書き散らかしただけなので多分後で見返したら私死ぬんじゃないかな
きりたんを部屋に通し、一本吸って部屋に戻ると(そうか、これも部屋じゃ吸えないか……)きりたんがごそごそと動いていた。
何やってるのかと思うと、きりたんが決意を固めたような表情でいきなりの宣言をしてくる。
「掃除をします。」
「なんで?さっきしたよ?」
「こんなのは掃除といえません!私がここを文化的な空間にします!」
私が困惑するのをよそに、きりたんは猛然と動き始める。
そこには先程までの余所余所しい態度の幼女はおらず、ただ使命に燃える一人の女がいた。
まるで実家に居た時の私の母のようだ。苦手な。
「あ、捨ててはいけないものだけは都度教えてください。」
「あ、うん。」
その手際のよい行動に、私は聞かれたことに「いいよ」か「だめ」としか言えず、ただただ見守るのみだった
どうやら私が掃除だと思っていた行動は掃除ではなかったらしい。
場所ごとにどうやって掃除をすればよいかを一々話すきりたんには悪いが、何も頭に入ってこない。
そうしてもう1時間は経った頃だろうか。気づけば部屋は確かに綺麗になっていた。
あれは掃除ではなかったんだな、と流石の私でも納得してしまう出来栄えだ。
まあ反省も後悔もしないのだが。勝手に綺麗になるのは楽でいいな。
途中タバコの臭いに顔をしかめていたのはちょっと悪いと思ったが、これは考え無しの祖父が悪い。
消臭剤撒いといたから許してくれ。
とはいっても流石にこの子をずっとここに置いておくわけにもいかないので明日には祖父の家に連れて行くけど。
さて、達成感に浸るきりたんの頭を軽くなで、夕飯があるか探すとどうにかカップ麺が二個はあった。
ま、これでいいだろ。
お湯を沸かしてカップ麺を二個机に持っていくと(二人分の置き場があるのは初めてだ)、きりたんは凄い形相でカップ麺を見ていた。
この表情を「葛藤」という題名で提出したら花丸が来るくらいの表情だ。
もしかして食べたことも無いのだろうか。
「どうしたの、冷めるから早く食べたら?」
「ああだめですこんなカップ麺なんてずん姉様も言ってましたカップ麺なんて栄養バランスを崩すような食品ははべないほうがいいとああでもだめおいしそうな匂いがごめんなさい姉様私は我慢できそうにもありません」
と声をかけてみるがぶつぶつと呟いていて食べる素振りが見えない。
そんな表情を横目に見ながらカップ麺を啜る。
するとそれを見てかきりたんは意を決したかのような表情になってずるずるとカップ麺を啜った。
あ、あれは私でもわかる。堕ちたな。
結局あれだけ葛藤していたにも関わらず、あっさりと汁まで全部飲んでいった。
しかしこの子、カップ麺も食べたこと無いみたいだけど普段はどうしていたんだろうかね。
いきなり掃除を始めたから詳しく聞いていないけど、これは祖父に問い質す内容も増えたかなぁ、とふときりたんを見やると、宿題を始めていた。
こんな所なのによくやるなぁと思うけど、これ学校はどうするつもりだ……
今は長期休暇だから良いとして、まさかここから通わせるつもりもないだろう。ないよな?
考えを逸らそうとタバコを取り出して、止めた。
「ゲームにするか……」
まだ、夜は長い。