コンコンと自室のドアがノックされる。
「おはようございます。ベルファストでございます。入ってもよろしいでしょうか。」
「良いですよ。」
ガチャ
ドアが開くと、美しく銀髪に見事にメイド服を着こなした、ベルファストが部屋へと入ってきた。
「おはようございますベルファスト姉さん。」
「フフッ もう指揮官になるのですから姉さんは控えてくださいね。」
「あっ」
「まぁ 今は二人ですからいいですけど、気を付けてくださいね。葵指揮官になるのですから。」
「すみません姉さん。いつもの癖で。」
「まだ執事のときの癖が抜けませんね。まったくしっかりとしてくださいね。」
ベルファストは「はぁ」とため息をこぼした。
「はい、気をつけます。」
コンコンとまたドアがノックされる。
「私が出て参ります。葵はベットから早く出てくださいね。」
「ベットから出たくないです。」
そう言って僕はシーツにくるまる。
「はぁ〜」
「ちょっと、そんなため息出さなくても…。」
「やはり私ではなく、シェフィールドの方が良かった様ですね。」
「今出ます、出ますから!姉さんが良いです!」
僕はベットから出る。
あの人苦手。すぐに銃砲向けてくる。いい人だけど苦手。
「ちょっと〜。葵〜!なんでノックしたのに出てくれないの〜!」
ガチャとドアを開けて入ってきたのはエディンバラ姉さん。
ベルファスト姉さんとは姉妹艦でベルファストの姉。
だが、ベルファスト姉さんの方が姉っぽい。
「ゲッ ベルまで居るじゃない。」
「あら 私が居ると何か不都合でも?」
「いやぁ あはは〜 じゃあまた後で!」
そう言ってエディンバラ姉さんは勢いよくドアから出ていった。
(出た後にコケたような大きな音がなったのは多分気のせい。)
「エディンバラ姉さんどうして来たんだろう?」
僕が考えようとした時、ベルファスト姉さんがパンッと手を叩いた。
「分からない問題を考えても仕方ありません朝食が冷めてしまいますよ。」
そう言われて時計を見ると、08:00を指していた。
「もうこんな時間!今日は陛下に呼ばれてるんだった!急がないと…!」
そう言って僕は急いでドアから出ようとした。
「その前に着替えもしなければなりませんね。」
フフッと笑いながらベルファスト姉さんは言う。
「朝食はダイニングルームに置いてあります。必ず食べてくださいね。」
「はい」
「では、失礼致します。」
ベルファスト姉さんは静かに出て行った。
「よし、着替えよう。」
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提督着替え中
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「よし!これでいいかな。」
鏡の前に立ち、自分の姿を眺める。
黒く光沢のある、高そうな燕尾服。
数年前に貰った物だが、しっかりと使っている為、
新品同様とまではいかないがかなり綺麗な状態だ。
「早く食堂に行って、女王陛下に会う準備をしなきゃ。」
背筋を伸ばし、顔は正面をしっかり向き、歩幅は一定にして歩き始める。
最初は難しいかったが、ベルファスト姉さんの教えもあってか、
今では苦労しなくなった。
(そういえば、陛下はなんの為に僕を呼んだんだろう。提督についてのことかな。)
うーんと考えていたらダイニングルームの前までついていた。
ドアを開けてダイニングルームに入る。
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すると、カメラを片手にとても見せられない表情をしている空母がいた。
「……またかぁ〜」
と僕は小声で呟く。
「葵!少し来てくれ!!この駆逐艦達を見てくれ!!とても……とても可愛いと思わないか!!」
そう言いながら写真を見せてくるのはアークロイヤル様。
アークロイヤル様はとても駆逐艦が好きなロリ○ンです。
僕にやたら駆逐艦の良さを語ってくるKAN−SENだ。
「おはようございます。アークロイヤル様。」
「どうだ葵!今日も駆逐艦達は可愛いと思わないか!」
「はい、そう思いますよ。」
普通に、KAN−SENの人達は皆綺麗で可愛いと思う。
そう答えると、ヒートアップし、
「そうだろう、そうだろう!葵も駆逐艦の良さが分かって来たようだな!」
「すみません。アークロイヤル様、僕はこの後陛下に呼ばれていまして、これで失礼させていただきます。」
「そうか。また今度いい写真を見せてあげよう!」
「いえ 遠慮しておきます。」
そう言って素早くその場を離れ、食事を取りにいく。
今日の朝食は、イングリッシュ・ブレックファーストとコーヒーだ。
やはりベルファスト姉さんの朝食は美味しい。
だが、のんびりとはしていられないので、急いで食べる。
「ふぅやっぱり美味しいな。」
そして時間確認の為に懐中時計を取り出し、時間を確認する。
この懐中時計はロイヤルから貰ったお守りの様なもの。
外側はテカリの無い銀色で内側には金色でロイヤルの刺繍がしてあり、大切にしている。
その懐中時計は、08:35を指していた。
(女王陛下と会うのは確か09:00だったからまだ間に合うな。)
そう思い、僕は好きな紅茶を入れる為に、キッチンへ向かった。
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「今日はどうしようかな?」
ロイヤルでは紅茶がよく飲まれるため、たくさんの茶葉がある。
「朝は絶対コーヒーだけど、食後はやっぱり紅茶だな。」
ダージリンに、アッサム、アップルティーなんかもあるけど、
「アールグレイにしよう。」
アールグレイは柑橘系の爽やかな香りの紅茶だ。
お湯を沸かして、ポットに茶葉を入れ、沸騰したお湯を手早く入れて、蒸らす。こうするととても美味しい紅茶が出来る。
カップに注いで香りを確かめる。
「うん。十分いい香りだけど、ベルファスト姉さんには及ばないや。」
僕はベルファスト姉さんの入れる紅茶がとても大好きだ。
姉さんの入れる紅茶は香りから味までがほぼ完璧だ。
そう紅茶を僕が楽しんでいると、突如
パリンッ
「ああっ!またやってしまいました…。やはりシリアスには無理なのでしょうか……。」
音のした方に駆けつけると、割れた皿の前でシリアスが縮こまっていた。
「どうしたのシリアス?」
シリアスが顔を上げる。
シリアスは僕が執事として働き始めた同時期にメイド隊に入った。まぁ同級生みたいなものかな。
シリアスは戦闘に関してはとても頼りになるんだけど、
給仕に関してはお世辞にも上手いとは言えない。
でも、それでも諦めず一生懸命と給仕に取り組む彼女を見ると
自分も頑張らなくちゃって思えるんだよね。
「朝食用の食器を落として、割ってしまいました……。」
「あー。まぁ割ってしまったものは仕方ない。手伝うからすぐに片付けよう。」
「…はい。」
「次は気を付けてね。」
と僕は食器の破片を集めながら言う。
「葵はやっぱり優しいですね。この給仕もまともに出来ないシリアスに…。」
「同期の仲間じゃないか。助け合うのは当たり前だ。それにシリアスだって僕のことを助けてくれたじゃないか。」
「…そうですね。」
よしっとシリアスは立ち上がった。
「食器の破片をすぐに片付けます。後はこのシリアスにおまかせください!」
「ああ」
そして、シリアスはテキパキとはいかないが片付けをし始めた。
僕も手伝って、片付けが終わった。
「ありがとうございました。葵。」
「ああ。大丈夫だよシリアス。」
「でも、せっかく葵の入れた紅茶が冷めてしまいました。」
「また入れ直せばいいから大丈夫だよ。」
なんだろう少し嫌な予感が…。
「このシリアスに紅茶を淹れさせてください!手伝って頂いたお礼として。」
「…エッ。」
これは断りづらいが、
このシリアスはまともな紅茶を淹れられた事が無いと思う。
あのベルファスト姉さんすら顔色を変えて、自室に戻るほどの紅茶を僕は飲む気にはなれない。
「ダメ……でしょうか…?」
とシリアスは涙目上目遣いで聞いてきた。
これは、断ったら良心に響く…!
「あ、ああ。じゃあいただきます。」
そう言った瞬間にパァーと笑顔になったシリアス。
「はい!美味しい紅茶を淹れてきますね!」
シリアスは笑顔でキッチンに向かって行ったが、
葵の顔は諦観の笑みを浮かべた。
果たして僕は無事に女王陛下に会うことが出来るのだろうか。
葵がそんな事を考えてるなど知らずに、
シリアスは紅茶の用意を続けるのだった。
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人物紹介
葵 男 推定19歳
幼い頃に、重桜近くの島国で暮らしていた所、セイレーンによる襲撃を受けた。突発的な襲撃だったため対応が遅れ、甚大な被害をもたらした。すべての陣営が協力して撃退したものの、その襲撃の生存者は3人。その内の一人
年齢は分からず、記憶も所々欠如していた。ロイヤルメイド隊のベルファストにより助けられ、そのままロイヤルへ。
そして、ロイヤル初の執事としてロイヤルで働いている。
執事から指揮官へなる様にと陛下から言われるのだか、葵は指揮官よりも執事の方が好きなようだ。
アズールレーン3周年おめでとうございます!
こういったものを前々から書いてみたかった。
こんな駄文ですか、良かったら見てってください。
あっ!感想お待ちしています。
何でもいいです。