしている雲華なのだが、そのしぐさが逆に――『すごくエロ』いのだが。
もちろん、一刀は窓辺から振り返ったその瞬間から、一瞬も欠くことなく最大視力解像度で脳へ記憶録画中である! 『無限の気力』の元になる『お宝』なのだ。つまりこれは『正義』と言えよう。誰にも邪魔させないのだ。
ベッドへ上がると一刀は、「えへへ」とだらしない顔のまま、雲華から櫛を受け取る。雲華も一刀に見られてるのは……実はそんなにいやじゃない。一刀が喜んでる感じなので、裾を引っ張るのをさり気なく続けていたりする。
一刀は受け取った櫛で丁寧に丁寧に自分の『宝物』を梳いてゆく。雲華も一刀が以外に上手く丁寧なので、喜んですでに自分の髪を安心して任せている。
櫛で梳くときに起こる僅かな空気の対流は、雲華の髪と女の子な香りも巻き上げてくる。一刀は、スンスンと鼻を鳴らして今回も存分に堪能していた。
ほどなく髪は綺麗に梳き終わる。
朝の雲華のベッド上での、まさに連続する桃源郷的な至福な時を迎えている絶好調にだらけ切った表情の一刀は―――またも油断していた。
そんな悦な彼に、彼女は……振り返った『悪魔』さまは、ニヤリと微笑んで呟くのである。
「もう、思い残す事はないわよね? さあ、今日の修行はきっと新しく見るものがあるわよ」
『新しく見るモノ』……それは? 閉じた地獄の門の裏側なのか?それとも三途の川の向こう岸なのか……。
一刀の表情は脂汗が出る感じへ一気に引き締まる。彼女の余裕の表情から『死』がまさに……確実に近づいている? それをこの目で見て、この身で実際に知る事になるのかと慄(おのの)く一刀であった。
勝負は午後の実剣での、対将軍並みな強さが予測される木人実戦剣術修行だ。なんとしても生き残るのだぁ!
そう!予想されるそのあとの――『温泉タイム』のために♪
目的はズレまくっているが、真剣な表情で一刀はこの時、まだそう思っていた。
このあと、二人はそれぞれ別かれて着替え、顔を洗い、食卓にて並んで朝食を取る。
そして、引き締まった表情と意気込みの中、一刀は午前中の修行に突入する。
ところが、午前中の修行を終えたあとの一刀は―――
「人生、十●年。『見るもの』も見た気がするし、もう思い残す事はないかなぁ~♪」
そんな事を呟けるほど、顔が再び締まり無くだらけ切っており、彼の周りにはイカガワシイくヨコシマな気力が満ち溢れていた。
一方、雲華は顔を真っ赤にしており、一刀の顔を見れないほどとても恥ずかしそうにしていた。
いったい、午前中の修行に二人になにがあったのだろうか。
朝食後、まず読み書きの勉強であった。
いつもの様に、食卓を挟んで向かい合う形で座り、一刀は木簡に筆を使って雲華より教えられる漢字を書きこんでゆく。
記憶力が常人の一刀が覚えるには、ひたすら反復練習しかない。雲華は、これまでに彼へ教えた漢字や文章の範囲をすべて覚えている。そして、一刀がどの漢字をよく間違えるのかまで完全に把握していた。彼女の頭の中で、傾向と統計が取られているのだ。至れり尽くせりと言える。とても親身だ。でも、『悪魔』さまでもある。
四回以上同じところを間違うと非常に怒られるのだ。三度までは許してもらえる……ふと、エロいこともそうなのだろうか? そっちの方が不安になる一刀であった。
これまでに覚えた漢字の使い方を雲華に確認されつつ、新しい漢字もまた五十程追加された。三国時代、大陸で使われている漢字は使用頻度の低いものや難しいものも入れると実に五千字を優に超えるほどもある。日本の高校まででは二千字程度しかない。おまけに形や意味も違うのだ。今、一刀が理解出来て使えている漢字数は千を超えた程度である。ただ言い回しが色々あるので、拙いが意志や意見を人に使えることは大体出来る程度には文章も書けるようになってきた。
雲華の考えでは、まず使用頻度の高い漢字、千五百字は理解して使いこなせるようにしたいらしい。
休憩を二度はさみ、一時半(三時間)程続けられた。
ここは何事もなく終わっていた……そして、歴史は動くのである。
「その……次は、他者への絶の修行を……します」
一刀は、雲華から次の午前中の修行の内容を聞かされたのだが……先ほどまで普通な様子だった――いや『悪魔』さまな風格に見えた、彼女の言葉や態度が、急にしをらしいのだ。
聞かされた内容を踏まえ、一刀はこれまでの過程を頭の中で振り返ってみる。
(絶……えーっと確か、指、手、腕、二の腕、足先、脹脛、フトモモの順でやって……次は――)
そして、気付いてしまった……。一刀は、気付いてしまう。気付いちゃうのである!
昨晩も硬気功の修行にて、雲華の全身の気の流れを『詳細』に掴めていたが、あえてスルーしていたコトにだ。
気の流れは『体の形』、そして『からだ内部の部位の形状まであらわにする』のだ。
絶の修行で残された彼女の部位は、頭部か胴体である。おそらく頭部は最後だろう。
残る箇所、それは……。
つまり――胸部、腰部の形状と内部構造までが気の流れで詳細に丸見えになるのだ! 男の子が女の子の体の神秘な構造すべてを網羅し把握しちゃうのである!!
……非常にハイレベルでヤバイと言えよう。
そのまま外形を色つきで写真で公開すれば、間違いなく刑法百七十●条で規定される『わ●せつ物頒布等の罪』に問われるレベルなのは間違いない。
すでに一刀の能力は、人間万能CTスキャンなのである。
これは修行であり、神聖で中立な立場と気持ちで冷静に現状を捉えなければいけない。
でもそれは……彼にはムリな事だ。
彼は、北郷一刀なのであった。
しかし……部屋の中で相手も適切な年齢でその行為を認め、そして見るだけなら全く罪にならないハズ。現代日本でも問題は無いのだ。
一刀は、雲華の方をゆっくりと改めて見てみる。
雲華は、一刀の方を向いて顔を赤くしながら無意識に体をよじるように、そして胸と股間の辺りを手で隠すようにして一刀の傍に立っていたが、そのすべてを理解しながら彼女は……小さくコクリと頷いていた。
もはや『正義(セーフとも言う)』である! 異論は認めない。
一刀は好機を逃さない。素早く長椅子を食卓より少し離して場所を作ると、どうぞと言わんばかりに両腕をそちらの方向へ彼女を誘導するように向けた。
すると雲華は恥ずかしそうに、ゆっくりとその長椅子へ横たわると目を閉じた。やはり気にするように、手で大事なお胸とお股の辺りを隠すようにしている。左手は胸部、右手で下腹部を隠していた。
そこは、人類の……いや男にとっての神秘な場所であった。栄光と至高の部位なのだ。一刀はゴクリと唾を飲み込みつつその彼女の不自然な態勢を眺めるも、その隠す姿もエロいので手の位置については黙認していた。
しかし、極限に恥ずかしいはずの雲華が、あろうことか左側へ立つ一刀へ聞いてきたのだ。
「今日は、胴体について気の絶を……行なってもらおうと思っているんだけど……どっちからしたい?」
(ど、どっちとは? それは……ハイ・アンド・ロー?(外国人訛りで)ですか、上か下かですか? それを好きに選べと……?)
突きつけられた、『究極の選択肢』に興奮を隠しきれない一刀は、暫(しば)し右手の指を眉間に当て、その右手の肘を左手でて支えるキザっぽい姿で熟考した形を示しながら「上で」と言うつもりが、つい口走ってしまう。
「ムネだ」
――と。
思考と一字も合っていなかった。本能的な気持ちが先走り過ぎである。
恥ずかしがっていた雲華も、さすがにムッとするほどであった。欲望が余りに直接すぎたのだ。言葉にするならもう少し褒めるなりのプラスアルファが必要だったのだ。
それでも、雲華は「しょうがないわね」と呆れるように少し笑うように言いながら一刀に指示をする。
「じゃあ、私のお腹に手を当てて上半身の筋肉系から気の絶をやってみて」
「手の位置は……お腹なの?」
「お腹です」
一刀は、どこに手を当てたかったのだろう。(もちろんムネだ!より標高の高いところを渇望していたのだ!最高峰ならベスト!!)
しかし、お腹という現実に少し……いや、かなり気落ちしながら、一刀はそれでも左の手の平を雲華のお腹に当てる。
チャイナドレス越しだが、雲華は柔らかく暖かい……。思わず少し撫でてしまう。
「だ、ダメよ。集中しなさい!」
一刀は、珍しく雲華からお叱りを受けてしまった。慌てて言われた通りに一刀は、胸周りや背中の筋肉等へ絶気を送って絶にしてゆく。
『悪魔』さまの逆鱗に触れると、すぐに人生の終着点へ到達してしまうのだから。でも、最近ちょっと……いや油断はするまい。小さな油断は、ろくな事にならないのだ。
一刀がそう考えている中、雲華は複雑な心境であった。
実は、お腹を撫でられるのが、ちょっと気持ちよかったのである。
最近、一刀に触ってもらえるのが嬉しいのであった。先ほどもお腹を一刀に触ってもらって、ナデナデされるのが実に悪くなかった。彼の手は暖かいから。
しかし、今は彼の為の修行中である。甘える時間は今じゃない……彼女も我慢していたのであった。
一刀は先ほどから気の流れを捉えている。雲華の上半身に流れる気を――隠す腕は少し邪魔であるが、胸を流れる気を!外形も、中身も完璧です!
彼女のその掴む為の、栄光の、二つの、その『サキ』も―― 一刀の気の感覚は形を、全貌をついに捉えてしまっていたのだ。
温泉では、白の湯あみ着越しにアクセントとなる色と共に全体の大きさは把握出来ていたのだが、本日その可憐な形状をついにすべて掴むに至ったのであった。一刀の個人記憶史に、脳ミソにそれは刻み付けられていた。
(ありがとうございます!)
それが一刀の溢れる思いであった。しかし、こう呆けている場合ではない。まだまだ修行中なのだ。
そしてついに、一刀は二つの栄光の部位を絶にする……しかし、その絶になって気が消えていく光景に彼は耐えられなかった。
すぐに他の部位も含めて、完全回復を掛けていた。
雲華は、まだ途中にも関わらず急に完全回復を掛けられ、どうしたのかと目を開く。そして、俯いたまま固まっている一刀へ心配そうに声を掛ける。
「どうしたの、一刀? まだ……修行の途中よ?」
一刀は無言で首を横に振る。そして呟くように口から言葉が零れていく。
「だって……雲華の気の通っていない体を……服越しでも見るのがやっぱり辛いんだ」
そう、力なく言う一刀に――雲華の、『悪魔』さまの声が響く。
「やるのよ、一刀。続けなさい!」
それは、厳しい口調だった。言葉は続く。
「辛いなら、嫌ならより早く完璧に身に付ける事よ。今、一刀が気にしている事で技が未熟なまま終わって……誰が喜ぶと思っているの?」
一刀は雲華の方をゆっくり向く。すると少し優しい表情になって、雲華は言うのであった。
「私が怪我や病気をしたときには、一刀がすぐ治してくれるのでしょう? ……頑張って」
(そうだ。俺が、雲華を治すのだった。その時の為に、今、俺は何としても相手の気の流れを完全に制する修行を完遂しなければならないのだ。何をやっているんだ俺は!)
一刀は真剣な表情に戻り、修行をすぐに再開する。
雲華のお腹に置いた手から、彼女の上半身へ再び絶技を送り込み、筋肉系から骨格へと順番に気の流れを絶の状態にしてゆく。
胃袋より上の内臓も、肺も、そして心臓も止める。雲華は今、まさに心肺停止の状態にされていた。
彼女は、誇りある武闘派の達人仙人である。しかし、今は完全に気を許した上で、本来屈辱的な完全無抵抗な仮死の状態にされている。
師匠以外では一刀だけが唯一実現した状況だろう。今なら師匠にすら許させない、普通は弟子同志で行わせるか、別の稽古台となる人間で行う修行であろう。
その稽古台を自ら引き受けてくれたのだ。まさに全幅の信頼を寄せる彼にだけ預ける状態であった。
そこで、彼女の口から小さな歯の合わせる音がする。一刀は彼女の口元を見る。すると、口が「も・ど・し・て」と動いていた。
一刀は直ちに瞬間回復を掛ける。
一瞬で胴体の上半身に気が通り、回復した雲華は横になりながら、隠す仕草だった両手を解いて指を組んで背伸びをする。
「ふう。久しぶりの感覚かな、心肺停止なんて。私としてもいい修行かも」
「ごめん。俺の修行のために雲華がこんな事まで――」
「もう……そんなことは言わないの。いいの、一刀のためなんだもの。私は嬉しいよ」
彼女の可憐な優しい笑顔でそう言われて、一刀は思わずお腹に乗せていた手で、彼女のお腹をナデナデしてしまう。
「あん、だ、ダメだったら! 特に問題はなかったけど、一応あと二十回、しっかりやってみて」
雲華は、やさしく撫でてもらっていた一刀の手を左手で掴むとそう言って、一刀へ修行の続行を促した。一刀も気を取り直して……改めて彼女の胸部を見る。
先ほどまで隠していた彼女の左腕の気が重なっていた事でやや見難かった胸部が、今はその形だけがはっきり見えている。見えちゃってます。すでに脳ミソに焼き付けた記憶録画に追加記録するのを一刀は忘れない。
雲華は、一刀の瞳の奥に灯った白き輝きで、自分の胸の形をその『先端』までもが気にの流れによって完全に捉えられているのを感じていたが、もはや隠そうとはしなかった。
(一刀なら、いいかな……どのみち、ね)
一刀は、雲華の胴体の上半身部分の気の流れから、その構造を完全に把握する。そして、先ほどと同じように皮膚、筋肉等の外から内へ骨格、内臓、肺、心臓を絶にして行き、最後に瞬間回復を掛ける。すでに一サイクルが相当早い。それをテキパキと二十回正確に行った。
横になってずっと見守ってくれている雲華へ、一刀は報告する。
「終わったよ、雲華」
「そうね。とても良く出来てたわ。素早く正確だったから私も楽だったし」
そう言って雲華は、微笑みながら一刀の方へ顔を向ける。しかし、すぐ恥ずかしそうに上目使いになって口を開く。
「じゃあ……次は……」
そう言いながら、先ほどから握っていた一刀の左手を、ゆっくりとお腹の上を滑らせて下腹部の方へと、大事な……神秘な部位の近くまで自ら移動させていった。
「ちょ、雲華さん?!」
その様子をゴックンゴックンと生唾を飲みまくって見ていた一刀は、慌てて雲華に確認する意味で顔を向け声を掛けた。
すでに一刀の左手の平の半分以上が、彼女の下着の上まで掛っていることに、デルタゾーンに近すぎることに――。
(いいの?! ほんとにいいの?)
これは、一刀の歴史が大陸移動を起こすほどのインパクトがあった。女の子の下腹部へ、一刀の左手が触れている部分から伝わってくる色々な感触にである。特に雲華の股下側に最も近い小指の受ける感触が『多彩』だ。
まず、チャイナドレス越しに彼女が身に付けている刺繍入りの桃尻を包む肌触りの良さそうな下着だ。そして更に……その下のデルタゾーンから縦方向に僅かに盛り上がっている『何か』の感覚があるのだ。
ささやかな『ケ』とプラスアルファの『至高な何か』と想像されるが、これ以上は少年誌エロでは『ぴぃーーーー』としか表記できないものだ。
そういう『ぴぃーーーー』モノだと推測される。
一刀の首を何度も傾げながらの錯乱気味な動作と表情から、雲華へ「ほんとにいいの?」と何度も確認してることが分かるが、彼女は赤くなりながら恥ずかしそうに伝える。
「大事な所だから……しっかりお願いね」
一刀は、彼女のその答えに目を血走らせながら返した。
「任されました! 喜んで!」
一刀は考える。これは『厳しい修行』なんだと、決して『エロが目的で、欲望に溢れているワケ』じゃないんだと、雲華のもしもの時の為にもなのだと。だから如何なるモノに遭遇しようとも『正義』なのである!と。
一刀は、まず彼女の胴体下部の気の流れを見てみる…………………………は、鼻血が出そうになる。これは――――
アウトだった!
すでにスリーアウトか。……いや、完全試合を喫していると言っていいだろう。
うら若き女の子の下半身なのである。その全貌が、形が外も内部も見えているのだ。
モザイクも無い状態。
すでに、一刀の記憶録画は多重録画データで脳ミソが埋め尽くされそうだった。
頭上にエンゼルが舞っている。『ぴぃーーーー』なのである。
詳細を記すにはR-18小説に移転しなければならないだろう。
だが――少年誌エロの意地を見せて、あえて書けるだけ客観的に書こうではないか。
一刀の目には、雲華の胴体部分の下半身側について筋肉・神経関連、骨格、内臓系の気の流れが、立体的に浮かび上がって見えている。そして……外形と内臓系の一部に男の子として熱い視線が行く部分が存在するのだ。これは本能的なことなので当然なのであった。
つまり、『赤ちゃんの元が出来て、育って、通る』部位の辺りだ。
非常に一般的な言葉と表現を駆使せざるを得ない部分と言えよう。細心の注意が必要なのである。
そんな自らの恥ずかしい部分へ、熱い視線を注がれているのに気が付いている雲華は、いい加減、一刀へ修行を進めるよう促してくる。
「もう、そんなにじっと見ないでよ……早く、気の絶を進めなさい。これも一通りを二十回ね。……ブツブツ(一人前に成ったら、私の芯の芯まですべてを見た責任をちゃんと取ってよね……)」
「ご、ごめん。雲華の体だから気になっちゃって……今、二十回ってののあと、小声だったけどなんて言ったの?」
「いいの! 早く進めなさい」
「は~い」
一刀の頭の中は、『進めるべき修行の事』と、『女の子の大切な部分や状況をもっともっと記憶録画する事』で飽和状態を迎えていた。絶の技に付いてはもはや、機械的な正確さで淡々と進行させている。その傍ら、特定の部位の観察と堪能が続いていた。
絶から瞬間回復までの一サイクルは雲華へ負担を掛けないようにとやたら短いのだが、次の一回に移るまでが非常にゆっくりと……不自然に何かを堪能するためだけに時間が掛けられていたと思わざるを得えないほど間が開いていた。
そのため問題なく二十回が済んだ時には、いつもの食事の時間より二刻(三十分)は過ぎていたと思われる。
すっかり、女体の神秘の検分を堪能しつくし満足して、だらけ切った表情の一刀が雲華へ声を掛ける。
「雲華~、お疲れさま♪ 終わったよ~」
「………」
一方、雲華は無言で顔を真っ赤にしており、俯いて一刀の顔を見れないほどとても恥ずかしそうにしているようにしていたが……よく見るとそうではなかった。口の端がニヤリと笑っているのが見えたのであった。
もう、おわかりいただけただろうか?
『悪魔』さまは非常にお怒りである!
一刀が、それに気が付いたのは昼食の時であった。
彼はウキウキして、雲華側の長椅子に並んで座ると、雲華は怖い顔をしながら無言で自らのお箸で向いの席をツイツイと指していた。
よく見ると食卓にはお皿が、依然のように食卓を挟んで向き合う様に並べられていた。
そして、一刀の御茶碗には白いご飯がてんこ盛りに盛られ―――黒いお箸が一善、垂直に突き刺さっていたのだった……。まるで墓前に供えるかのように。
「ひぃーーーーーーーーーー」
一刀は後悔した。しかし、後の祭りだった。余りに神秘への閲覧を堪能し過ぎたのだ。
どう見ても午後は『死』の予感しかしない……。
こうなってしまった以上、彼の取る行動は一つだった。
一刀はすぐに動いた、彼は迷わない。
雲華側の長椅子を立つと、一刀は彼女の後ろを通って、洗面台のある窓際の空間へ出た。
そして―――
土下座である。
一刀は、床へおでこを「ゴツン」と音を立てて付けると『悪魔』さまへ言上する。
「この度は申し訳ございませんでした。雲華が、余りに可愛く、余りに可愛く、余りに可愛く、余りに可愛く、余りに可愛く、余りに可愛く、余りに可愛かったために過剰な行動を取ってしまいました。だって小指で少し撫でた時に素直に反応してくれたし……一人前に成って戻って来たら、大事にするから、今回の責任も合わせて取るから許してほしい!」
ピクン。一気に述べた一刀の言葉に雲華が反応する。
「……本当?……大事にしてくれる?」
どうやら、雲華は一刀から『余りに可愛く』が五回以上あった事を高く評価し、ご希望の責任も取ってくれるという言葉を聞けたので、今回の言上に満足したようである。
それに、先ほどの修行の合間に一刀から受けた小指のナデナデで「あん」とか「やん」とか小声を上げた上、大事なところが少し熱くなってしまったのも事実であった。一刀に触ってもらうのはイヤじゃないのだ。
「本当だよ。約束する。ずっと大事にするよ」
「うん……わかった。じゃあ、許してあげる。それに言ったでしょ、まだ……恥ずかしいのはダメだって」
雲華は席を立ってそう言うと、土下座し額を床にまだ付けている一刀のところへ来ると彼のその手を取って立たせると、一刀を雲華が座っていた奥の長椅子に座らせた。
そして、彼女は一刀のお昼のお皿を、またいそいそと自分の横の一刀の前へ並べ直してあげる。
しかし、御茶碗の白いご飯と垂直に刺さるお箸はそのままであった。
「このあと、そうならないようにちゃんと食べてね♪」
一刀の致命的なフラグは、まだビクとも折れていないようであった……。
だが、とりあえず雲華にお供えぐらいはしてもらえそうである。機嫌を直してくれた雲華は、再び一刀の横にぴったりと桃尻を付けて座ってくれていた。一刀も多少死相が出ていて顔が引きつっているが、彼女との昼食をあ~んを交えながら楽しんでいた。
一刀の空元気も大したものであった。
さて、ついに昼食が終わり、雲華の片づけも終わる。
いよいよ地獄の門が、開く時間である。
食堂から下の広場へ出る前に、雲華は以前街へ行くときに一刀へ貸した四尺弱の優美な軽い剣を再び彼へ差し出した。
一刀はそれを両手で神妙に受け取ると、鞘の鎖を腰の紐に通し、剣を腰に差した。
「外に出て下に降りた瞬間から始まると思ってて。二時(四時間)頑張ってね」
「えぇっ? 二時!?」
聞き返す一刀へ、ニタリと笑顔を返す『悪魔』さまであった。
ぐっと反論を言いたくなるが、すでに二時と彼女の口から出た以上、決まってしまっている事なのだ。もはや諦めるしかなかった。
だが一刀は一つだけ、これだけは確認しておかねばならない事があった。
「えーっと、木人の強さって……準将軍並みじゃないんだよね?」
雲華は頷いた。一刀の予想通り、木人の強さが上げられている模様だ。
「じゃあ、やっぱり木人の強さは、将軍ぐらいまで上げたんだね?」
一刀の予想していた強さだ。ゲームで言えば、武力五十から六十にもなるところだ。有名な武将たちが名を連ねてくるヤバすぎる水準なのだ。冗談ではないのである。
しかし……しかしである、雲華はナント……ゆっくりと横に首を振っていた。
ナニ、それ?どういう事だろう。一刀は、イヤ~な予感しかしない。しかし一縷の望みに掛けて雲華へ聞いてみるしかない。
「えっ? じゃあ……準将軍程の強さより下げたの?」
一刀は、雲華は頷いてくれる事をありえないとは思いながらも願っていた。しかし、それは無情にも雲華の次の一言で無残に打ち砕かれるのだった。
「猛将ぐらい?まで上げちゃってるから♪」
モウショウって言われる水準って……? 最低でも武力八十とかじゃないだろうか。ヘタすると九十とか?
一刀は外への扉の取っ手を握ったところで、思わず止まってしまっていた。
(武力八十ちょいだと、公孫瓚(賛とはまだ知らない)とかいたような気が。……本当に容赦ないな、雲華は。俺に本気で死ねと?)
さすがは『悪魔』さまだ。本当に悪魔である! ――でも可愛いのである。
「くそっ、生き残ってやる!」
一刀は、非常に重くなったように錯覚する外への扉を開いていく。
上から下の広場を見ると木人はいなかった。取りあえず、梯子を下りてみる。
周りを見回しても、木人は見当たらない。雲華も降りて来たので振り向いて聞いてみる。
「雲華、木人くんは?」
すると、雲華が振り向いてこちらを見る一刀の後ろを指さした。その時、一刀の背中からカサッカサッと何やら草を踏みしめる音が聞こえてきた。広場からいくつか広めの獣道が伸びているのだがその一つからそれは現れた。
一刀は、背中に感じる大きな気の方をゆっくりと振りかえる。そこに、木人がいた。いたのだが、以前よりもさらに風格、装備が違った。違い過ぎた。
なんとヤツは、木で出来た馬――木馬に跨っているのである。そして、将らしい鉄や木で出来た鎧を装備し、おまけに鋭そうな一流の槍を手に持っての堂々の登場であったのだ。
一刀は……絶句していた。
ちょっとやりすぎではないだろうか? 木人の気を見れば分かる。もはや前回の比じゃない相手であった。
木人は軽くウォームアップで槍で数回ヒュヒュッと空を突いているが……明らかに速い。非常に動きが速いんですけれど?
一刀が軽めの『速気』で見ても余りスローにならないほどであった。
一瞬、一刀の頭に考えが過る。
良く考えると森の外がいくら無法地帯とはいえ、こんなハイレベルな敵に対応するほどの武力が、一人前になる為に自分へ必要なんだろうかと。もう、今でも十分生きていけそうなので修行を終わってもいいのではないかと。単に『神気瞬導』の第三条まで、習得すれば良かったような気がしたのだが……。
しかし、すでに『悪魔』さまの指示が出ている以上、一刀は目の前の『死闘』に集中しないといけなかった。
さて、ウォームアップの動きからして、猛将レベルの木人の基本動作思考速度が早い為、『速気』の強さを上げないと思考の先読みをして対応する『思考発極』が機能しない。しかし、『速気』の強さを上げると一刀の気の消費が大きくなってしまう。
今日は二時(四時間)の長丁場なのだ。気力は枯渇する可能性大である。どうやって補充すればいいのだろうか。
一刀は、とりあえずゆっくりと腰の剣を抜いてゆく。木人の力量から、剣を抜く時間も惜しいのだ。
そして、剣を抜き終わった瞬間、雲華が情け容赦なく声を掛ける。
「両者、はじめて!」
一刀は、まず全力の『速気』で木人の気の動きを捉える。木人は馬上からリーチのある槍で一刀を正面から鋭く突いてこようとしているようだった。ヤツの槍を握った左腕にそれを思考する気が流れ始めていた。
槍と書いているが形で言うと、この時代は矛という形状に近い。だが基本的に突く武器であることは変わらない。軌道が基本的に直線であるため、とにかく攻撃が早いのだ。
剣と槍どちらが優位か?使い手の力量が同じなら、それは槍である。圧倒的な間合いを持ち、上級者の撓(しな)りを合わせた変幻の軌道は剣と比べ、非常に読みにくいのだ。
おまけに木人は馬上から、上から突き下ろして来ている。
圧倒的に一刀が不利であった。
早くも、撓りを加えられた手加減の無い鋭い突きが一刀へ突き下ろされて来ていた。弱く突くフェイントも混じっており、手前で引き返して行くが、三撃目が腹を突いてくる深い突きだった。
先読みと強めの『速気』で見ているにもかかわらず、人間の持つ条件反射的に不意に伸びてくる攻撃もあったのだ。
一刀は力で対抗するような無理をせず、剣で槍の軌道を流れに任せるように変え、体をなるべく小さく躱して凌ぐのが精一杯であった。
昨日の雲華との鬼ごっこで『風羽来動』のコツが完全に盗めていれば、もう少し楽に凌げたかもしれないが、この状況で技を試せるほどの確信がなかった。
今の木人は準将軍クラスとは、完全に次元が違う強さなのだ。
すべての攻撃を油断なく見ていないと命がない感じがしていた。一刀はキツイ状況へと、じわじわと追い詰められつつあった。合わせて、気力がジリジリと減っていく。
その中で、間合いの届かない剣で戦わなければならず、まだ反撃の糸口は彼に見えていなかった。
それなりの仙術を使えても、この時代の猛将ほどの強さになると武力ではかなり不利になるように思えた。
ヤツらは人間離れしているようだ。
それに槍は突いてくるだけではなく、横から払う動きも当然出来る。
一刀は油断していたわけではなかったのだが、木人の連続する変幻技に対応が遅れた。
右肩側面を木人の槍の柄の部分で横からまともに強打される。
その剛撃で大きく横に飛ばされ、バランスも崩し掛けるが、彼はほぼダメージは受けていない。
そう、『硬気功』である。
昨夜、雲華に見せてもらい、自分も試すことが出来ていたので使うことが可能だった……もう、すでにこれしか受ける方法がなかったのだ。
体の体制が崩れ気味なところへ、さらに間髪入れずに木人の突きの槍が鋭く迫る。
先読みで来るのは分かっているのだが、すでに、剣でそれを払うには間に合わない体制でもあった。
しかし一刀は―――流れに逆らわないようにそれを払っていく。硬気功の掛った右肘を使って。
だが、今の一刀にとって硬気功は異常なほど気力を消費する。使ったあとはすぐに弱くしなければ数分しか持たない技であった。
一刀は考える。四時間後に自分はどうなっているんだろうかと。いや一時間後すら、すでに冷たくなっていてもおかしくない相手だ。
雲華の圧倒的強さを目の当たりに知って以来、相手の強さに臆したことはなかったが、これは―――怖い。
相手の木人を睨みつつも、一刀の膝が少し震えていた。
つづく
2014年05月19日 投稿
2014年05月26日 文章修正
2015年03月11日 文章修正(時間表現含む)
漢字の数(ウィキペディア参考)
漢字の理論とは万人に開かれたもので、適当と思われれば新たな漢字をつくる事が誰にでも可能である。
中国語の音節の数は、1600種未満。
ただし、同音異義の語を、部首を付けるなどの手法を用いて区別する漢字は、5000種前後が同時代的に使用されてきた。
主要な歴史的中国語辞典(字書)が採録した漢字数
年 辞書名 漢字数
100 説文解字 9,353
543? 玉篇 12,158
601 切韻 16,917
997 龍龕手鑑 26,430
1011 広韻 26,194
1039 集韻 53,525
1615 字彙 33,179
1675 正字通 33,440
1716 康熙字典 47,035
1916 中華大字典 48,000
1989 漢語大字典 54,678
1994 中華字海 85,568
2004 異体字辞典 106,230
常に新しい字が創作されるため、過去から現在に至る過程で、どれだけの数の漢字が作られたかは不明である。
だが、新造漢字は、公的に認められた一覧からはよく除かれる。
現代のコンピュータで処理するための文字集では、Unicodeが7万字を収録、『今昔文字鏡』が15万字を収録している。
なので、三国時代でそれなりに使われる漢字は最大にみても五千字程度と推定しています。
もしかすると、孔明や曹操たちの作った漢字もあったのではないでしょうか?
そう思うと漢字にもロマンがありますねぇ。
参考までに。